Yahoo!ニュース

2022年度「行政書士試験」終わる~「合格見込み者」に贈る3つの提言

竹内豊行政書士
「行政書士試験」を受験した皆さまお疲れ様でした。(写真:イメージマート)

2022年度の行政書士試験を受験した皆さま、お疲れ様でした。続々と資格予備校が解答速報を発表しているようですが、結果はいかがでしたでしょうか。

行政書士という資格は、業務分野が「不特定」のため誤解を受けることが多い資格です。そこで、合格見込みで開業を目指す方にエールを込めて3点に絞ってお伝えしたいと思います。

1.「資格ができること」と「自分ができること」はイコールではない

資格予備校は「行政書士はマルチプレーヤー」と宣伝していますが、確かに行政書士の業務範囲は広範です。しかし、だからといって行政書士「個人」が能力的にできることは当然ですが限られます。つまり、「資格」が法により認められている業務と「個人」が実際にできる業務は同じではありません。その点を誤解しないようにしましょう。

2.「専門分野」は当然必要

YouTubeなどで、「専門分野は必要ない。取りあえず開業しよう!」という勇ましい声を聞きますが、依頼者は行政書士のことを自分の悩みをスピーディーに解決してくれる「専門家」として相談に訪れます。したがって、相談者と1対1で対峙する「面談」の場で、相談者に問題解決までのロードマップを提示するなど「さすが専門家は違う!」と唸らせるパフォーマンスを提供できなければ受任は難しいです。

「なんでもできるは、なんにもできない」のは世の常。開業直後から活躍したいのなら、相談者から「専門家」と認められるレベルの知識を蓄えてから開業することをお勧めします。

3.行政書士は「強い責任」が課せられる

行政書士が受ける業務は、依頼者の将来を左右する強い責任が伴うものが少なくありません。強い責任が伴うからこそ、依頼者からの「ありがとう」という一言は格別です。しかし、万が一、行政書士が依頼者に何らかの迷惑をかけてしまえば、依頼者に損害を賠償することもありますし、事によっては行政書士法に基づき処分を受けることもあります(実際の処分事例は、日本行政書士会連合会のホームページ内の「綱紀事案の公表」で見ることができます)。開業する場合は、そのことを念頭に置いて準備することをお勧めします。

行政書士という資格は、上手に活用すれば、人生をよりよく生きるための「武器」となります。

なにはともあれ、受験した皆さまお疲れ様でした。まずはゆっくりとお休みください。

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

竹内豊の最近の記事