関ジャニ∞がロックバンドとして見せたプライドと自信--『ドリームフェスティバル』で残した爪跡

(写真:アフロ)

注目フェスで、ロックバンド・関ジャニ∞の実力を見せつける

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11月23日、国立代々木競技場第一体育館で『ドリームフェスティバル2015』を観た。このイベントはテレビ朝日が主催する、今をときめく人気アーティストが一堂に会するフェスで、今年は3日間に拡大され行われた。初日の21日はB'z、[Alexandros]、9mm parabellum Bullet、ゲスの極み乙女。、KNOCK OUT MONKEY、MAN WITH A MISSION、22日、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE、西野カナ、秦基博、back number、星野源、槇原敬之、そして23日がX JAPAN、aiko、関ジャニ∞、キュウソネコカミ、椎名林檎、凛として時雨、という3日間のチケットが即ソールドアウトになるのもうなずけるラインナップだ。この日はなんといっても、20年ぶりに国内ツアーを敢行するX JAPANが登場するということ、また彼らがフェスに出演すること自体が非常に珍しいということで、開演前から会場内はドキドキ感とワクワク感が熱気に変わり、充満していた。そんな中トップバッターとして登場したのは関ジャニ∞だった。

トップバッターとして、賑やかなステージで盛り上げ、会場を温めてくれるのだろうか、いや、このラインナップの中では、やはりバンドスタイルを前面に打ち出したステージだろうか、そんな事を考えていると7人が登場し、全員が楽器を持ち、おなじみの曲「ズッコケ男道」からスタート。

一音放たれた瞬間から、惹きつけられた。そしてステージに照明が当たり、7人の姿が映し出された瞬間、その“バンド然”とした佇まいと音とが一致して、アイドルグループではなく完全にロックバンド・関ジャニ∞だった。

嬉しい裏切りだ。彼らのライヴは何度か観た事があるが、コーナーでバンドとして演奏を披露はしているものの、正直実力的にはまだまだだった。しかしこの日の7人は完全にロックバンドとして、粗削りながらも素晴らしい音を弾き出していた。特にドラムの大倉忠義と、ベースの丸山隆平のリズム隊がしっかりしていて、太いグルーヴを生み出し、そこにリードギター安田章大のファンキーなギターが絡み、錦戸亮のギターがリズムを刻み、村上信五のキーボード、横山裕のパーカッション&トランペットが彩りを加え、渋谷すばるの圧倒的な声量と独特のビブラートの歌がのり、うねりが加わって関ジャニの歌は完成される。

この日も、疾走感ある音が前へ前へ向かって伸びていき、とにかく届けようというメンバーの気持ちが伝わってきた。渋谷の歌も、1万人も入っている会場が狭く感じるぐらい、どこまでも拡がっていくような伸びやかかつ迫力を感じさせてくれた。関ジャニ∞の事はテレビでしか観た事がないという人にとっては、あのパフォーマンスは目から鱗だったのではないだろうか。そういう意味では、しっかりと爪跡を残すことができたのではないだろうか。

『関ジャム完全燃SHOW』での様々なアーティストとの共演が経験となり、個々のスキルアップ=バンドの進化につながる

関ジャニ∞を本格的なバンドに進化させたのは、もちろんメンバーの器用さもあるかもしれないが、やはり音楽バラエティ番組『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)の存在が大きい。 毎週バンドやアイドル、大御所ミュージシャンなどとコラボレーションしている中で、毎回色々な音楽や歌を、自分なりに咀嚼して理解することを求められ、それぞれが腕を磨くことを要求され、それに対応していく中で、個々の能力がさらに磨かれ、バンドとしてのスキルが自ずと上がっていったのではないだろうか。そしてなにより、毎回ゲストを迎えてのシチュエーションという、常に“緊張”の中でその対応を迫られるということが、短期間での急速な成長に繋がったのではないだろうか。この日共演したX JAPANのYOSHIKIもこの番組の8月30日放送回にゲスト出演し、パフォーマンスを披露した。それを目の当たりにしたドラムの大倉は最高の教科書になったはずだ。一流アーティスト、素晴らしいものを持っているミュージシャンと共演することで、吸収するものも確実に大きく、“気付き”も多かったのではないだろうか。“気付き”が成長を促す。だから関ジャニのメンバーは、様々なアーティストから得た一流の“流儀”を自分なりに理解し、それを糧にしているのだから、強くなるのは当然だ。でもそれをきちんとバンドに昇華させることができているところが、関ジャニ∞の関ジャニ∞たる所以なのではないだろうか。

