「国鉄の香り」って何だ? これはコロンか芳香剤か? その匂いを嗅いでみた。

国鉄時代を代表するブルートレイン。あの懐かしさを匂いで表現した芳香剤があります。

夏の午後、路地裏の土の匂い。

雨が降り始めたときのコンクリートの匂い。

あるいは商店街を歩くと漂ってくる焼団子の醤油の焦げた匂いなどなど、昔の子供の頃の思い出には、匂いが伴っています。

読者の皆様方にも、それぞれに思い出の情景とともに、思い出の匂いがあると思いますが、そんな思い出の匂いの中で、誰でも「そういえば・・・」と思い出す匂いがあると思います。それが電車の匂い。昔は電車に乗るとなんだか独特な匂いがあったのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

そんな国鉄時代の電車の匂いをフレグランスとして再現したのが「国鉄の香り」というコンセプトでうまれた「COQTEZ」。

シュッとひと吹きすると、あの懐かしい電車の匂いが周囲に広がります。

「COQTEZ」 おしゃれなネーミングですが、「こくてつ」、つまり「国鉄」なのであります。
「COQTEZ」 おしゃれなネーミングですが、「こくてつ」、つまり「国鉄」なのであります。

「COQTEZ」とはおしゃれなネーミングですが、「こくてつ」ですから、つまりは「国鉄」のこと。

国鉄時代に電車の車内に一歩入った瞬間にほのかに感じたあの独特の車両の匂いを再現した芳香剤です。

こんな芳香剤を作ったのはこの方、高橋竜さん。合同会社 ビイエルテイ (BLT LLC)のCEOで、ふだんはITのお仕事をされていらっしゃる方ですが、実は福岡県の貝塚駅近くに保存されている国鉄時代のブルートレイン、ナハネフ22型の維持管理活動をされている一人で、その活動費をねん出するために「COQTEZ」を商品化した方なのです。

高橋竜さん。
高橋竜さん。
高橋さんの支援活動で外装修理が行われきれいになったナハネフ22型。
高橋さんの支援活動で外装修理が行われきれいになったナハネフ22型。

この車両は国鉄時代から長年にわたって東京や大阪と九州各地を結ぶ寝台特急「あさかぜ」「はやぶさ」「あかつき」などのブルートレインに活躍してきた車両ですので、「ああ、懐かしい」と思われる方も多いと思いますが、最近の車両と違って、当時の国鉄が看板列車として注力したことがそのデザインから今に伝わる歴史的な名車と言われています。

今見ると、ずいぶん可愛い顔をした列車ということになりますが、高橋さんいわく、「この列車の車内に一歩入った瞬間に感じる香りなんです。」ということで、「COQTEZ」、「国鉄の香り」が誕生したそうです。

ナハネフ22の車内。現在は保存車なので立ち入り禁止ですが、車内の寝台もきれいに保存されています。
ナハネフ22の車内。現在は保存車なので立ち入り禁止ですが、車内の寝台もきれいに保存されています。

皆さん、なんとなく思い出しませんか? 昔の電車の車内の匂いを。

もっとも、高橋さんはまだ40代ですので、国鉄と言ってもかなり末期の、民営化が視野に入った頃の匂いなのでしょうが、還暦が近い筆者が思い出す国鉄の匂いといえば、やはり蒸気機関車の煙や油の匂いだったり、チョコレート色の電車の木の床の匂いやニスの匂いだったり、年代によって思い出す匂いというのは違ってくるかもしれません。

昭和50年ごろまで活躍したチョコレート色の電車(筆者撮影)
昭和50年ごろまで活躍したチョコレート色の電車(筆者撮影)
チョコレート電車の後を引き継いだ165系急行形電車(筆者撮影)
チョコレート電車の後を引き継いだ165系急行形電車(筆者撮影)
つい最近まで活躍していた113系電車。(筆者撮影)
つい最近まで活躍していた113系電車。(筆者撮影)

上のモノクロ写真は筆者が昭和47年に撮影した国鉄形電車。当時はチョコレート色のニスの匂いがする電車が、新型の電車に置き換えられていった時代ですが、そのチョコレート色の電車の後を継いだ165系や113系といった系列の電車は、1960年代後半から2000年代までの長期にわたり活躍した車両ですので、今生きている日本人のほとんどの世代が経験した車両ということになります。

ブルートレインのような特別な列車だけでなく、こういった一般の電車も同じ匂いがしていましたので、その国鉄の匂いを覚えている方も多いのではないでしょうか。

そう、あの独特の匂いは決して不快なにおいではなく、どことなく懐かしい「香り」なのであります。

「COQTEZ」と同時に販売されている国鉄座席の生地を使用したクッション。
「COQTEZ」と同時に販売されている国鉄座席の生地を使用したクッション。

では、このフレグランスをどうやって使うのか高橋さんにお聞きしたところ、この国鉄時代の座席モケットの生地を使用したクッションに吹きかけて使ってくださいということ。なるほど、そうすれば座席に座った時の香りを楽しめるということのようです。

ということで筆者はこのクッションを自家用車の中に置いて、「COQTEZ」を噴霧して当時の香りを楽しんでおります。

どんな匂いがするか気になるでしょう。

ちょっと消毒液の匂いが漂う、植物性のほのかな香りです。

IT化が進んでインターネットの時代になりましたが、この「香り」は残念ながらお届けすることができません。

それだけに、香りの思い出というのは、懐かしく遠くに感じるものなのでしょう。

気になる方はぜひ、高橋さんの会社「合同会社ビーエルティー」のホームページをご訪問ください。

このニュースは宣伝広告ではありませんので、商品の詳細はご自身でお調べいただくことになりますが、昭和の鉄道車両の保存活動も合わせて、いろいろ読みがいのあるサイトになっていますので、お楽しみいただけると思います。やはり、商品というのは「思い」が大切だということがよくわかります。

「国鉄の香り」

直接日常生活の役に立つ商品とは思えませんが、こういう商品があるということは日本人も進化したなあと還暦間近のおじさんとしては感慨ひとしおでございます。

合同会社ビーエルティーのWebサイト

ちなみに、この国鉄時代の電車の「香り」。最近、ああ、この香りだと体験した場所があります。

そう、今でも、この国鉄時代の電車の香りがする電車が走っています。

それも、最新型です。

場所は筆者の地元の京成電車。

スカイライナーから一般電車まで、京成電車にはたくさんの形式が走っていますが、その中で3000形と呼ばれる一番新しい車両。

ときどき、車内に入った途端に、「おやっ」と香りを感じる時があります。

車両が新しいからでしょうか? それとも使っている車体の材質でしょうか? 塗料でしょうか?

理由はわかりませんが、京成電車の新型車両の車内で感じる匂いが、この「COQTEZ」の香りなのであります。

京成電車の3000形。国鉄時代の車内の香りを感じるのは筆者だけでしょうか。(筆者撮影)
京成電車の3000形。国鉄時代の車内の香りを感じるのは筆者だけでしょうか。(筆者撮影)

皆様、是非、京成電車に乗りにいらしてください。

混んでいる電車ではなくて、空いている時間帯がお勧めです。

※文中の写真は筆者撮影とある以外は高橋竜さんからご提供いただいたものを掲載しています。

なお、香りの印象は極めて個人的な感想ですので、どうぞご了承ください。