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11月10日、「行政書士試験」実施!5万2千人が挑む~合格直結「7つ」の心得と技

竹内豊行政書士
11月10日、令和最初の行政書士試験が実施されます。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

11月10日は、令和最初の行政書士試験です。一般社団法人行政書士試験研究センターの発表では、52,386名の受験生がエントリーしています。

そこで、受験生にエールを込めて、明日の試験で力をいかんなく発揮して合格を勝ち取るための、今日と明日の過ごし方についてアドバイスを7つご紹介したいと思います。

前日(今日)の過ごし方

今日の過ごし方の心得と実行しておくべきことについて2つご紹介します。

1.体調を整える~しっかりと寝ること

受験生のみなさんは、「本番で、自分の力を悔いのないように100%出し切る発揮したい!」と思っているでしょう。そのためには体調を整えて、前日にはしっかり寝て、力を蓄えておきましょう。

試験時間の3時間の長丁場を、集中力を保って乗り切るには、体調がよいコンディションでなければ難しいでしょう。十分な睡眠をとるには、夕飯はいつもより早めにして消化の良い食事をとるなど気を使ってください。

2.当日(明日)の予定を決める~早めに試験会場に着くこと

当日の予定は今日中に決めておきましょう。何時に起きて、食事をどのくらい食べて、何時に家を出るのか、そして試験会場に着いてからなどをイメージします。そして、メモ帳やスマホに箇条書きにしておきます。

そこで、大切なのは、会場に早めに着くように予定を立てることです。電車の遅れなど、想定外のトラブルが起こる可能性もあるので、それを想定に入れて、何があっても試験開始時間に間に合うような準備をしておきましょう。

焦る気持ちもあるかもしれませんが、「この段階に来たら焦っても仕方がない」ということを自分に言い聞かせてください。

試験当日(明日)の過ごし方

明日の試験当日に力を十分に発揮するための心得と技を5つご紹介します。

1.力を出し切ることに集中する

さあ、いよいよ本番です。本番に向けての心構えとしては、「とにかく今までやってきた自分の力を全て出し切る」、という一点を意識するだけです。これまで勉強していた成果を本番でそのまま出せばいいのです。

自分が今までやってきた以上のことは、当日にできることはふつうありません。できる限りのことをやればいい。それだけです。

2.試験直前まで与えられた時間を使う

試験の直前まで与えられた時間は有効に使いましょう。今まで使い込んできたノートやテキストを何度も読み返すことです。私自身、本番直前5分前に参考書で見た箇所が、試験にそっくり出て驚いた経験があります。

なお、当日、不安がないように参考書などをたくさん持っていく人もいますが、あまりたくさん持っていっても見る時間はほとんどないし、気になったことを調べようとしてかえって焦ったり、試験前の貴重な時間を浪費するだけです。

当日持っていくのは最低限のものに絞った方が、迷うことがなくなるので効率的です。

3.リラックスする技~深呼吸する

試験が始まる前はリラックスすることが大切です。リラックスできれば自分の持っている力を十分に発揮できるからです。いかにリラックスして平常心で試験に臨めるかが、合否の分かれ目といってもいいでしょう。

緊張を感じたら、深呼吸をするのが効果的です。気が張っているときは呼吸が浅くなっているものです。

呼吸に意識を向けて、鼻か口からスーッと息を吐き切ってみましょう。息を深く吐くと、自然に息を吸い込むことができます。呼吸にだけ意識を向けてそれを何度か繰り返していると、自然に気分が落ち着いてきます。

本番開始の合図と共に全力を出せるように、それまではリラックスした精神状態を保っておきましょう。

4.ケアレスミスを防ぐ技

単純なミスで合格を逃してしまったら、悔いが残ります。そのようなことは絶対に開始しましょう。

そこで、問題を解くときは、問題の読み違いなどの単純なミスを防ぐことを心がけてください

例えば、問題の一文に線を引くというやり方があります。「妥当であるものはどれか」と「妥当でないものはどれか」を間違えないように、そこに線を引いて強調しておくのです。

こうやって自分なりに問題文の中で注意すべきポイントをチェックしておくと、うっかりミスを減らすことができるうえに、あとで見直すときにも効率的に作業を進めることができます。

5.不測の事態を受け入れる~想定外は起きるのが当たり前

試験を受けるにあたって心構えとして覚えておいてほしいことがあります。それは「不測の事態は起きる」ということです。

試験本番になって、急に尿意を催したり、腹痛になったりするかもしれません。また、出題傾向がガラッと変わって、過去問にはなかったようなタイプの問題が出されたり、出題形式が変わったり、急に問題の難易度があがっていることもあるかもしれません。

ただ、そんな不測の事態が起こったとしても、それを慌てず受け入れるという心の準備をしておいてください。

試験本番では、それまでありえなかったようなことが起こるのはむしろ普通のことです。普段どおりにやりたいと思っていても普段どおりにいかないのが本番です

予想外の事態が起こったからといって焦ってはいけません。

例えば、難しい問題が出題された場合、ほかの受験生も同じように難しいと思っている可能性が高いのです。

だから、過度に焦る必要はないのです。落ち着いて、できるところから解いていけばいいし、わからない問題があったとしても、わからないなりに何とか食らいついていけばいいのです。

不測の事態が起こっても、「やってきましたね」といったように、それを淡々と受入れましょう。あなたが焦るときには周りの受験生も同じように焦っています。

そういうときこそ、深呼吸して頭を切り替えて、普段どおりに問題を解く作業を続けていきましょう。

以上、7つのアドバイスを書きましたが、本番ではたとえ何が起こっても途中であきらめず、全ての解答欄を埋めてください。最後の最後に勝負を決めるのはそのような「気持ち」の部分です

行政書士は、国民と行政の橋渡しをすることによって行政に関する手続の円滑な実施に寄与する専門家として、また、遺言の普及や相続手続等をとおして国民の利便に資する専門家として、社会の要請が高い役割を担っています。

加えて、広範な業務範囲が与えられているので、自身の経験を活かしてセカンドキャリアを充実させたものにできる絶好の資格です(昨年度の申込者の過半数は40代以上が過半数を占めています)。

ぜひ、明日の試験で力を出し切って合格を勝ち取ってください。全国4万5千人の行政書士の会員があなたを待っています!

また、行政書士試験は、やるべきことをきちんとやれば合格できる資格です。この記事をご覧になって行政書士に興味を持たれた方は、ぜひ来年チャレンジしてみてはどうでしょうか。

参考・引用『99日で受かる!行政書士最短合格術』(遠田誠貴、税務経理協会) 

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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