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舞台、映画、ドラマで躍動――様々な役に挑戦中の女優・守屋茜が、演じる上でいつも大切にしていること

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
(C)「ナースが婚活」製作委員会(場面写真以下同)

矢田亜希子主演の話題のドラマ『ナースが婚活』にゲスト出演

櫻坂46卒業後の守屋茜は、2022年から舞台、映画、連続ドラマに挑戦し、精力的に女優としての道を切り拓いていっている。試行錯誤、自問自答しながらキャラクターを作り上げていき、長年の夢だった女優という仕事を楽しんでいる。

そんな守屋が、矢田亜希子が主演を務める話題のドラマ『ナースが婚活』(テレ東系/毎週木曜24:30)の、第7(2月22日※「世界卓球2024」中継のため放送時間変更の可能性があります)と8話(29日)にゲスト出演し、ヒモと付き合い結婚に悩む看護師を演じている。この役について、そして憧れの矢田亜希子との共演について、演じる上で大切にしていることなどを聞かせてもらった。

『ナースが婚活』は柳川圭子著の、リアルすぎる婚活物語と話題になった原作をドラマ化。 ナース専門の結婚相談所「ナースのとも」代表・横山陽子(矢田)は、元ナースで自身も長年の婚活を経験した過去を持つ。実らぬ恋に悩むナースが、“婚活界の神”によって結婚を手にするまでの軌跡を描く婚活物語だ。守屋はヒモと付き合うナースをどう演じたのだろうか。

「今回の保科ひかりという役は、最初は絶対こうなりたくないと思いましたが(笑)、演じてみると少しかわいく見えてきました」

「原作を読むまでは、ナースの方々は婚活しなくても出会いが多そうなイメージを勝手に描いていたので、ナース専門の結婚相談所があるというのは意外でした。でも確かに職場で出会える人って限られてくるな、とも思いました。”保科ひかり“という役は個人的にはあり得ない、絶対こうなりたくないと思いながら読んでいました(笑)。共感はできないけど、でも当たり前ですがどんな役でも理解したいと思って役作りしています。今回も実際演じてみると、ひかりが少しかわいく見えてきました」。

アルバイトをしながらバンド活動をやっている彼と同棲し、お小遣いを渡しているひかり。でも結婚を考えると彼氏ではないと思い始め、陽子に相談すると「ヒモに引っ掛かりやすい典型」とすぐに見抜かれてしまう。そして「何かを大きく変えるべき」とアドバイスされるも「わかってるんです、でも彼、私がいないとダメなんです…」と煮え切らない。そんな時同じ状況の男性ナース・蒲生吾郎を紹介され、さらに学生時代の家庭教師だった医師とも再会する。悩むひかりに陽子から「結婚は相手と幸せになる覚悟を持つこと」というメッセージが贈られ――。

「立場が変わるだけで、結局自分は何も変えようとしなかったんじゃないかって悩むところが難しくて。私はいち女性として、そこってそんなに考えないといけないかな、と思ってしまいました。でもひかりは自分が成長できていないと思ってしまう、すごく責任感がある女性なのできちんと変わる決意をして、変わってから次に行きたいと思ったんだろうなと理解するまでが難しかったです。ひかりはちゃんと軸があるいい人だと思います」。

そう語る守屋もしっかりとして軸を持つ女性だ。

「ある程度の年齢になったら、私はそもそも付き合う段階で、結婚前提じゃなければなんなの?と思うタイプで、そうじゃないのに付き合うその時間って何?って思います(笑)。それこそ26歳になった今、より一層そう思います。付き合ってみてうまくいかなかったら、それは仕方がない。でもこういう話を友達とすると大体わかってもらえず、話が合いません(笑)」。

憧れの矢田亜希子との共演が実現

母親が観ていたドラマ『やまとなでしこ』(2000年)に夢中になり、それ以来ドラマが大好きなったという守屋。今回その『やまとなでしこ』に出演した矢田との共演が実現した。

「『やまとなでしこ』を観てドラマが好きになって、そこに出ていらっしゃった矢田さんに憧れていたのでその方と共演できるなんて、本当に感激しました。初めて現場でお会いした際も『やまとなでしこ』の時のイメージと同じで、そのオーラというか年齢を重ねてもずっと美しい方だと感じました。今も憧れの存在です」。

「グループ在籍中も、とにかく女優になりたいという思いが強く、どこかのタイミングで次に進まなければとずっと思っていた」

守屋は2016年に欅坂46の一期生としてデビューしたが、2021年に櫻坂46を卒業。憧れだった女優になりたいという思いが日々強くなっていった中での決断だった。2022年に現事務所に所属して女優としての道を歩み始めた。

