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田中美佐子さんと深沢邦之さんの離婚で見る「離婚」の目的

竹内豊行政書士
田中美佐子さんと深沢邦之さんが離婚を発表しました。(写真:西村尚己/アフロ)

お笑いコンビ「Take2」の深沢邦之さん(56)が7日に自身のインスタグラムを更新し、妻で女優の田中美佐子さん(63)と離婚したことを報告しました。

深沢は真っ黒な画面で文章を掲載。「突然のご報告になりますことをお許しください」と前置きし、「この度、深沢邦之、田中美佐子は、婚姻の解消に至りました。ここにご報告させて頂きます」と公表。「2人を応援してくださったファンの皆様、支えてくださった皆様に対してこの様な結論に達してしまった事、誠に申し訳なく思っています」と謝罪した。

(引用:田中美佐子と深沢邦之が離婚 田中「パパと私はお別れすることになりました」

おしどり夫婦として知られたお二人の離婚で驚かれた方も少なくないと思います。そこで、お二人の離婚から「離婚の目的」について考えてみたいと思います。

2つの離婚の方法

まずは、離婚の方法について見てみましょう。民法は、夫婦の間で離婚の合意がまとまり、それを戸籍法の定めるところに従い届け出ることによって成立する協議離婚(民法763条)と民法の定める一定の離婚原因がある場合に離婚の訴えが認められ、判決によって成立する裁判離婚(民法770条)の二つの離婚を定めています。

民法763条(協議上の離婚)

夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

民法770条(裁判上の離婚)

1夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

2裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

協議離婚~9割が当事者の協議で離婚する

日本では、離婚の内、協議離婚は約90%を占めます。協議離婚は、離婚問題を当事者の自主的解決にゆだねます。離婚に対する国の介入を許さない点で、家族のプライバシーを守ることができる制度であるといえます。

協議離婚の前提条件

協議離婚は当事者同士の話し合いで解決を模索するため、当事者の対等性や離婚後のことに関して話し合えるだけの理性が双方にあることが前提条件となります。

離婚の目的

田中さんはインスタグラムで次のように語っています。

離婚を決意した理由については「ある方にこれは人生において前向きなことなんだとアドバイスをいただき、こうしてご報告することを決意いたしました」と説明。「どうぞこれからも変わらず、パパと私をよろしくお願いいたします。今までありがとうございました。大学生のパパと出会ってから33年以上。心から感謝しています。ありがとう。そして、どうか静かに見守ってくださるとありがたいです」と深沢にメッセージを寄せた。

(引用:田中美佐子と深沢邦之が離婚 田中「パパと私はお別れすることになりました」

結婚生活に不仲は起こりうるし、円満な夫婦生活に回復するように努力を強いることが不可能なことも当然あります。

破綻した、形式だけの婚姻は、婚姻外の性的関係(いわゆる「不倫」)を生むこともありうるなど婚姻の価値を否定することにもなりかねません。

破綻した婚姻から当事者を解放し、再婚や自立の自由を保障することが、民法が掲げる離婚の第一の目的です。

田中さんが離婚を決意した理由として挙げた「(離婚は)人生において前向きなこと」という言葉は、民法が掲げる離婚の目的を端的に表していると言えます。

だれしも、結婚した当初は「添い遂げる」と思って結婚したはずです。しかし、将来のことはだれも分かりません。結婚したふたりにとって、離婚がよい方向に向かうということであれば、離婚も選択肢のひとつとしてアリではないでしょうか。

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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