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ロングコートダディの「東京進出」が思わぬ形で発表されてファン動揺、西と東で捉え方に違いが?

田辺ユウキ芸能ライター
(提供:アフロ)

大阪を拠点に活躍するお笑いコンビ、ロングコートダディの「東京進出」が思いがけない形で発表された。

「東京進出」が伝えられたのは、1月28日放送のバラエティ番組『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)。ロングコートダディの堂前透、兎がネタを見せるために座席を立って準備に入っているとき、共演の今田耕司が「東京進出」とガヤを飛ばし、明石家さんまが「あっ、したん?」と尋ねると、さらに今田耕司が「4月から」と付け加えた。

ロングコートダディは番組内で「4月から東京進出」について一言も触れず、またそういった発表もまだされていなかったことから、想定外の「進出バレ」となってしまった。

本来、こういった発表は公演などで本人たちの口からファンに向けて直接伝えられるもの。ましてやロングコートダディは、『M-1グランプリ2022』で3位となり、『キングオブコント』でも2020年、2022年に決勝へ進出するなど、大きな注目をあつめているコンビだ。ホームグラウンドの大阪・よしもと漫才劇場でも看板的な存在でファンも多数いるため、本人以外の口から「東京進出」を知らされたことに動揺の声がひろがった。

番組内容、ファン目線に立てなかった? ロングコートダディは人柄がにじむ対応

ファンにとっては、好きなコンビが全国へ羽ばたいてさらに活躍するのは喜ばしいこと。それでもやはり、いつも観に行っている劇場から卒業するのは寂しいもの。つまり「東京進出」と聞くと、東京以外の場所でお笑いを楽しんでいるファンには特有の心理が働く。思っている以上に「東京進出」の発表は大きな出来事である。

ロングコートダディの「東京進出」の発信元になった今田耕司ももともと大阪で活動し、上京を経験。それだけにその発表の大切さは身にしみているはず。そう考えると今田耕司も、放送時は編集でカットされるものとして、その場を盛り上げるためだけに発言したのではないか。

前述したように『さんまのお笑い向上委員会』は収録番組なので編集段階でカットすることもできた。それがなされなかったということは、番組スタッフが「すでに発表されている」と勘違いしていたのか、連携がとれていなかったのか、もしくはそれほど「東京進出」を重大なものとして捉えていなかったからだと思われる。

いずれにせよファン目線に立つことができなかった内容ではないだろうか。どこかそこに西と東の「東京進出」への捉え方の違いが感じられた。

ただそんな「トラブル」が起きたあとのロングコートダディの対応はすばらしかった。

兎はTwitterに「大事なことをさらりと発表しちゃう形になって本当に申し訳ないです。また正式にきちんと発表します、ごめんなさい」と謝罪の絵文字付きでコメントを投稿。兎の人柄がにじんだその言葉を、ファンも「謝らないでください」「全然大丈夫ですよ」とやさしく受け止めた。堂前透も、ニッポンの社長の辻が投稿した「え、東京なん?」という言葉とロングコートダディの過去の全裸写真に引用する形で反応し、その内容で笑わせた。

ビスブラ、天ピ、ニッ社など「東京進出」が噂されるコンビ多数

それにしてもロングコートダディの「東京進出」が事実だとすると、「西の若手の聖地」であるよしもと漫才劇場には新しい波がまた押し寄せてガラッとムードが変わりそうだ。

『キングオブコント2022』王者のビスケットブラザーズ、『THE W 2022』で優勝した天才ピアニスト、3年連続『キングオブコント』ファイナリストのニッポンの社長、『M-1グランプリ2022』準優勝のさや香や同ファイナリストのカベポスター、写真集が異例の大ヒットを記録したマユリカなども、遅かれ早かれ「東京進出」が噂されている。一方、熱烈な支持をあつめていたコウテイが1月31日をもって解散する。よしもと漫才劇場はこれからその顔ぶれに大きな変動があるかもしれない。

なにはともあれ、お笑いファンは仕切り直す気持ちでロングコートダディの正式発表を待っているはず。そのときは初耳かのように驚き、そして盛大にふたりを送り出すのではないだろうか。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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