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宮城から全国へ 早朝ライヴが話題の6人組・ぜんりょくボーイズが、夢への一歩、仙台PITで躍動

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
「多くの人に支えられてここまでくることができた」

13歳~24歳、宮城県発6人組エンターテイメントグループ

左から三浦大輝、保土原壱成、森瞬太、遠藤大斗、大平一心、小松笙
左から三浦大輝、保土原壱成、森瞬太、遠藤大斗、大平一心、小松笙

今や仙台名物となりつつある、6人組ボーイズグループ・ぜんりょくボーイズの朝7時開演の“早朝ライブ”。ぜんりょくボイーズ(以下ぜんりょく)は、三浦大輝(21/石巻市出身)、保土原壱成(18/仙台市宮城野区出身)、森瞬太(24/仙台市太白区出身)、遠藤大斗(22/刈田郡蔵王町出身)、大平一心(13/仙台市青葉区出身)、小松笙(20/気仙沼市出身)、の6人組で、ソニー・ミュージックエンタテインメントと、仙台放送の人気番組『仙臺いろは』のコラボレーションでスタートした、「全力漢(ぜんりょくボーイズ)」オーディションで選ばれた、宮城県発のエンターテインメントグループだ。メンバーの年齢は13歳から24歳までと幅広い構成で、ファンもティーンを中心に、幅広い層から支持を集めている。

朝7時開演の早朝ライブが話題

ぜんりょくボーイズが早朝ライブをスタートさせたのは昨年4月。月・水・金曜日(現在は毎週木曜と日曜)の早朝6時半、ライヴハウス・仙台darwinの前には女子中高生を中心に長い列ができる。料金は500円と格安。ライヴは30分。終演後はメンバーに見送られ、ファンは学校や会社へと向かう。学生のメンバーも、学校に急いで向かう――まさに“朝活”“朝練”感覚のこのライヴが話題となり、メディアにも取り上げられ、大きな注目を集めるようになり、動員はさらに増えていった。6/23(土)には同所で初ワンマンライヴを完売させ、9/9(日)には2ndワンマンライヴ(2回公演)を完売。そして3月2日、ひとつの目標だった仙台PITに辿りついた。「プレミアムワンマンライブ2019」も1400枚を完売させ、結成2年で大きく成長した。

結成2年で、仙台PITでのライヴを実現

写真提供/ソニー・ミュージックエンタテイメント
写真提供/ソニー・ミュージックエンタテイメント

ライヴは、昨年発売した1stミニアルバム『GRADE1』に収録されている、早朝ライブでも人気のナンバー「ヒロインガール」からスタート。会場の温度が一気にあがる。2nd Mini アルバム『GRADE 2』に収録されている「RE:SMILE」はポジティヴソング。ぜんりょくの曲は前向きで、ポジティヴな気持ちにさせてくれる楽曲が多い。続く、YANAGIMANが楽曲提供した1stシングル「Stand up and fight!」では、クールなダンスも披露し、歓声を浴びていた。

チャイムが鳴り響き、お笑いコンビ・バクコメの秀作が登場。「ぜんりょく期末試験」と題し、メンバーが事前に期末試験にチャレンジし、その珍回答を紹介するコーナー。想像を超える珍回答の連続に、客席も爆笑に次ぐ爆笑だ。早朝ライブでもチャレンジコーナーや寸劇を織り交ぜ、自分達ができることを全て観せ、楽しませている。

笑いの後は涙。「卒業する人へ」とバラード曲「旅立ちの涙」をドラマティックに歌い、涙ぐんでいるファンも。「ぜんりょくプロポーズ大作戦」と題して、6人それぞれの恋人への告白シーンの映像が流れ、客席から時に悲鳴、時に笑いが起き、アットホームな雰囲気に。告白後の、フラれたメンバーを描いたショートムービーをはさみ、「Lucky Star」を歌いながらメンバーが客席から登場。これも早朝ライブではおなじみのシーンだ。

保土原&大平の年下コンビによる「先輩にどっきり大作戦」のゆる~い映像で、ほっこりする客席。年齢差があるメンバーの仲のよさも、ぜんりょくの魅力のひとつだ。後半戦は、新曲のダンスチューン「Morning Sunshine!!」からスタート。続いてキッズダンサー20人と共に「Magical Natural Music」から「Summer Time Party!!」で盛り上がり、本編ラストは再び客席6か所に設置されたお立ち台で「SUPER HERO!!」を披露し、クライマックスを迎える。

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アンコールで再びステージに登場すると、遠藤が仙台PITまでの道のりを語り始める。とにかく多くの人に支えられてきたことに感謝し、彼らのテーマソングともいうべき「青春TAIYO」を披露。<笑って泣いて繰り返して全力で生きている僕ら>と歌いながら感極まる三浦。しかし笑顔でパフォーマンスを続けるも、「俺、もう無理だ…」と崩れ落ちそうになる。客席にも感動が広がる。

そしておなじみのメンバー紹介ソング「BRAND NEW SOUL」で再び盛り上がり、ラストはアゲアゲソングの「フライデーナイト」で大団円。ぜんりょくの曲はアップテンポの激しいナンバーも、ミディアムもバラードも、全員が思わず口ずさんでしまう、歌いたくなる親近感のあるメロディが、印象的だ。“青春”を感じさせてくれる、甘酸っぱさ、せつなさをまとわせているから、幅広い層のファンを虜にする。

次の目標であるゼビオアリーナ仙台でのライヴを目指し、新しい企画を打ち出す

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彼らの次なる目標は、2020年にゼビオアリーナ仙台(約4000人収容)を満杯にすることだ。そこに向かって、この日はいくつかの発表がありファンを喜ばせた。まずはメンバーによるInstagram、TikTok、17Live、YouTubeなど、新しいSNSが3月9日から随時スタートし、それぞれの個性を生かした情報発信でファンとつながる。さらに、4月から3か月連続でプレミアムな「マンスリーイベント」を開催する。4月は“100人限定”世界初のびっくりおにぎりバイキング!【ぜんりょくおにぎりフェス2019】と題し、メンバーがその場でおにぎりを握ってくれるという企画だ。地元の食材をふんだんに使い、メンバーが愛情たっぷりのおにぎりを握ってくれる。

そしておなじみの早朝ライブが進化。“体験型”総合エンターテインメントショウとして、全30日間、「ひみつの早朝仮面舞踏会」「早朝女装コンテスト“ミス・ぜんりょく 世界大会”」など、30種類の見た事のないエンターテイメントショウが繰り広げられる。

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まだまだ粗削りで、どこか不器用で、でも面白くて、ダンスを踊れば、歌を歌えばカッコよく、憎めない6人は日々成長を続け、進化している。何事にもとにかく全力でぶつかり、楽しませてくれる彼らの姿は、仙台だけにとどまらず、全国から注目を集めている。仙台PITにも全国からファンが駆け付け、大成功させ、彼らの視界にもきっと、ゼビオアリーナ仙台が入ってきたはずだ。

ぜんりょくボーイズ オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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