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鈴木雅之 全国ツアー完遂。“アニソン界の永遠の大型新人”が高城れに、鈴木愛理、すぅと豪華コラボ

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ソニー・ミュージックレーベルズ

全国ツアー『masayuki suzuki taste of martini tour 2023 ~SOUL NAVIGATION~』完走

鈴木雅之が4月から開催していた全国ツアー『masayuki suzuki taste of martini tour 2023 ~SOUL NAVIGATION~』が、8月1日の北海道・コーチャンフォー釧路文化ホール公演をもって、全26公演のツアーが終了。そのツアーの中で、7月21日に開催された埼玉・大宮ソニックシティ公演では、アニメ『かぐや様は告らせたい』のオープニング主題歌で鈴木とデュエットした鈴木愛理、高城れに(ももいろクローバーZ)、すぅ(SILENT SIREN)が揃ってゲスト出演しパフォーマンスを披露。この一夜限りのスペシャルなコラボに満員の客席はもちろん、この日の模様はWOWOWで生中継され全国のファンが熱狂した。

会場がダンスフロアと化すことを予告するように、最新アルバム『SOUL NAVIGATION』に収録されている「CLUB KAGUYA 〜CARTOON + YELLOCK MIX〜」が流れ始めると、客席は早くも総立ちで、ミラーボールが眩い光を放つ中、鈴木が登場。オープニングナンバーはアルバムの一曲目でもあるファンクナンバー、鈴木が作詞・曲を手がけた「MY SOUL NAVIGATOR」だ。いきなりグルーヴィーなサウンドに客席が体を揺らす。「ファンキービートを体で感じて欲しい」という鈴木の言葉通り、このライヴは心と体で感じ、感情を素直に出す場、心ゆくまで音楽を楽しんで欲しい、という思いが込められている。

堂本剛、Ayase、橋口洋平、水野良樹、マハラージャン、在日ファンクが楽曲提供した最新アルバム『SOUL NAVIGATION』

このアルバムはダンス、ファンクというキーワードを軸に、堂本剛、Ayase、橋口洋平(wacci)、水野良樹(いきものがかり/HIROBA)、マハラージャン、在日ファンクという、名前を見ただけでワクワクするアーティストが楽曲を提供し、芳醇な薫りの独自のファンクを追求した一枚だ。

堂本剛が提供したミディアムバラード「flavor」は、徐々にテンポが変化し濃いファンクになっていくが、鈴木のソウルフルなヴォーカルが相まって上品な歌謡ファンクとでもいうべき独特の温度感を放つ一曲になっている。YOASOBIのコンポーザー・Ayaseが提供したニューソウル的な肌触りのラヴソング「道導」(みちしるべ)では、“ラヴソングの王様”らしい繊細かつダイナミック、情感豊かな歌で、歌が描くストレートな物語を鮮やかに表現していた。

高城れに
高城れに

常に新しいことに挑戦し続ける鈴木は、還暦を迎えても“その先”を見据え、「子供の頃大好きだった」アニメ音楽と向き合う。それが人気アニメ『かぐや様は告らせたい』で、1期・2期・3期そして特別編のすべてを鈴木が歌い、“アニソン界の永遠の大型新人”として君臨している。この日は鈴木がオープニング主題歌をデュエットした女性シンガーが一同に会するということで、大きな注目を集めていた。“かぐや様メドレー”の幕開けは高城れにとの「Love is Show」だ。この日が観客を前にしての初披露となる同曲を、高城のコケティッシュなヴォーカルと鈴木のダンディなヴォーカルとで息の合ったハーモニーで魅せる。

