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浜田雅功がラジオ番組で松本人志の休業に初言及、そのコメントの「真意」とダウンタウンへの「愛情」

田辺ユウキ芸能ライター
ダウンタウンの浜田雅功(左)(写真:ロイター/アフロ)

ダウンタウンの浜田雅功が1月26日深夜、レギュラー出演するラジオ番組『ごぶごぶラジオ』(MBSラジオ)で休業中の相方・松本人志について初言及した。

これまで松本人志に関する騒動へのコメントを控えていた浜田雅功は、同番組でまず「大変です」と触れ、続けて「あの人の代わりはいないんでね。戻ってくるまで自分ができることを一生懸命やろうかなという感じです」「頑張って待ってますよ。あ、帰ってくるまで相方募集しようかな」と冗談をまじえながら心境を語った。

浜田雅功が自著に記述していた、ふたりで喋っていることの楽しさ

浜田雅功の口から「相方を信じている」といった言葉が一切出なかったのは、番組を聴いていても非常に良いバランス感覚だったように思えた。浜田雅功のコメントはあくまでお笑い芸人としての相方を評価して「待っている」としており、今回の問題について松本人志に肩入れしているものではなかったからだ。一方、長年活動を続けているダウンタウンというコンビに対する愛情がひしひしと感じられる言葉でもあった。それは番組中、ダウンタウンが31年ぶりに漫才を披露した吉本興業創業110周年特別公演『伝説の一日』(2022年)の際に使用された出囃子、EPOの「DOWN TOWN」(1980年)が流された点からもうかがえた。

浜田雅功は自著『読め!』(1995年/光文社)のなかで、「“楽しんでる”というところをほんまに突き詰めたら、最終的にはふたりでしゃべってることが、俺らにとってはいちばんおもろいんやろうな」「やっぱりふたりでしゃべってておもろいと思うから、それはもう最高や、と思うてるから」と記述していた。さらに「俺が他の誰かと組もうがピンになってやろうが、お笑いというところでは『ダウンタウンにはぜったい勝てへん』と思う」と自信も口にしている。だからこそ、自分たちで「おもしろい」と思えなくなったら「考えなあかんとこでしょうね、ダウンタウンとしては」とコンビのエンディングについて語っていた。

同著の発売から29年。浜田雅功は現在も、ダウンタウンとして、松本人志と喋っている時間がおもしろくて仕方がないのではないか。たしかに『伝説の一日』のなかで、久しぶりにもかかわらずネタの打ち合わせもまったくと言って良いほどない状態で約30分の漫才が披露できたのも、経験値だけではなく「相方とふたりで喋るのがおもしろい」が根本にあったから成せたものだろう。

そう考えると今回、番組内で「あの人の代わりはいないんでね」とのコメントが出た理由も、ダウンタウンというコンビの「おもしろさ」への信頼にほかならない。

浜田雅功のラジオ発言、「コンビを続けること」への決意表明

浜田雅功は常々「ダウンタウンは松本人志」と答えてきた。もしダウンタウンが解散しても「松本はやっていかれへんわけはない」(同著)と実力を認めており、自著『がんさく』(1997年/ワニブックス)では「やっぱりボクは、その分野(お笑い)では、横にいる人間に勝てませんよ。いやいや、それこそ誰ひとりあいつにかなうヤツはおれへんのちゃうかな?」として、解散となったら自分はお笑い以外の道に進むだろうと話していた。

その記述を踏まえると、ラジオ番組での「とりあえず、戻ってくるまで自分ができることを一生懸命やろうかな」との発言は、軽いニュアンスではないことが分かる。もし自分一人になったらお笑いではなく違う分野をやろうとまで考えている浜田雅功の「これからもダウンタウンとしてお笑いを続けていきたい」という固い決意でもあるのだ。

松本人志の騒動は長期化が予想されている。明らかにされる事実によっては、たとえ復帰したとしてもこれまでのようなメディア露出はできなくなるかもしれない。

ただ『がんさく』によると、かつて松本人志が「おまえ、いつもそんな強気なことばっかしやっとったら、しまいにはまわりに誰もおらへんようになるぞ〜」と“誰か”に指摘されたとき「そんときは、また浜田と大阪帰って、漫才したらええやん」と答えたそうだ。そして浜田雅功は「ボクもまったく同感ですわ」と文を締めている。今回の一件で、今後原点に立ち返ることがあったとしても、そのときにはダウンタウン目当てで劇場へ人が集まらなくなっているかもしれない。それでもダウンタウンの“答え”はそこにあるのではないか。

かつてダウンタウンは、一時期は不仲が伝えられることもあったが、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)では20年後の自分たちの姿をあらわしたコント「2014」も披露していた。結局ふたりは、なにがあっても「続けること」を選択しようとしていた。浜田雅功のラジオ発言は、前述したようにその決意をあらためて実感させるものだった。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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