お盆休みの海外旅行は「消費増税前がお得」だったのか

海外旅行は10月の消費増税後に値上がりする?(写真は2019年10連休時のもの)(写真:森田直樹/アフロ)

17日に、今年のお盆休みの海外旅行からの帰国ラッシュがピークを迎えたという。

今年のお盆休みの海外旅行は、10月に消費増税で税率が10%に上がる前に行けたから、その分お得だった、という話がある。10万円単位の出費になる海外旅行だから、2%の差は大きい。例えば、税込みでちょうど10万円の代金だったとすると、消費税率が8%なら税抜きで9万2593円だから、この本体価格に10%で消費税が課されると10万1852円となり、約2000円ほどの差になる。

今年のお盆休みの海外旅行は、「消費増税前だからお得」だったのか。

結論から言うと、海外旅行の代金(手数料等は除く)には消費税がかからないから、海外旅行は消費増税前も後も損得なし、ということである。

なぜか。それは、消費税制には、国際的に「輸出免税」という仕組みがあるからである。国内から国境を越えてモノやサービスを輸出する場合、それらに対する消費税を免税にするという仕組みで、海外旅行の航空券代や燃油サーチャージもこれに該当するから消費税は免税となっている(参考:国税庁「輸出免税等の範囲」)。消費税(付加価値税)は、最終消費地で課税するという国際的な原則がある。

海外での旅行先で一定金額以上の買い物をして、帰国便に乗る空港等で免税手続きをすれば、現地で払った消費税(付加価値税)が還付される仕組みがあるが、それもこの「輸出免税」に従ったものである。旅行者が外国から日本に「輸出」するから免税となるわけだ。

そもそも、海外旅行の航空券代や燃油サーチャージには、今までも(これからも)消費税がかかっていないわけだから、本体価格が変わらなければ、消費税率が8%から10%に上がっても旅行代金は変わらない。それは、仕事などで海外出張に行く場合も同じである。

ただし、国内の旅行代理店などにお客が支払う各種手数料や国内空港使用料は、国境を越える取引ではないから、消費税が課される。その分は消費税率が8%から10%に上がると値上げになる。とはいえ、各種手数料や国内空港使用料は数千円程度で、それが2%ほど上がるといっても数十円の値上げになる程度である。むしろ、為替レートの影響で旅行代金の本体価格が変動する方が影響は大きい。

次の年末年始の海外旅行は、消費増税後になる。でも、海外旅行の航空券代には消費税がかからないから、「海外旅行は消費増税前に行っておけばよかった」と後悔しなくてよいのである。