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ファンを公言し、2回目の出演でリベンジを誓う ラグビー福岡堅樹選手が語る、長寿番組『逃走中』の魅力

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/フジテレビ

番組のファンだったラグビー福岡堅樹選手が、今年1月初出演。「昔からやってみたいと思ってた番組に出られて楽しかった!」

(C)フジテレビ
(C)フジテレビ

『逃走中』(フジテレビ系)といえば、毎回多彩なゲストが登場して、限られたエリアの中でハンターから逃げた時間に応じて賞金を獲得できるゲームで、2004年の放送以来17年目を迎えた人気長寿番組だ。放送当初から小中学生を中心に支持を得、<逃走中ごっこ>が流行するなど社会現象にもなった。さらにアジア各国で放送されたり、アメリカや中国でリメイクされるなど、海外からも高い評価を得ている。またゲームソフトが100万本以上売れたり、グッズ化、書籍化されるなど、その勢いは増すばかりだ。

8月30日放送回に、稲垣啓太選手と共に再び登場。リベンジなるか!?

今年1月5日にオンエアされた『逃走中~VS新型ハンター~』はひと際注目を集めた。それはラグビーW杯で活躍したラグビー日本代表(当時)の快速ウイング・福岡堅樹選手が登場したからだ。日本のラグビー界の至宝とハンターとの対決は話題になったが、残り1分でハンターに確保されてしまうというまさかの展開に。それでも放送後に福岡選手はTwitterで「昔からやってみたいと思ってた番組に出られて楽しかった!」と呟き、惜しくも賞金は逃してしまったが、昔から観ていた番組に出演できたことを喜んだ。そして“リベンジ”の気持ちを込め、8月30日(日)にオンエアされる『逃走中~真夏のハンターランド~』(19:00~21:54)に再び出演することが決定した。さらに日本代表のチームメイトだった、“笑わない男”稲垣啓太選手も出演することが決まり、ラグビー界のスターの“共演”が実現。福岡選手に改めてこの番組の魅力と、今回の見どころなどを聞かせてもらった。

「みんながやったことがある遊びなので親近感があり、幅広い世代から支持されるのだと思う」

――今年の1月の放送で初めてこの番組に出演されて「ずっと出たかった番組出ることができて嬉しかった」とおっしゃっていましたが、この番組の一番の魅力を教えてください。

福岡 大の大人たちが、あれだけ本気になって追いかけたり、全力で逃げ回って鬼ごっこをすることはなかなかないので(笑)、日常から離れたところでの遊びという部分がいいと思います。子供の頃は純粋にやっていたものに、いかに頭を使ってミッションを達成していくかというゲーム要素が加わったのも、面白い部分だと思います。

――地域、地方によって呼び方は違いますが、小学生の頃「けいどろ」(「どろけい」)は男子も女子もみんなやっていました。福岡選手は当時から足が速かったのでしょうか?

福岡 みんながやったことがある遊びなので、そこも番組への親近感、幅広い世代からの支持につながっていると思います。昔僕もよくやっていました。刑事役の子は僕のことをあまり追いかけたくなかったと思います(笑)。

――視聴者として観ていた時も色々とシミュレーションはしたと思いますが、実際に出演してみて、一番違うなと感じた部分、思っていたよりも難しい点はどこでしたか?

福岡 緊張感がすごくありました。ハンターに出会うタイミングや距離感によっては、逃げ切れない場面もあるので、なるべくそういうことを考えながら、常に周りに気を遣っているので、時間の経過が想像以上に長く感じました。

――もう少し楽しみながらできるかな、という感覚はあったのでしょうか?

ハンターもマスクを着用(C)フジテレビ
ハンターもマスクを着用(C)フジテレビ

福岡 そうですね、案外簡単に逃げ切れるかなと思っていましたが、向こうも“プロ”なので、なかなかそうはさせてもらえませんでした。中盤、何人ものハンターに追いかけられて体力的にもきつくて、残り約1分で捕まってしまいました。

「前回逃げ切ることができなかったので、リベンジしたいという気持ちが一番です。出るからには勝ちたい」

――6月14日に7人制日本代表からの引退発表会見に臨まれて、それ以降ほとんどメディアへの露出がない福岡選手が、この番組への2回目の出演を決めた理由を教えて下さい。

福岡 僕としてはオファーを待っていました(笑)。やっぱり前回惜しくも逃げ切ることができなかったので、リベンジしたいという気持ちが一番です。いけるんじゃないかとドキドキはしていましたが(笑)、残り約1分で捕まってしまって。なので、出るからには勝ちたいですし、その中で楽しくやりつつ、勝つことができればベストだと思います。

――稲垣啓太選手も出演していますが、お二人のどんな“プレイ”を観ることができるのでしょうか?

