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博多のドーミーイン同士でガチ対決?ビジネスホテル朝食最高峰【水炊きVSもつ鍋】~最新取材ルポ~

瀧澤信秋ホテル評論家
ドーミーインPREMIUM博多・キャナルシティ前のもつ鍋(筆者撮影)

どこまで進化するのかビジホ朝食

コロナ禍前のインバウンド活況によるホテル激増は、特に宿泊特化タイプ(ビジネスホテル)で際立ちましたが、競合が起きると差別化がすすむのは必然で、特に朝食は取り組みやすい差別化コンテンツとしてフィーチャーされ、以前にも増してホテル間の競合は激化していきました。

ビジネスホテルなのに・・・ビジネスホテルらしからぬ・・・というのはビジネスホテル朝食にとっての褒め言葉であり、シティーホテルを凌駕するような、簡便でチープといったビジネスのイメージにそぐわない豪華朝食が続出しました。

ビジネスホテル朝食の提供方法といえばブッフェが定番ですが、最近ではスモールホテルを中心に御膳での提供も際だっています。それもまた対ブッフェを意識しての差別化という側面が見え隠れし、飲食ビジネスの常識からは理解できないような朝食も誕生しています。

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話を戻して、ビジネスホテル朝食合戦といえばイメージされるのが、海鮮食材のブッフェ提供です。北海道のビジネスホテルで人気を博してきたテーマでしたが、いくらぶっかけに代表されるようなそのビジュアルも強烈。昨今では全国区となっており、ドーミーインはその代表格としてビジネスホテル業界の朝食を牽引してきた存在といえます(と他ホテルチェーンの方々が仰る)。

朝食のブッフェの“刺身W動線”!? 本気過ぎるドーミーイン&ラビスタの海鮮コーナー

Yahoo!ニュース(エキスパート)

博多にある2軒のドーミーインで朝食対決の様相?

とはいえ、海鮮たっぷりブッフェコーナーはなんだか既視感も出てきたわけで、ドーミーイン朝食がさらにどんな方向へ進化をしているのかは気になるところ。そんな意識で実際各地のドーミーインへ出向いてみて感じるのは“ご当地メニューで突き抜ける”という点でした。海鮮ブッフェの際は北海道のドーミーインを中心に取材をすすめてきましたが、今回特に際立っていたのが博多であります。

ドーミーイン博多祇園のクラブフロア宿泊者専用ラウンジ(筆者撮影)
ドーミーイン博多祇園のクラブフロア宿泊者専用ラウンジ(筆者撮影)

博多のご当地メニューとして鍋物の人気は特に注目で、もつ鍋や水炊きは専門店が数多くあります。博多には「天然温泉 御笠の湯 ドーミーイン博多祇園」「天然温泉 袖湊の湯 ドーミーインPREMIUM博多・キャナルシティ前」と2軒のドーミーインがあるところ、この2軒でそれぞれ“水炊きともつ鍋”を出しているといいます。

またまたやってくれましたドーミーインというわけで、博多祇園とPREMIUM博多のご当地対決ともいうべき様相か!?と冗談半分興味津々、9月中旬の平日に取材に出向いたところ・・・鍋対決以上に“本当に対決”していたのでした。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

博多祇園は和テイスト

祇園は和テイストがコンセプト。九州産華味鳥を使用した「水炊き」が看板メニューです。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

野菜もたっぷりで素材の味を感じられ、シンプルかつ味わいのある一品に仕上がっています。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

海鮮もアップデートされていて、明太子、イカ、ごま鯖など好みで選べる「うまか丼」も安定の人気。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

博多といえば忘れてはいけない明太子ですが、ごっついやつが分厚くカットされた様に、まさにここは博多!を実感します。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

PREMIUM博多は洋テイスト

対するPREMIUM博多は全体としては洋テイストですが、祇園の水炊きに対してこちらは野菜たっぷりの「もつ鍋」

(筆者撮影)
(筆者撮影)

もつ鍋といえば、ブームになった頃から個人的に思い入れのあるメニューで、自宅で作る際も精肉の専門店で国産プリップリのもつを仕入れるわけですが、煮詰めてしまうとせっかくの脂身が溶けてしまうジレンマもあり、もつの食感を出すのが難しいなぁと思っていました。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

ちなみにホテル名は出せませんが、下掲写真は博多の某ビジネスホテル朝食で出されていたもつ鍋です。もちろん十分美味しいですし、ご当地メニューはやはり嬉しいのですが、やはりドーミーインのもつ鍋が別格であることを改めて思い知らされます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

もつ鍋ばかり注目してきましたが、PREMIUM博多はローストビーフがまた凄い。ホテル朝食ブッフェでローストビーフを初めて体験したのが実は福岡の高級ホテルでした。8年くらい前だっただろうか。さすがデラックスホテルと感心したものでしたが、それとは比べものにならないほどの味わい。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

聞くところによると、福岡県の宗像牛を使用しており2種類のソースもご自慢といいます。かようにローストビーフひとつとってもビジネスホテル朝食の劇的な進化を思い知るわけです。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

ふたつの博多ドーミーイン対決、どっがどっちではなく、これは1泊ずつして是非両方試したい!

あっ、最後になりましたが夜鳴きそばもお忘れなく。どちらのホテルでも愉しめます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

※記事の内容、写真など取材時のものです。実際の利用に際しては公式サイトでご確認ください。

ホテル評論家

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

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忌憚なきホテル批評で知られる筆者が、日々のホテル取材で出合ったリアルな現場から発信する辛口コラム。時にとっておきのホテル情報も織り交ぜながらホテルを斬っていく。

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