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【JAZZ LIVE】タンブッコ@東京文化会館小ホール

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、メキシコ発の打楽器集団“タンブッコ”の日本公演。

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タンブッコ@東京文化会館小ホール
タンブッコ@東京文化会館小ホール

世界屈指の打楽器アンサンブル、タンブッコが日本にやってくる。

タンブッコは、1993年にメキシコ人打楽器奏者4人で結成された。その芸術性豊かなパフォーマンスによって世界を魅了し、グラミー賞には4回のノミネートを果たしている。

この来日公演は、Music Program TOKYOの一環。Music Program TOKYOとは、東京・上野のクラシック音楽の殿堂として知られる東京文化会館が、世界に向けて発信しているもので、“プラチナ・シリーズ”を冠したイヴェントがこの10月から来年2月にかけて計5回にわたって行なわれる予定。そのシリーズの皮切りとなるのが当公演だ。

ミニマル・ミュージックの新たな解釈に期待

タンブッコは、楽器として認識されるものを超越し、木片や石、そして周囲にあるテーブルなどをも利用して、日常を瞬く間に音楽によって“祝祭”へ変換させるという魔力を備えているという。

今回の公演で興味深いのは、ステーヴ・ライヒ(ライシェ)の「木片の音楽(Music for Peices of Wood)」の上演。1970年代のスティーヴ・ライヒは、ガーナを訪れてアフリカのドラミングを追究したり、バリ島のガムラン研究に没頭するなど、後にミニマル・ミュージックの松濤とされる以前の揺籃期にあたる。

こうした素材をどのように“現代”へ結びつけていくのかという、クラシックの再演とはひと味違うアプローチを楽しみたい。

曲目

S.ライヒ:木片のための音楽

G.フィトキン:フック

H.インファンソン:エマトフォニア(あざのできる音楽)

R.ガヤルド:紅葉〈世界初演〉

J.カミルアガ:ちびっこコンガのための四重奏

B.デュカイ:オーヴァー・ザ・フェイス・オブ・ザ・ディープ

C.グリフィン:過去の化学作用の持続

A.ブリンガス:バランコ

では、行ってきます!

●公演概要

10月4日(日) 開場14:30/開演15:00

会場:[http:// 東京文化会館 小ホール](東京・上野)

出演:タンブッコ:リカルド・ガヤルド(芸術監督)、アルフレッド・ブリンガス、ミゲル・ゴンサレス、ラウル・トッドン

♪Music for pieces of wood- Steve Reich

NEXUSによる「木片のための音楽」。

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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