結婚のために知っておきたい法知識19~離婚後すぐ再婚できる?「氏」はどうなる?・・・

民法は離婚した夫婦に「復氏」など法的効果を生じさせます。(写真:アフロ)

縁あって結婚した夫婦。しかし、残念ながら必ずしもうまくいくとは限りません。

厚生労働省が発表した『平成29年度人口動態計の年間推計』によると、平成29年度の離婚件数は、21万2000組、離婚率(人口千対)は1.70 と推計されます(なお、同年度の婚姻件数は 60万7000 組、婚姻率(人口千対)は4.9と推計)。

そこで民法は、破綻した婚姻から当事者を解放し、再婚や自立の自由を保障するために離婚を設けています。

夫婦の間に離婚の合意がまとまり、それを戸籍法の定めにより届出ることで離婚は成立します(協議離婚・民法763条、戸籍法76・77条)。

(協議上の離婚)

763条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

そして、民法は離婚した夫婦に次の法的効果を生じさせます。

再婚の自由

婚姻関係が終了するので、夫・妻いずれも自由に再婚できます(民法733条)。

平成28年6月1日,「民法の一部を改正する法律」が成立し,女性の再婚禁止期間が6か月から100日に短縮されました(同月7日公布・施行)。

民法の改正の概要

1 女性に係る再婚禁止期間を前婚の解消又は取消しの日から起算して100日としました。

2 女性が前婚の解消若しくは取消しの時に懐胎(妊娠)していなかった場合又は女性が前婚の解消若しくは取消しの後に出産した場合には再婚禁止期間の規定を適用しないこととしました。

(以上引用:民法の一部を改正する法律(再婚禁止期間の短縮等)について)

(再婚禁止期間)

733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

姻族関係の終了

婚姻によって生じた姻族関係は、離婚によって当然に終了します(民法728条1項)。

(離婚等による姻族関係の終了)

728条 姻族関係は、離婚によって終了する。

ただし、姻族関係が存在していたことに基づく婚姻障害は、離婚後も存在します(民法735条)。

(直系姻族間の婚姻の禁止)

735条 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。

具体的には、次のようなことはできません。

・離婚した妻が前夫の父と婚姻する

・離婚した夫が前妻の連れ子と婚姻する

夫婦の氏

婚姻により、夫又は妻のどちらか一方は氏を改めます(民750・夫婦同氏の原則)。

(夫婦の氏)

750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

婚姻により氏を改めた配偶者(ほとんどが妻)は、離婚により婚姻前の氏に戻りますが(民767条1項・771)、復氏した配偶者が、離婚の日から3か月以内に戸籍係へ届出れば、婚姻中の氏を称することができます(民767条2項・婚氏続称)。

(離婚による復氏等)

767条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。

2前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。

以上のとおり、民法は離婚することにより、「再婚の自由」「姻族関係の終了」「夫婦の氏」の3つについて法的効果を生じさせます。

離婚をすると、煩雑な手続上の問題が生じます。特に、「氏」を変更した方は大変です。

新たなスタートを気持ちよく切るためにも「離婚の効果」を理解した上で、「準備」して離婚することが必要だと思います。

離婚を検討中の方はもちろんですが、円満な夫婦関係の方も、「知識」として知っておくことは望ましいと思いますがいかがでしょうか?