「グループのオーディションに合格したことがスタートだったので、そういう環境を作ってくださったことにすごく感謝しています。でもアイドルという職業はとにかく忙しくて、演技がやりたいと思っても、そこだけに集中できないというジレンマはずっとありました。目の前のことを精一杯続けていたので、『次はこれをやってみたい』という夢や希望があったとしても、そこを目指すエネルギーがなくなったり、夢自体がなくなっていく子も中にはいたと思います。私は負けず嫌いだし、とにかく女優になりたいという思いが強かったので、どこかのタイミングで次に進まなければ、というのはずっと思っていました」。

「グループ時代に鍛えられた根性が武器になっていて、少しのことでは動じなくなりました」

2022年演劇『テーマ我が家の家族』で初舞台を経験し、ドラマ『君と世界が終わる日』で連続ドラマデビューも果たし、今年『罪と悪』で映画デビューも果たした。

「5年間で鍛えられた根性が武器になっていて、大変なことがあってもあの時の大変さを経験しているからなんでもできると思えます。少しのことでは動じなくなりました。舞台はグループ時代にやっていたことに近くて、生のよさとか、お客様が目の前にいるというのは共通点だと思います。ライヴは歌を覚えようとして覚えるというより、繰り返し歌っているうちに歌も振りも体が覚える感覚で、それは舞台と近い感じがしました。映画もドラマもたくさん出て、とにかく色々な役をやりたいです」。

「アクションの演技は本格的に挑戦したい」

写真提供/テンカラット
写真提供/テンカラット

これからやってみたい役柄、キャラクターは?と聞いてみると――。

「アクションはすごく興味があります。小さい時から動くことが好きだし、ダンスもグループに入って始めましたが、運動神経はいい方だと自分でも思っているので、アクションの演技は本格的に挑戦したいとずっと思っています。それと『ラスト・フレンズ』というドラマが大好きで、長澤まさみさんが演じていた、激しい束縛やDVを受ける藍田美知留という役に引き込まれました。私自身もちろんそういう経験がないし、あまり人に怒ったこともないし、周りにそういう人もいないので、逆に興味があって、挑戦してみたいです」。

「その役に対して共感しすぎず、常にフラットな姿勢で向き合いたい」

未知の部分や自分の知らない自分をもっと見たい、だから色々な役にチャレンジしたいと語ってくれた守屋。演技をする上で大切にしていることを教えてもらった。

「その役を共感という形で自分の中に入れてしまうと、やっぱり役によってはその役を演じたことで、自分が傷ついてしまう場合もあると思います。もちろんその役に全身全霊で向き合って役を理解しようと頑張って理解はするけど、絶対に共感はしないようにしようと思っています。ちゃんと自分は自分、役は役ってどこかでスイッチが分けられるようにって考えながらやらせていただいています。元々なんでも切り離せて動けるタイプだと自分では思いますが、今後すごく苦しい役だったり、どんな役に出会うかわかりません。でもそれは楽しみでもあります。よく好きなものを仕事にすると苦しく辛くなると言いますが、大好きなものだからこそ、そうならないように自分なりに考えて取り組んでいます」。

「YouTubeのネタを考えるのが楽しい。細かいことは苦手だったはずなのに、編集作業が好きだったことが発見でした」

守屋はインスタやYouTubeなどSNSに力を入れ、得意の美容関係では様々な角度から美容を学び、経験し、情報を発信するトータルビューティープロジェクトの一環として、公式YouTubeチャンネル『Akanen's Style』を昨年スタートさせ好評だ。生き生きとした守屋を観ることができる。

写真提供/テンカラット
写真提供/テンカラット

「最初はそこまでSNSに強い関心はなかったのですが、始めてみたらすごく楽しくなって。あまり前向きではなかった理由は、“やらなきゃいけない”という感じになると苦になって続かないのでは、と不安だったからなのですが始めてみると自分が好きな美容関係や、やりたいことがたくさん出てきて、ネタを考えるのが楽しいんです。あと編集作業が好きだったことも発見でした(笑)。文字のフォントなどにも徹底的にこだわって、どうやったらきちんと伝わるか細かいところまで練りに練って発信しています。こういう細かいことは苦手だったはずなのに、好きだということがわかると、むしろ夢中になってできるんだなと新しい自分を発見できました」

『ナースが婚活』オフィシャルサイト

守屋茜オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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