三浦大知 圧倒的なオリジナリティを追求し、観た者全てを熱狂させる、最注目の表現者の現在地

”完全独演”公演『球体』

日本武道館ライヴで感じた“衝撃”

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あれから半年も経っているのに、あの日、日本武道館で感じた衝撃の余韻が、今もはっきりと、心と肌に残っている――三浦大知『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR』の追加公演、日本武道館公演だ。2月14日は単独公演、そして15日は宇多丸(RHYMESTER)、KREVA、千晴、絢香、菅原小春、BLUE TOKYO、満島ひかりが登場するという豪華なエンターテイメントショウ、誰もが熱狂した一夜だった。このステージで、Folder時代から三浦の才能を高く評価していた、宇多丸が放った言葉が強烈で、印象的だった。「ソロの大知くんが帰ってきたとき、“日本の音楽界を救う天才が帰ってきた”と思った。ここへきての大ブレイク、俺からしたら当たり前なんだけど、今こそこの言葉を言いたい、正義は勝つ!」――三浦大知という名の才能に対して、誰もが感じていた想いを、素直にそして強い言葉で言い放ってくれた。

ダンスはもちろんシンガーとしての実力を見せつけた、全くタイプの違うシンガーとの数々のコラボ

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ライヴDVD/Blu-ray『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館』(6月22日発売)
ライヴDVD/Blu-ray『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館』(6月22日発売)

6月27日に発売されたライヴDVD/Blu-ray『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館』で、この記念碑的な公演は楽しむことができるが、三浦のダンスの素晴らしさは言わずもがなだが、2日目のゲストとのコラボでは、シンガーとしての圧倒的な歌唱力と表現力を見せつけてくれた。タイプが違うアーティスト、歌に対しても、自分の確固たる音楽性を見失うことなく、さらにその卓越した表現力で、相手の歌により輝きを与え、お互いが化学反応を楽しんでいるのが伝わってきた。3月7日に発売され、ランキングで1位を獲得し、ロングセールスになっている『BEST』では、そんな彼の歌声の変遷を楽しむことができる。年代によって色々なカラーを感じさせてくれ、進化していく歌を堪能できる。

三浦大知のダンスの素晴らしさは言わずもがな、と書いたが、武道館2日目、「Unlock」での菅原小春との共演は、武道館全体に“鳥肌”が立ったはずだ。ダンスバトルという言葉では片づけられない、オーラとオーラがぶつかり、お互いが刺激を受け、内側に秘めているエネルギーをさらけ出し、緩急の激しいダンスで“挑発”し合う。そこに生まれたのは“熱狂”だった。客席全体が興奮しているのが伝わってきた。

Nao'ymt全曲プロデュースによる初のコンセプチュアルアルバム『球体』。アルバムと連動した、三浦自身が演出、構成、振付けを手掛け、ひとりで歌い踊る“完全独演”が話題

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アルバム『球体』(7月11日発売)
アルバム『球体』(7月11日発売)

この日から約4か月後の6月17日、三浦大知は今度はNHKホールのステージに一人で立っていた。バックダンサーはいない。三浦がその世界観を絶賛し、2009年発売のアルバム『Who's The Man』以来、有機的なコラボレーションを重ねる、Nao'ymt全曲プロデュースによる初のコンセプチュアルアルバム『球体』が、7月11日に発売されたが同名の全国ツアー(8か所10公演)が、アルバム発売よりも先にスタートしていた(5月25日~6月27日)。

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「これは、一生続いていくプロジェクトだと思っています。」と三浦が言っているように、ボーカル×ダンスパフォーマンスの可能性を追求する三浦と、音楽家・Nao'ymtによる、きわめて実験的かつ未体験のプロジェクトだ。そんな言葉、情報を胸に、当日会場に足を運んだファンも、その世界観には一瞬戸惑ったはずだ。日本武道館や、そのほかの場所で彼のライヴを体験し、その残像が残っている人、さらにテレビでしか彼のパフォーマンスを観たことがない人は、もっと戸惑ったはずだ。しかし三浦自身が演出、構成、振付けし、ひとりで歌い踊り、物語を体現する、この『球体』が映し出す、かくも美しいその世界観にすぐに引き込まれていた。

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『球体』は、R&Bなどのブラックミュージック、ダンスミュージックをベースに、アンビエントな要素が色濃く、叙情的かつ神秘的な空気を作りだしている。それは、全編日本語の歌詞の存在が大きい。文学的であり、言葉から生まれるリズムはどこまでも繊細で、それを届けるためのメロディ、アレンジ、そして歌、ダンスでもある。「行き場をなくした男の前に現れた君は、あの時と変わらぬ微笑みを浮かべていた。男はゆっくりと砂のついた手を伸ばす。この世界に居場所を求めて。」というイントロダクションが公式サイトに記されている。この、掴みどころがあるようでない世界=君、を求めて、それを掴もうと、どこか退廃的な空気が漂う中、懸命に一人でもがく三浦。それでもどこかに見えてくるはずの“希望”=君、を探すために手を伸ばす、三浦の狂おしいまでの感情がステージには迸っていた。同時にいい緊張感が全体を覆い、その中で総合芸術作品として昇華させていった。

表現者としての本能が、『球体』という実験的かつ冒険的なエンターテイメントを創造

表現者としての本能が、この実験的かつ冒険的なエンターテイメントを創造し、限りなく抽象的な『球体』という概念を冠したことで、リスナーも想像力を掻き立てられ、三浦大知というアーティストの、その限りない才能にますます引きつけられる。当たり前だが、作品に対する受け止め方、感じ方は人それぞれだ。『球体』という作品に関して、自分なりに何らかの答えを導いた人、導こうとしている人、もちろん正解なんて存在しないが、戸惑いも含めて、その瞬間が、イマジネーションを駆使して楽しんでいるということになる。『球体』について「これは、一生続いていくプロジェクトだと思っています。」という三浦も同じではないだろうか。その時その時の感情、感性を、Nao'ymtのそれとたたかわせ、ビビッド・イマジネーションを楽しみ、創造していく。

常に限界に挑戦し続け、その積み重ねが強靭なプライドとなっている

この『球体』という、ある意味振り切ったポップミュージックを作り、世の中に発信し、さらにライヴでもしっかり表現したことで、三浦はまたひとつ上の“ステージ”にあがったはずだ。これまでも常に限界に挑戦し続け、新たな表現を創造してきた。そのひとつひとつの積み重ねが強靭さに変わり、プライドとなり、日本が世界に誇るエンターテイナー・三浦大知は進化を重ね、深化している。

23rdシングル「Be Myself」(8月22日発売)
23rdシングル「Be Myself」(8月22日発売)

尚、三浦大知とともに『球体』を作り上げたNao'ymtプロデュースのもと、早くも8月22日には通算23枚目のシングル「Be Myself」が発売される。そして9月22日の埼玉公演を皮切りに、全国26会場で34公演行われるツアー『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018』の開催も発表された。

三浦大知オフィシャルサイト