福岡 稲垣選手とも久々に会うことができて、嬉しかったです。チームとして助け合いながらやっていますので、どう絡んでいるのかは、観てからのお楽しみということで(笑)。稲垣選手は、普段のトレーニングよりも走ったかもしれないと言っていました(笑)。

――1回目の経験を踏まえて、今回福岡選手の中でブラッシュアップ、注意していった部分はどこですか?

(C)フジテレビ
(C)フジテレビ

福岡 今回に関してはチームの練習からも離れていたので、まずケガをしないようにストレッチを入念にやったり、体を動かしたりして準備を徹底しました。今回は前回よりも、よりみんなで生き残るために協力していこうということを心がけていて。ステージの中でどっちからハンターが来るとかいう情報も、積極的に共有するようにしました。今回もなるべく色々なミッションに挑戦させていただいて、自分らしい動きもできたと思います。前回との大きな違いは、一番はミッションの内容というか、キッズ達と協力してのイベントチャレンジもあって、新しくて新鮮なミッションもすごく面白かったです。

理想的なプレイヤーとは?

――今回の共演者の中で、気になる人はいましたか?

福岡 ティモンディの高岸(宏行)さんとは同い年で、協力しながらやらせていただいて、とにかく元気で(笑)、周りにエネルギーを与える方だなと感じました。同じ施設の中の見えないくらい遠い場所にいるのに、声がすごく聞こえてきて(笑)。甲子園球児ということで、高いレベルで野球をやってきて、もちろん身体能力の高さやメンタル面も強くないと戦えないと思うので、アスリートとしてもすごいなと思います。

――2回目の出演をして、ますますハマりそうですか?

福岡 そうですね、経験が生かされて、よりいい動きができるようになったので、チャンスがあればまた出たいです。スピードには自信があるので、ハンターに捕まらないことが僕が出る意味でもあると思うので、ハンターから嫌がられる存在ではありたいです(笑)。

――この番組での理想的なプレイヤーというのは、どんなタイプだと思いますか?

福岡 色々な要素が絡み合って必要になってくると思います。状況判断、空間認識、どの辺りでハンターに会うとマズいか、逆にどのくらい距離があれば逃げ切れるかを把握できる頭のよさも大事になってきます。何かひとつだけ欠けても、逃げ切るのはすごく難しいと思います。運も大切です。

――この番組を通じて例えば、ラグビーでも生かせる部分や、個人的にためになった部分、何か得たものはありますか?

福岡 純粋な追いかけっこみたいな距離感って、ラグビーだとなかなかないので、遠い場所でも敵を把握して、どれぐらいだったら逃げ切れるかという距離感の把握は、ラグビーでも生かせる部分だと思いました。例えばキックを蹴られときのカウンターは、結構距離もあって、敏感に考えながらやっているので、もしかしたらそこは生かせるかもしれないと、やっていて思いました。

「コロナ禍での生活は、元々ポジティブで楽観的な人間なので、トレーニングできないなら勉強の時間へとすぐにシフトチェンジできた」

――コロナ禍の中での生活で、選手として、また一人の人間として、その考え方や思いが変わったところはありますか?動きが取れないことでストレスを感じたりはしませんでしたか?

福岡 自分の行動に責任を持たなければいけないというのは、すごく感じさせられたところで、自分だけの責任では済まない、チームにも迷惑をかけられないし、周りの人にも迷惑がかかることになるので、自分の行動を振り返って、適切だったのかを改めて考えなければいけないなと思いました。僕はポジティブで楽観的な人間なので、トレーニングができないなら、勉強の時間に切り替えようと、すんなりとシフトできました。自分にできる範囲の中で、なるべく自分のためになるように時間を使おうというのは、普段からずっと心がけていたので、それが今回もたまたまいい方向に出たのかもしれません。僕はオンもオフも普段から家で過ごせる人なので、ストレスは感じませんでした。

――今後は、変わらず医師への道を突き進んでいくのでしょうか?

