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【ジャズ生】アルバムづくりの熱気をステージで再現|NF4@銀座BAR MUGEN

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、フュージョン・ユニット“NF4”。

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NF4『Views Of Peace』
NF4『Views Of Peace』

NF4は、ワンホーンの4人編成ユニット。フュージョンにカテゴライズされる。

フュージョンとジャズの違いは16ビートと4ビートの違いなどとかつてはいわれていたが、それぞれにヴァリエーションを増やして領域を浸食したため、現在では明確な仕分けはできないと言ってもいいだろう。もちろん、本人たちが「エレクトリック・マイルスをリスペクトしている」とか「ウェザー・リポートを21世紀に蘇らせる!」と言っていればフュージョンと呼ばれることが名誉だし、4ビートへのこだわりが強ければジャズとしてのポジションを尊重しないとタイヘンなことになりかねないので、注意が必要だ。

さてNF4だが、基本はエレクトリック楽器の割合が低く、アコースティック味の強いサウンドとなっているが、レパートリーのジャンルが幅広いという特徴を備えている。ヴァリエーションを広げる方向性をもっていることもフュージョンの特徴のひとつと言え、彼らの柔軟度はそれに当てはまるのだ。

サックスのヒノリンこと日野林晋には、彼が参加しているTKBというユニットで、豪放なのに繊細なプレイに接して魅了されてしまったという因縁があったりしている。TKBが4作目の『BACK IN TIME』をリリースする少し前のことだから、もう15年ほど経っているだろうか。

情報によれば、2013年リリースのファースト・アルバム『Views Of Peace』に続く第2弾のレコーディングを終えたもよう。このステージでは、アルバムづくりのために集中した余韻と、アルバムの予兆となるサウンドという“2度美味しい”ステージを楽しめることになるだろう。

では、行ってきます!

●公演概要

12月21日(月) 開演19:30(2セット)

会場:BAR MUGEN(東京・銀座)

出演:NF4:日野林晋(サックス)、小畑智史(キーボード)、石井圭(ベース)、西村悟志(ドラム)

♪NF4 & Kasi Jones Rock Out to Doobie Brothers classic "Long Train Runnin'"

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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