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北海道のボーイズグループ・NORDの快進撃が止まらない 「これからも勇気と愛と笑顔を届ける」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
Photo/秋田英貴
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北海道を拠点に様々なエンターテインメントに挑戦にする、注目のボーイズグループ・NORD(ノール)が、6月1日、自身最大規模のライヴ『NORD 3rd Anniversary LIVE 2019〜集まれ1,000人☆ゴー!ゴー!教文〜』を札幌市教育文化会館(教文)で行い、勢いを見せつけた。

結成3周年を記念した、自身最大規模の“教文ライヴ”

NORDは舟木健(ふなき・たける)、長崎佑亮(ながさき・ゆうすけ)、花岡領太(はなおか・りょうた)、安保卓城(あんぼ・たくしろ)、枝元雷亜(えだもと・らいあ)、島太星(しま・たいせい)、瀧原光(たきはら・ひかる)の7人組で、大泉洋、安田顕らによる演劇ユニット・TEAM NACSが所属する北海道のプロダクション・クリエイティブオフィスキューと、ソニー・ミュージックエンタテイメントが合同で行った、北海道男子限定オーディションを経て、2016年6月にデビュー。北海道ではテレビ、ラジオで数多くのレギュラーを持ち、圧倒的知名度を誇る彼らの結成3周年を記念した、“教文ライヴ”が行われた。

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2018年3月に行ったZepp Sapporo公演の700人が、これまでの最高動員だったが、今回は1000人の動員目指し、今年1月からメンバーが持ち回りでプロデュースを担当する無料ライヴ『NORD シュウイチ☆ライブ』で、さらに自らを鍛え、切磋琢磨していく中で“グループ力”をつけていった。“教文ライヴ”は見事ソールドアウトになり、当日は全国各地から10代を中心に、幅広い層のファンが教文に集まった。

Zepp Sapporoでのライヴも観たが、お客さんのものすごいエネルギー=声援と、メンバーのエネルギーとがぶつかり、化学反応を起こし、熱い空間と時間を作り出していたが、この日もすさまじい熱量が生み出され、教文を揺らした。リーダーの長崎はケガで残念ながら欠席だったが、その分も頑張らなければという6人の強い思いが、ステージに表れていた。

「僕=君・ハート・キャッチ」、聴いた人全てを笑顔にする「SUNRISE」というキャッチ―でアッパーな楽曲で、最初から畳みかける。「ハジマリスト」でメンバーの名前をコールし、盛り上がると、「Be Happy」では歌いながら、ファンとしっかりコミュニケーションをとる。

和太鼓、“世界で最も過酷な400m走“「レッドブル400」にチャレンジ

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NORDのライヴは、歌とダンスだけではない。バラエティコーナーは、チームに分かれて客席も巻き込んでの借り物競争が始まる。笑いをとったあとは、一転、和太鼓へチャレンジするドキュメント映像が流れ始める。この日のために約1ヶ月半、真剣に和太鼓の練習に励む6人の姿を追いかけ、唯一の和太鼓経験者・枝元が先頭になって、不安をかき消すように、ひたすら叩く姿は感動的だ。そしていよいよ披露。映像の中で一番不安そうだった島が前口上、パフォーマンスが始まると上半身裸の、全員の筋肉が躍動し、太鼓の音がひとつになって出来上がる太いグルーヴが会場全体を包み、体に響く。演奏し終えると、客席に感動が広がる。未知のものにも果敢に挑み、努力し、しっかりやってのける、一人ひとりのそのポテンシャルの高さも、NORD最大の武器だ。

ポテンシャルの高さにさらに驚かされたのが、続いての『レッドブル400』の映像だった。“世界で最も過酷な400m走”と言われている、札幌・大倉山ジャンプ競技場の、最高斜度37度のジャンプ台を駆け上がるレースで、NORDは男子4人×100mリレーの部に出場し、見事に優勝。惜しくも2位だった昨年の雪辱を果たすと同時に、2位に15秒も差をつけての圧勝と、信じられない運動能力の高さを見せてくれた。体を張って、全てをエンターテインメントに昇華させる。頼りない部分も見せつつ、何にでも必死に食らいついていく汗をかく姿を見せ、やり遂げる身体能力と、センスの良さをしっかり感じさせ、そして歌とダンスで魅せる。女性が夢中にならないわけがない。

チャレンジし続けるNORDだからこそ伝わる歌詞。聴く人の背中を押してくれる新曲「きっと大丈夫」

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そんな彼らだからこそ歌える、説得力を持って伝わってくる新曲「きっと大丈夫」を披露してくれた。どこか懐かしいメロディの、聴き手を励まし、背中を押してくれる美しいナンバー。ソロパートでのひとり一人の、伝えようという思いが表情に表れ、歌詞がより伝わってくる。NORDを代表する一曲になりそうだ。

クライマックスへ向け、エンタメメドレーが投下され、「Have Fun!」「超ド級POWER」とアッパーな曲が続き、島以外の5人ユニット“GT3(ジーティースリー)”が登場すると、客席が沸く。「Give me your...」「HARA HARA」、そして島のソロ曲「Oh My Star」で、圧巻の歌声を響かせる。「Go!Go!NORD」でメンバーが客席へ向かい、会場中がまさにお祭り騒ぎ。さらに「ガッツ一直線」「届けYELL」と怒涛の人気曲オンパレードで、最後はメンバーとファンがエールポーズを決めてメドレーは終了。本編ラストは「ヤーレンソーラン」で、客席と一体となって盛り上がり、大団円。

初の道内ツアー決定の発表に沸くファン。ファイナルはZepp Sapporo

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当然客席は、このままでは終わらせてくれない。NORDコールが大きくなると、映像に「初の道内ツアー決定、ツアーファイナルは12月22日Zepp Sapporo」の文字が。サプライズに再び大歓声が沸き起こる。島が、鈴井貴之作・演出の舞台『OOPARTS Vol.5「リ・リ・リストラ〜仁義ある戦い・ハンバーガー代理戦争』(8月・9月/東京、札幌、大阪)に出演することも発表された。そしてメンバーが登場し、ファンにメッセージを贈る。枝元がこれまで一緒に苦労を共にしたメンバーへの溢れる愛と、ファンへの感謝の気持ちを語り、瀧原の「これからも7人のNORD」 という言葉が力強く伝わる。さらに「これからも勇気と笑顔と愛を届ける」ことを誓い、客席から大きな拍手が贈られた。

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そしてラストは「みんなで革命を起こしましょう」と叫び、「We are 革命児☆」を披露。ファンと共に、北海道のエンターテインメントに革命を起こすと標榜する、彼らのアンセムだ。祭りは終わらない。メンバー全員が横に並び、肩を組んで、安保がマイクなしで、「本日はありがとうございました」と客席に向かい、大きな声でメッセージ。それに続いて全員が深々と頭を下げながら「ありがとうございました」と心を込めて伝える。客席からも拍手と共に「ありがとう」の言葉がメンバーに贈られる。

もう3年なのか、まだ3年なのか、メンバーそれぞれ思うところがあると思うが、確実に成長している姿を見せてくれた。これからも変わらないのは、チャレンジ精神を失うことなく、大きな歩幅で、一歩ずつ前へ進むということだ。これからのNORDがますます楽しみになったライヴだった。

※「僕=君・ハート・キャッチ」の正式表記は、「ハート」と「キャッチ」の間にハートマークが入ります

NORD オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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