Amazon Fire TV発表、リビングルームでの競争も激化
米国時間の4月2日、Amazonはテレビに接続してデジタルコンテンツを楽しむセットトップボックス、Amazon Fire TVを発表しました。価格は99ドルで、この値段はRoku 3やApple TVといった同種のストリーミング対応セットトップボックスと同じ価格です。
ただし後発ということで、性能は優れています。他のデバイスがデュアルコアであるのに対して、クアッドコアと2GBのメモリを搭載したAndroidベースのデバイス。Wi-Fi（MIMO）、Bluetoothなどを内蔵し、テレビとインターネットに接続すればすぐにリビングルームでネットビデオが楽しめます。
コンテンツは、Amazonが提供するビデオストリーミングサービス「Amazon Instant Video」だけでなく、Netflix、Hulu plusなどの購読型ストリーミングサービス、NBAやESPNといったスポーツチャンネル、その他ケーブルの映画チャンネル、YouTubeなどを楽しむ事ができます。
Amazon Instant Videoは、1本単位でビデオを課金・視聴出来るサービスですが、米国のAmazon Primeに加入していると、これらのコンテンツを無料で見ることができます。ECの送料無料と、デジタルコンテンツの無料視聴、電子貸し本といったサービスが複合された、メディア＋ライフの統合サービスになってきました。
注目は、音声検索とゲーム
Fire TVで新しい要素として注目されるのは、リモコンを使った音声検索とゲーム機能です。
Fire TVのリモコンは本体とBluetoothで接続され、赤外線のように方向を気にしなくても操作する事ができます。とはいえ、しばらくはテレビに向けて操作する事になってしまうとは思うのですが。
またリモコンをBluetoothにしたことで、音声入力 → 検索といった声での操作を可能にしてくれます。貧弱なボタンのリモコンで文字入力する、もしくはキーボードを引っ張り出してくるといった操作は、リビングルームにはふさわしくない、というものでしょう。
Fire TV向けにも配信します。無料もしくは平均1.89ドルで配信されます。EA、Disney、Ubisoftといったゲームメーカーのタイトルと、Amazon内製のゲームなども配信用意されます。Amazonは専用のコントローラーを39.99ドルで用意しています。
App Storeがスマートフォン向けのゲーム流通で成功しているように、Amazonもテレビ向けのゲーム配信分野で影響力を見せられるかどうか注目です。スマートフォン向けにゲームを出している開発者だけでなく、コンソール向けのゲームがどれだけ流れ込んでくるかがカギになるでしょう。
Appleもテレビ分野についての動きをにわかに見せ始めています。2014年はウェアラブルに加えて、テレビについても、変化が訪れる1年になっていきそうです。ケーブルテレビとの関係やネットの帯域の問題など、解決すべき点はまだまだ山積しており、またこの動きがまずは米国市場向けであることも、付記しておかなければなりません。
