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「コロナ禍」も影響か 令和2年度「行政書士試験」申込者 過去5年最高 5万4847人

竹内豊行政書士
令和2年度の行政書士試験申込者数は過去5年で最高となりました。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

一般財団法人行政書士試験研究センターが来月8日(日)に実施される行政書士試験の都道府県別受験申込状況を発表しました。これによると、申込者数は5万4847人です。この数字は次のとおり過去5年で最も多い数となります。

平成28年(2016年)5万3456人

平成29年(2017年)5万2214人

平成30年(2018年)5万926人

令和元年(2019年)5万2386人

令和2年(2020年)5万4847人(前年比:プラス2461人、104.69%)

増加の要因

増加の要因として次の4つが考えられます。

コロナ禍

コロナ禍による雇用情勢の悪化により、「いざ」というときの安全弁として資格を取っておきたいと考える者の増加。

高齢化社会

定年後に備えて資格を武器に独立開業を目指す者の増加

試験の特長

行政書士試験は年齢、学歴、国籍等に関係なくだれでも受験できます。また、他の隣接法律専門職の試験と比べて受験科目や難易度からして受験しやすい。加えて、コロナ禍や高齢化社会の影響も後押しとなり、「まずは行政書士を取得しよう」といったとりあえず受験生の増加

行政書士の業務内容

行政書士は、官公署に提出する書類および権利義務または事実証明に関する書類の作成等を業務としています(詳しくは、案外役立つ「行政書士」~「コロナ支援」にも対応、全国「無料相談」会開催中をご覧ください)。

このように、業務範囲が広いことが行政書士の特長の一つです。そのため、仕事での実績や学んできたこと、興味があることが「行政書士業務」として成立することが多々あります。この特長を活かして、仕事の実績や学んできたこと、人生経験などを行政書士資格を取得して「仕事」にするという人も増えてきています。

中高年が健闘~40代以上が合格者の過半数を占める

元来、行政書士試験は、中高年が健闘しています。そのことを裏付ける昨年の試験結果をご紹介します。

2019年度の行政書士試験の結果

・申込者数 52,386人

・受験者数 39,821人

・合格者数 4,571人(合格率 11.5%)

2019年度の年代別合格者数(括弧内は合格者数に占める割合)

10代:45人(0.98%)

20代:862人(18.9%)

30代:1213人(26.5%)

40代:1230人(26.9%)

50代:847人(18.5%)

60代以上:374人(8.2%)

40歳代以上の合格者数が2451人であり実に過半数(53.62%)を占めています。 前掲の「申込者数増加の要因」を考慮すると、この傾向は今後も続くと予想されます。

行政書士試験はいよいよ来月11月8日(日)に開催されます。まさに受験生にとってはラストスパート。健康に十分留意して最後の追い込みを頑張ってください。特に、同世代として中高年の受験生のご健闘をお祈りいたします!

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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