そんな経験が形になったのが、8月5日に発売されたシングル「前向きスクリーム!」に収録されている「ズッコケ男道~∞イッパツ録り編~」だ。文字通りメンバーが一発録りしたものを、そのまま音源化したもので、通常とはまるで反対の手法だけに、本当の実力が試される。バンドとして自信がなければできないことだ。これも、これまでの活動で培ったきたことに、『関ジャム完全燃SHOW』での経験がプラスオンされての結果=作品であることは間違いなく、それはバンドとしての“自信”、プライドを聴き手に示したということだ。

関ジャニ∞の音楽の柱となる渋谷すばるのエモーショナルな歌

今回の「ドリフェス」の一曲目の選んだのはまさにその曲、「ズッコケ男道」だった。そのサウンドは、圧倒的な熱量を放出していた。演奏力の高さは相当なものだが、ボーカル渋谷のエモーショナルな歌が、さらに関ジャニの歌、音楽を独特のものにしている。その歌の上手さには定評がある渋谷だが、バンドのフロントマンとして改めてその姿を見ると、まるで“人気ネオコアバンドのボーカル”そのものだった。どこか狂気をはらんだような瞳と歌。スクリーンに映し出される彼の表情は目まぐるしく変わり、時には鋭くとがったナイフのように危うい光を放ち、時にはすべてを包み込むような優しさを感じさせてくれ、また時には内側でふつふつと沸いている感情がおさえきれず、むき出しになっている。そんな目まぐるしく変わる表情は、つまり歌がエモーショナルということで、それがバンドの音と相まって、他にはない関ジャニ∞の音楽を作り上げている。

大倉のドラム、安田のギターのテクニックの高さは『関ジャム完全燃SHOW』でも、それ以外の番組でも、共演したアーティストからの評価が高く、丸山のベースはしっかりとサウンドを支え、そのスリリングな演奏で、豊かなノリをサウンドに与えているし、曲によっては安田、錦戸、渋谷の3ギターになり、かなり厚い音にもなるし、錦戸がつま弾くアコースティックギターも雰囲気がある。ハモリもできるし、村上のキーボードもまだまだ発展途中ではあるが、鍵盤は欠かせない。横山のトランペットというのも大きい。結局、豪華な音を出すロックバンドになっている。

ジャニーズのバンドというと、TOKIOがいる。彼らも相当スキルが高いが、人数も違えば、曲のタイプも違うし、ボーカルの声質、歌い方もまるで違うので比較にはならないが、それでもやはり事務所の先輩として、関ジャニ∞はTOIKOの背中を見てきているわけで、少なからず影響されている部分はあるのかもしれない。TOKIOが夏フェス『SUMMER SONIC』に出演し、耳の肥えた音楽ファンから絶賛されたように、関ジャニ∞も今回の「ドリフェス」同様、人気ロックバンドと一緒に夏フェスに出演し、その力を見せつけてもらいたい。今回のライヴを観てそう思わずにはいられなかった。

関ジャニ∞は12月2日に、レキシ・池田貴史が作詞・曲・アレンジを手掛けた「侍唄」(さむらいソング)をリリースし、12月13日の札幌を皮切りに5大ドームツアー『関ジャニ∞の元気が出るLIVE!!』を行う。東京ドームはなんと4days。ジャニーズ屈指の動員力を誇る彼らだが、更にスケールアップした感がある。“バンド”として東京ドームでライヴを行う日も、案外早くやってきそうな気がする。

関ジャニ∞公式サイト