ニューヨーク証券取引所、ユナイテッド航空、WSJが同時に「技術的問題」でダウン

取引が停止したニューヨーク証券取引所。(写真:ロイター/アフロ)

7月8日の朝は「トラブル」どころの騒ぎではありませんでした。3つの大きな組織が並んで「技術的な問題」でそのサービスをダウンしたからです。

まずユナイテッド航空のトラブルが入ります。コンピューターのトラブルによって全便が運行できない状態になりました。ユナイテッド航空は、コンチネンタル航空との合併で、システム障害が続いており、5月にも運行に支障の出るコンピュータートラブルが発生しています。

続いてニューヨーク証券取引所が「技術的な問題」で全銘柄の取引を停止。この原稿を書いている間も停止し続けており、9.11のテロ、ハリケーンSandyの際と同様の長時間取引停止となっています。

そして大手メディアであるWall Street Journalのウェブサイトもダウンしました。

「Halt」「Glitch」でまとめられたニュース

タイミングが非常に悪かった、という印象もあります。

今週に入って、株式市場は値下がりを続けていました。ギリシア債務問題、そして中国・上海市場の大幅な下落に端を発してリスク回避の調整に入ったとみられています。

上海市場は、値下がりを食い止めるために銘柄の取引停止という措置が取られましたが、急に発生したニューヨーク市場のトラブルは、同じ「取引停止」という事象を引き起こしたからです。

上海市場のニュースにも、ニューヨーク市場のニュースでも、見出しでは「halt」(停止)という同じ単語が使われていました。また、3つのシステム障害では、「glitch」(故障)という単語が使われており、異なる文脈で同じ単語が使われるニュースが続きました。

となるとどうしても、それぞれの事象の関連性を見出したくなってくる心理も理解できます。現在のところ、それぞれは別々に起きたこととみられています。米国の安全保障当局やFBIは、これらのトラブルに「サイバー攻撃の兆候は見られない」とのコメントを発表しています。

またニューヨーク証券取引所もTwitterで、内部のシステムトラブルが原因でサイバーアタックではない点を指摘しています。事態の収拾にはまだしばらく時間がかかりそうですが、経済的な影響は小さくないことが予測されます。

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。テクノロジーを活用した新しい学びを研究・ビジネス化するキャスタリア株式会社取締役。

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