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#今月のテック 12月: Facebookはこの問題を乗り切れるか

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
Facebook・マーク・ザッカーバーグCEO(2018/09 筆者撮影)

2018年7月のCambridge Analyticaのスキャンダルは、人々がコミュニケーションとして楽しんでいた診断アプリへの「許可」を通じて、アプリがユーザーとその友達の情報を収集し、8700万人もの個人情報を収集していたことが発覚しました。Facebookの株価は7月に付けた218.62ドルから半年で123.02ドルにまで下落しています。しかしそれ以上に、ベイエリアではFacebookに対する軽快感が一段高まった、という雰囲気を感じています。

このプライバシー問題で明らかになったことは、昔から言われていることとあまり変わりありません。「友達を選ぼう」ということ。そして「インターネットに自分や家族のことを書かない」ということです。しかし、それはFacebookにおいて、あるいは「世界中の人々をつなげる」というFacebookが目指す世界において、現実的なのでしょうか。

ソーシャルネットワーキングサービスという特性から、つながりが重要なサービスです。そのため自分がいくらプライバシーを守っても、友達の誰かから漏れてしまえばデータは流出します。特に、写真やコメントの人名のタグ付けの投稿でコミュニケーションが生まれやすい仕組みになっていますが、そこに写真に映る顔の情報、一緒にいた場所の情報等が付加されており、「プライバシーの漏れ方」も多様化しています。

人を無闇にタグ付けしない人、妙なアプリに引っかからない人だけを友達に加えるという「マナー」を強いてまで、果たしてFacebookを「気軽な日常ツール」として使えるかどうか、一度考えてみる必要があります。もちろん、上手いつきあい方もあるでしょうし、それによってFacebookからプライベートや仕事で得られるメリットもたくさんあります。Facebook自身も、近しい人のコンテンツを優先するなど、変化の動きを見せつつあることも事実です。

しかし「自分の身は自分で守る」という前提の米国生活を7年過ごしてみると、プライバシーについてもその前提が適用されるのだということを薄々感じています。まだ、「じゃあどうする」の部分がユーザー側からもFacebook側からも明らかにならないまま2018年を終えようとしていますが、2019年はお互いに歩み寄るのか、決定的な決裂を迎えるのか、はっきりすることになるでしょう。

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ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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