福岡 はい、チームのトレーニングも再開したので、空いている日やトレーニングが終わってからはしっかり勉強に時間を割いて、これまでに比べると勉強に対する比重は大きくなっています。

――今回の放送も、福岡さんや稲垣さん、子供たちが楽しそうに走り回っている姿が、視聴者を楽しませてくれそうです。

福岡 僕らとしても試合がない時期でメディアに出る機会もないので、ラグビーを思い出してもらえたら嬉しいです。

「感情や性格がむき出しになるゲームだからこそ、世代を超えて愛され続けているのだと思います」(笹谷CP)

同番組のチーフプロデューサー・笹谷隆司氏は、“プレイヤー”福岡選手について「ゲーム本番になると性格が変わる方もいるのですが、1回目の福岡選手の場合は終始爽やかで優しい性格のままミッションにも積極的に参加し、みんなのために自分がやるという内に秘めた強い正義感が伝わり、とても魅力的でした。すぐに2回目の出場を決めてくれたのは、この番組にも真剣に向き合ってくれている証ですのでとても嬉しいです。リベンジをかけたヒーロー福岡選手、今回初登場の稲垣選手の活躍に是非ご期待してください」とその人間性を絶賛している。

福岡選手も語っているように『逃走中』は誰もが体験する遊びが原点であり、さらに「何度やっても飽きないワクワクドキドキ感や恐怖に怯えながらも勝ち残りたいと思う葛藤など、感情や性格がむき出しになるゲームだからこそ、放送から今年で16年経ちますが、世代を超えて愛され続けているのだと思います」(笹谷氏)と、制作サイドはロングヒットになっている理由を分析している。

「リアルとバーチャルの融合を実現できたら面白い」(笹谷CP)

17年目に突入し、これから『逃走中』はどう進化を遂げていこうとしているのだろうか。「番組を開始した当時は、それまで見たこともない斬新なゲームとして世間で話題になり、広まっていきました。今は多くの人がネット上でゲームを楽しむ時代にはなりましたが、それでも変わらず、みんなで集まって体を動かして、触れ合いながら遊ぶリアルゲームの面白さを伝えていきたいですし、逆にミッションにネットを活用したりして、リアルとバーチャルの融合を実現できたら面白いと思っています。そして去年実施した一般参加もまた開催して、より身近な番組にしていきたいと思っています」(笹谷氏)。

『逃走中~真夏のハンターランド~』

2020年8月30日(日)19:00~21:54(※一部地域を除く)

今回の逃走劇の舞台は、東京・お台場にある巨大商業施設。ゲームに挑む20人の逃走者のうち、6人が各界で活躍する人気者のキッズたちだ。大ヒットドラマでの演技力が話題を呼んだ人気子役の 白鳥玉季ちゃん(10歳)、朝の連続ドラマでヒロインの幼少期を演じた粟野咲莉ちゃん(10歳)、歌舞伎俳優・市川右團次を父に持ち、初舞台も踏んでいる市川右近くん(10歳)、鈴木福くんの弟であり、子役として活躍する鈴木楽くん(7歳)、そして、YouTubeで登録者233万人のHIMAWARIちゃんねるに姉妹で出演する、まーちゃん(9歳)&おーちゃん(6歳)も参戦。小さな体で挑むキッズ逃走者は、ハンターの恐怖に耐え、最後まで逃げ切れるのか?

<キャスト>※50音順

粟野咲莉、 伊沢拓司、 市川右近、 稲垣啓太、 おーちゃん(HIMAWARIちゃんねる)、 兼近大樹(EXIT)、 木村有希(ゆきぽよ)、 小池美由、 シュウペイ(ぺこぱ)、 松陰寺太勇(ぺこぱ)、 白鳥玉季、 鈴木楽、 高岸宏行(ティモンディ)、 田中卓志(アンガールズ)、 生見愛瑠、 福岡堅樹、 フワちゃん、 まーちゃん(HIMAWARIちゃんねる)、 三吉彩花、 りんたろー。(EXIT)

フジテレビ『逃走中』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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