すぅ
すぅ

鈴木愛理
鈴木愛理

続いてすぅが登場。「GIRI GIRI」はすぅのキュートなヴォーカルと鈴木のヴォーカルが重なり、ゴージャスな空気が生まれていた。そして鈴木愛理が登場し、恋の駆け引きを楽しむポップでファンキーな「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」をデュエット。ラストは鈴木にとって初のアニメソングとなった「ラブ・ドラマティック」を高城、すぅ、鈴木愛理と会話をしているような掛け合いを楽しみながら、まさに大団円という盛り上がりでスペシャルコラボを締めた。「マーチン最高!」という声が客席から飛び交う。この4曲は全て水野良樹が作詞・曲を手がけ、この日のライヴを観に来ていた水野に向け鈴木は「自画自賛しているはず」と言葉をかけた。

盟友のベーシスト・有賀啓雄さんを偲ぶ

少しクールダウンし、鈴木は2月に他界した盟友のベーシスト・有賀啓雄さんについて語り出した。「今年の2月に有賀啓雄が58歳という若さで亡くなりました。数えきれないほど多くの曲で、アレンジャーとしてオレのそばにいてくれました」と紹介。有賀氏がアレンジした名曲「さよならいとしのBaby Blues」をオリジナルアレンジで披露し、故人を偲んだ。

wacci橋口洋平作詞・曲、アレンジ冨田ラボという注目のコラボが実現したミディアムナンバー「言葉にすれば」を切々と歌うと、3人それぞれの世界が交差し極上のケミストリーが生まれる。

「ここからこの会場を大きなディスコに変えて、一緒にファンクグルーヴを感じよう」と「君とデスマッチ」を投下。ラヴソングの王様がマッチングアプリでの恋愛を描いたダンサブルなポップスで、タオルを回しながら弾ける。コーラスの高尾直樹と露崎春女と共に華麗なステップを踏みながら「スポットライト」を披露。「夢で逢えたら」は客席と大合唱。大切に歌い続けている大滝詠一メロディが、希望と切なさを連れてくる。本編ラストは40年前、大滝詠一がプロデュースを手がけた名アルバム『SOUL VACATION』から「大好きなバラード」と紹介し「Miss You」をひと言ひと言丁寧に歌い、届けた。

アンコールはライヴには欠かせない昭和、平成、令和と受け継がれてきたラッツ&スターの「め組のひと」や、ソロ鈴木雅之の始まりの曲「ガラス越しに消えた夏」、「違う、そうじゃない」など誰もが知る曲を次々と披露した。「みんながひとつになって鈴木雅之を応援してくれた」と感謝し、ラストは自身が作詞・曲したゴスペル調のバラード「EveryDay EveryTime」だ。<もがいていても 立ち上がり 歩き出せばいい あなたは一人じゃない>と優しくも力強く語りかけてくれるように歌った。

「来年はみんなにブルース届けます」

シャネルズとしてデビューして43年、ソロデビューして37年。チャレンジを続けながらシーンの第一線を走り続けてきた鈴木がずっと大切にしてきたのは、音楽の神様の導きへの感謝だ。世代を越えた素晴らしいアーティストと出会え、作り上げたアルバム『SOUL NAVIGATION』。縁、仲間を何より大切にしてきた鈴木が言葉にし、歌うからこそ圧倒的な説得力を纏って伝わってくるNAVIGATION=導くこと・導かれること――。ますます大人の色気を増し、パワーアップした鈴木の歌は“深化”し、再び“新化”していっていると感じさせてくれたライヴだった。「来年はみんなにブルース届けます」と約束してステージを去った鈴木。次のアルバム、ライヴが今から楽しみだ。

鈴木は8月12日(土)放送のNHKの夏の大型音楽番組『ライブ・エール2023』に出演し、「め組のひと」と、緑黄色社会・長屋晴子とのコラボで「見上げてごらん夜の星を」を披露する。

そして8月20日(日)には初めて『SUMMER SONIC 2023』のステージ(BEACH STAGE)に立つ。さらに鈴木が出演した所属レーベル・EPICの2003年の伝説のイベント『Live EPIC 25』が、EPICの創立記念日である8月21日(月)、ライヴフィルム『Live EPIC 25-20th Anniversary Edition-』として、全国19か所23館の劇場で一夜限定で上映される。

鈴木雅之オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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