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【最速/専門解説】オンラインカジノ利用者18人が常習賭博容疑で書類送検

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(提供:アフロ)

さて、以下産経新聞より転載。

カジノ決済代行で運営責任者ら逮捕 常習賭博幇助容疑 全国初

https://www.sankei.com/article/20230927-CACVWF5ANRONNMTEZWJX5TZU5A/

オンラインカジノの決済サービスを運営し、利用者の賭博を助けたとして、警視庁保安課などは、常習賭博幇助(ほうじょ)の疑いで、運営責任者の前田由顕(よしあき)容疑者(42)=沖縄県宮古島市と、システム開発者の時田慎也容疑者(42)=千葉県松戸市=を逮捕した。入送金管理などを行っていた5人も同容疑で書類送検した。

山口県阿武町の誤送金問題でも大きくクローズアップされたオンラインカジノの「決済代行業者」が摘発されたというニュース。これと併せて、オンラインカジノ利用者21人が書類送検されているということで、日本においては歴代最大規模のオンラインカジノ事犯の摘発となりました。

今回の逮捕のポイントは、決済代行業者をオンラインカジノ側の「ほう助」ではなく、常習賭博罪で書類送検した利用者側の「ほう助」として逮捕している点。この点は非常に重要で、ここに関しては別途私のyoutubeチャンネル側の動画で解説をしておりますので、ご覧頂ければと思います。

ということで、今回警察が逮捕を行ったのはプレイヤーの出入金をほう助した決済代行業者であったわけですが、実は国内のオンランカジノ事犯の摘発において「本丸」ともいえる存在がまだ手つかずで残されています。それがプレイヤーに海外オンラインカジノを紹介することで彼らの賭博金額の中からキックバックを貰い受けることで生計をたてている「アフィリエイター」の存在です。

正直申し上げると、今回摘発の対象となった決済代行業者はオンラインカジノにおいて提供される決済手段の「ひとつ」を担っているにしかず、実はオンラインカジノとの決済は電子マネーを使ったり、海外銀行口座を使ったり、はたまた最近では暗号資産を使うなど、決済手段は沢山残されているのが実情。なので、実は代行業者を押えたところで、大勢にはあまり影響がありません。

一方で、実は国内で違法な賭博行為のマーケットを広げるにあたって最も大きな役割を果たしているのが。前出のアフィリエータの存在。この人達は、文字通りオンラインカジノの誘客、すなわち「入口」側を担っている存在であり、ここをどう押さえてゆくかが、国内オンラインカジノ利用拡大を抑制するために最も重要なポイントとなるんですね。私個人としては、ここも代行業者と同様に「ほう助」の適用が可能であるというスタンスですが、一方で代行業者と比べると犯罪の立証は格段に難しいのも事実で、この点に関しては警察の皆さんには更なる捜査を期待したいところです。

そして、もしアフィリエーターにほう助罪適用が出来ないとなると…既存の法律では対応ができないということになりますから、次はオンラインカジノへの利用者のアクセスそのものを遮断してゆくアクセスブロッキング、もしくは当該ウェブサイトに利用客を誘導するリンク行為そのものを規制するリーチサイト規制などを行ってゆくという話になりますが、こちらの方は近日中に別記事で解説を行いたいと思います。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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