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野球・サッカー早期再開は絶望的:悲報続くスポーツ産業の光明は?

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

さて、プロ野球の開幕に関して、以下の様な報道がなされました。以下スポーツ報知からの転載。

プロ野球開幕は5月下旬も…“無期限延期”を訴える意見も

https://hochi.news/articles/20200403-OHT1T50002.html

プロ野球は3日に12球団代表者会議を行い、日程の再々編に着手する。新型コロナウイルスの感染拡大で、目標に設定した4月24日の開幕を断念することは確実。5月下旬以降の開幕を目指すとみられ、最優先としてきた公式戦143試合の縮小まで踏み込んで協議する可能性が高い。

当初は4月中の開幕を目指すとしていたプロ野球に関して、もはや現在の環境がそれを許さないということで、新たな再開目標が5月下旬に据えられたとするニュース。これもまだ、あくまで「目標」でありどこまでも延期になることは十分考えられますし、そもそもNPB(日本野球機構)自身に出来る事なんて限られていますからね。。一方Jリーグに関しては以下の様な報道が行われています。以下、フットボールチャンネルより転載。

Jリーグ再開は5月末を想定。専門家の見解「感染のピークは4月から5月になると…」

https://www.footballchannel.jp/2020/04/03/post369383/

新型コロナウイルスの影響を考慮し、2月25日にJリーグは3月15日までのJリーグ公式戦を延期することを発表。さらに3月12日には中断期間を3月中まで延ばすことを決めた。そして1日、J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日から再開を目指すことを明かしている。

しかし、東京や大阪など大都市を中心に感染者数が増加しており、専門家チームの座長を務める賀来氏は「自粛の中でできるだけ早く開催を望んでいましたが、こういう状況で4月に開催するのは非常に難しいと申し上げた」とし、4月中の再開は難しいとの見解を示している。

また、上記のJリーグに関するテーマとしては、Jリーグの再開の目途がたたない事で、その試合結果を予測することでサービスを提供しているtotoくじが延々と発売不能になっているとのこと。totoくじは、一回の販売機会を逃すと約18億円の売上、現在Jリーグの再開の目途が立たない事でその売上が次々と機会損失して行っている状況。ちなみに、当該toto収益金は膨らみに膨らんだことでお馴染みの国立競技場の建て替え資金の償還財源となっており、Jリーグの再開が遅れれば遅れる程これが焦げ付いてゆく事となります。

この様に新型コロナ禍にあえぐスポーツ種がある一方で、良いニュースが聞こえてくるスポーツ種もあるのが実態。それが競馬産業とeスポーツ産業であります。

競馬産業は、今回の新型コロナ蔓延が始まった当初から、いち早く無観客試合への切り替えを決定したスポーツ種でありますが、もともと観客の入場料収入に頼らないビジネスモデルであり、無観客であっても売上にそれほど大きなダメージを与えていないというか、寧ろそれどころか一部競馬場においては昨年同期比で売上がプラスになっていたりするのが実態です。以下、競馬関連の報道一覧。

3月10日:高知競馬 1日の売上レコード更新

https://news.sp.netkeiba.com/?pid=tarekomi_view&no=10788

3月23日:【フラワーC】売上は29億7916万8300円で昨年から増加

https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=168962

3月30日:【高松宮記念】売上は127億円で昨年から微増 無観客競馬

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200330-00000007-kiba-horse

競馬と並んで同様に明るいニュースが報じられているのがeスポーツです。eスポーツは、元々ビデオゲームを使った競技ということで、その性質上、多くのスポーツ種の中では最もデジタル配信に向いているスポーツ種であります。そのこともあってか、今回のコロナ禍においてリアル側での大会開催が危ぶまれるスポーツ種が、eスポーツ側に参画し話題となるなど、明るい材料が報道されています。

3月24日:コロナ禍に揺れるF1に一筋の光。eスポーツレース開催で見えてきた5つのコト

https://jp.motorsport.com/esports/news/five-things-we-learned-from-f1s-esports-racing/4772559/

3月31日:バーチャル開幕戦 阪神が逆転勝ち 矢野監督「eスポーツから日本を元気に ありがたい」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200330-00000259-spnannex-base

3月16日:米スポーツ界全面停止でeスポーツに脚光

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200316-00010000-wordleafs-base

但し、競馬やeスポーツなど新型コロナ禍において明るい話題が報じられている業界においても、当然ながらその陰でコロナ被害に泣いている人達も存在するのが現実。その辺りに関しては詳細解説を私のYoutubeチャンネル側の動画で解説をしていますので、ご興味のある方はご覧頂ければ幸いです。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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