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1月13日成人の日~新成人122万人誕生、成人年齢なぜ20歳、皇族は18歳で成人、成人18歳問題

竹内豊行政書士
本日、1月13日は成人の日。122万人の新成人が誕生します。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

本日、1月13日は成人の日。総務省統計局によると、122万人の新成人(注)が誕生します。前年と比べると3万人の減少となっています。また、男女別では、男性は63万人、女性は59万人で、男性が4万人多く、女性100人に対する男性の数(人口性比)は105.8となっています。

そこで、成人の日とは何であるのか、なぜ20歳が成人なのか、皇族は何歳で成人となられるのか、2022年の「18歳成人」が社会に与えるインパクト、成人になるとはどういうことなのかなど、今回は、成人の日に関わるあれこれを考えてみたいと思います。

(注)令和2年1月1日現在20歳の人口

以上参考:総務省統計局ホームページ

「成人の日」とは

そもそも「成人の日」とはどのような日なのでしょうか。

成人の日は、国民の祝日に関する法律 (祝日法)で、次のように規定されています。

祝日法2条

「国民の祝日」を次のように定める。

成人の日 1月の第2月曜日

おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。

そして、祝日法は、第1条で、国民の祝日の目的を次のように規定しています。

祝日法1条

自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

つまり、成人の日は、「国民が、おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日」ということになります。

全国各地で開催される成人式は、このような青年を祝い励ます式典ということになります。

「成人式」を規定する法律はない

このように、「成人の日」は祝日法で規定されています。 しかし、成人式の実施時期や対象年齢を規定する法律はありません。そのため、実際は、市区町村ごとに地域の実情に応じて決められているようです。

ほとんどの自治体は1月に開催していますが、東北などを中心に8月に開催する自治体もあるようです。

ちなみに、千葉県浦安市は、1月13日に、「集う、繋がる、創る -花笑む時代への第一歩」をテーマに今年も東京ディズニーランドで開催します。

なぜ、20歳が成人なのか

そもそも、成人年齢はなぜ20歳なのでしょうか。

江戸時代は地域によってばらつきがあったようです。明治9(1876)年の太政官布告によって、日本で初めて成人年齢を20歳と定められました。その太政官布告を引き続いで、明治29(1896)年制定の民法(明治29年法律第89号)で、「成人は20歳」と定めました。

20歳とした理由は定かではありませんが、当時の日本人の平均寿命や精神的な成熟度などを考慮した結果が理由の一つと考えられます。

そして、現在に至るまで、民法は、20歳を成年と定めています(民法4条)。

民法4条(成年)

年齢20歳をもって、成年とする。

皇族の成人年齢

さて、今回の成人の日は、令和はじめての成人式です。では、皇族はおいくつで成人になるのでしょうか。

皇室典範第22条によると、天皇・皇太子・皇太孫(こうたいそん)は18歳で成人になります。その他の皇族は、民法4条に基づき20歳で成人になります。

皇室典範22条

天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、18年とする。

皇族が成年に達せられたときには、成年式(せいねんしき)という儀式が行われます。また、皇太子が成年になった証として成年の冠を授けられる皇太子成年式加冠の儀(こうたいしせいねんしきかかんのぎ)という儀式が行われます。

140年ぶりに成年年齢が18歳に引下げられる

平成30(2018)年6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立しました(2022年4月1日から施行)。

この民法改正によって、成年に達する年月日は次のように変わります。

・2022年4月1日の時点で、18歳以上20歳未満の人(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)

~2022年4月1日に成年に達する

・2004年4月2日生まれ以降の人

~18歳の誕生日に成年に達する

 

成年年齢の見直しは、冒頭にご紹介した明治9年の太政官布告以来、実に約140年ぶりです。この改正は、18歳、19歳の若者が自らの判断によって人生を選択することができる環境を整備するとともに、その積極的な社会参加を促し,社会を活力あるものにする意義を有するものと考えられます。

成人式の2023年度問題

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、2022年4月1日施行の改正民法によって、翌2023年の成人式は、18~20歳がまとめて参加することになります

当然、対象者が例年より増えるので会場確保はもちろん、運営も困難が予想されます。

また、1月に開催となると、大学受験を控えた18歳の高校3年生や19歳の浪人生は参加を見合わせたり、参加できない人が続出するかもしれません。

では、夏休みの8月に開催するのはどうでしょうか。そうすれば、参加できる人は増えそうです。

成人式といえば晴れ着。しかし、晴れ着を着ると暑い・・・。 このように、8月に開催すると、着物業界にとっては相当なダメージが予想されます。

一方、「18歳成人」によって期待する業界もあります。 その一つが旅行業界です。

「18歳成人」により、旅券法が改正されて、現行法では5年の有効期限が、10年のパスポートが18歳以上から可能になります。 さらに、18歳から法的に「成人」として扱われることにより、契約に親の同意が不要になります。

旅行業界は「18歳成人」をビジネスチャンスと捉えて、高校の海外卒業旅行などの18歳成人をターゲットにした商戦が繰り広げられることが予想されます。

「18歳成人」はビジネスにも大きな影響を与えること必至です。「18歳成人」は社会現象を起こすことになるでしょう。

成人になるとは

成人になるとは、今までの未成年者から成年(法律では、成人のことを「成年」といいます)になることを意味します。

民法上、未成年者のときは、単独で契約を締結することができず、親権に服する地位でした。一方、成年者になると、単独で契約を締結することができ、親権に服することがなくなります。未成年者は、単独で契約ができないという不自由はありましたが、その反面、親の下で守られていたといえます。一方、成年者になると、単独で契約ができるようになりますが、親の保護はなくなります。つまり、「責任が重くなる」ということです。

未成年のときとは違って戸惑うこともあると思いますが、「成年」というパスポートを十分に生かして自らの力で人生を切り開いていってください。

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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