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【JAZZ】深澤恵梨香オーケストラ@モーション・ブルー・ヨコハマ

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
深澤恵梨香オーケストラ@モーション・ブルー・ヨコハマ
深澤恵梨香オーケストラ@モーション・ブルー・ヨコハマ

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、深澤恵梨香オーケストラのライヴ。

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平成元年生まれの作曲家、深澤恵梨香が率いるオーケストラが、2013年の結成当初以来となるセカンド・ライヴを行なう。

深澤恵梨香は作曲家を志して東京音楽大学作曲科指揮専攻に学び、在学中からその才能を発揮して頭角を現していた。2013年には、母校・東京音楽大学芸術祭50周年という節目に大学公式企画に招聘されオーケストラ曲2曲を提供。

同年に結成したのがこのオーケストラだった。

現場主義の“ジャズ気質”が焙り出すポスト・フュージョンの糸口

オフィシャル・サイトを見ると(「ABOUT|ERIKA FUKASAWA ORCHESTRA」)、譜面はすべて「あて書き」されているという。

「あて書き」というのは演劇用語で、あらかじめ演じる俳優を決めてから脚本を書いたり演出を決めたりすることだ。

つまり、譜面によって律せられたオーケストラが醸し出す調和の美という既成の概念を超え、プレイヤーの個性を前面に出しながら有機的に発展していく集合音楽の新たなスタイルを模索しようとするもの。

管弦打楽器の実力派を集めた23名の大所帯をどのように紡ごうとするのか。そして、1年半でどのような熟成を見せてくれるのか。

プログラムはフュージョンの歴史を刻んだ名曲が予定されているが、ポスト・フュージョンのアプローチをどのように具現化しようとしているのかにも注目したい。

では、行ってきます!

●公演概要

4月29日(水) 1st 開場15:15/開演16:30 2nd 開場18:15/開演19:30

会場:モーション・ブルー・ヨコハマ(横浜)

出演:深澤恵梨香(作曲、アレンジ、指揮)

木幡光邦(トランペット)、高瀬龍一(トランペット)、中山浩佑(トランペット)、鍵和田道男(トロンボーン)、山城純子(トロンボーン)、小池修(サックス)、竹野昌邦(サックス)、小林豊美(フルート)、桃原健一(オーボエ)、白石幸司(クラリネット)、井上陽介(ベース)、佐藤雄大(ピアノ)、加納樹麻(ドラム)、伊達弦(パーカッション)、牛山玲名(1stヴァイオリン)、中島優紀(1stヴァイオリン)、田島華乃(1stヴァイオリン)、越川歩(2ndヴァイオリン)、山本理紗(2ndヴァイオリン)、松本有理(ヴィオラ)、山本法子(ヴィオラ)、関口将史(チェロ)

深澤恵梨香「Tombo」サンプル音源

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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