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Googleマップのエイプリルフールは「ポケモン・チャレンジ」

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
Googleマップアプリでポケモンを見つける企画。世界に150匹が散らばっている

エイプリルフールは、ウェブ上が一大エンターテインメントの場になります。今年も各社、趣向を凝らしたジョークが飛び交う中、毎年気合いが入っているGoogleは、地図と日本語入力で、ユーザーを楽しませてくれます。ちなみに日本語入力は、マジックハンドの日本語入力です。

以前から、ドラクエなど、日本のゲームのコンテクストを使った地図のユーモアを入れていますが、今年はGoogleがポケモン、任天堂、ゲームフリーク、クリーチャーズと協力して、世界中に散らばっているポケモンを集めるゲームを展開しています。

以下が、プロモーションビデオです。気合いがすごいですね。

今回がドラクエのぼうけんマップと違うのは、モバイル版のアプリを利用する点。Android版、iOS版のGoogleマップアプリで地図を開くと、世界中にポンスターがマッピングされており、タップすると捕まえることができると言う仕組みです。捕まえると、そのモンスターはカプセルになります。

また、ヒントがGoogle+のアカウントで送られてくるという点も、より自社製品を紹介する意味合いで有効と言えるでしょう。

あんまり未来じゃなくなってきた

さて、再び、前掲のプロモーションビデオに戻ります。クールに作ってあるポケモンチャレンジのビデオですが、こういった映像を見ていて、既に未来の話ではなくなってきた、という感覚を覚えています。

出てくるリアルなポケモントレーナーたちは、草むらをかき分け、断崖を上るというリアルな困難を乗り越えながら、スマートフォンを通じてポケモンを発見したり捕まえています。

実際には、Googleマップアプリでどこの地図でも表示できるため、東京にいながらニューヨーク・マンハッタンのモンスターも捕まえることができるのですが、自分が今いる場所の近くにポケモンが潜んでいると、不思議と非常に嬉しく、面白い体験をしたと感じます。

ビデオの中で興味深いのは、街中でスマートフォンを空にかざしているときに、歩いている人たちが不思議そうに観ていたことです。つまり、スマートフォンを通じて観ていない世界では、ポケモンのことなど誰も気にしていないのです。

スマートフォンを街中で観るという行為そのものは、すでにありふれた光景でしかなく、決しておかしな事をしているわけではない、という認識もあるでしょう。つまり、同じ場所にいる人同士で、観ている世界が違うということを表しています。

例えば電車に乗っている人がみんなスマホを観ていたら、全ての人が違ったコンテンツやコミュニケーションをこなしていることになります。ポケモンを探していなくても、そもそも1人1人違う体験を、同じ場所や移動時間にこなしているのです。

また、ビデオの中では、リアルな現場にモンスターが合成されていましたが、これもセカイカメラのようなARのアプリと、Google Glassのようなウェアラブルデバイスを使うと、映像で観た通りの映像が得られるようになります。

エイプリルフールのジョークも、だんだん現実と近づいてきている、そんな事を考えた4月1日の朝でした。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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