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問題のレベルが違う、今回の野球賭博発覚

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

スイマセン、本日二本目の投稿です。本日は既に以下のエントリを投稿したばかりなのですが、関連するコメントを読んでいたところ、何で私がこんなにも強烈批判をしているのかがあまりちゃんと理解されていないのだという事が判明し、補足の意を込めてもう一度書きます。前記事を読んでいない方は、以下リンク先を参照。

【参照】 自浄不能なプロ野球界:賭博行為の蔓延

http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9196150.html

今回の新たに発覚した高木投手の野球賭博に関して、大前提としてご理解頂かなければならないのは、今回のケースと昨年発覚した3選手のケースは、問題のレベルが全く異なるものであるということ。

前回の笠原・福田・松本の三選手は全員が2軍もしくは1軍半の選手であり、一般的に野球賭博の対象となるような試合に自身が選手として関与することはない存在でした。それ故、昨年の球団は、その内部調査のかなり早い時期に「八百長への関与の可能性は低い」という見解を示し、疑惑は「賭博への関与」だけを中心としたものへ切り替わってゆきました。

一方、今回の高木選手は2012年のプロ入り当初から1軍選手として登録され、 チームの「中継ぎ」の主力投手の一角を占めていたワケで、その高木投手自身が一方で野球賭博に関与していたのだとすると、当然ながらその先に八百長への関与が色濃く疑われてしまうワケです。

現時点で高木選手自身は「八百長はしていない」などと言っているようですが、そもそも昨年の問題発覚時から今に至るまで「賭博はしていない」と嘘をつき続けて来たのもご自身であるワケで、「八百長をしていない」とする言葉が全く信用に値しないのは仕方がないとしか言いようが有りません。

ということで、今回の高木選手の野球賭博への関与問題は、既に昨年の三選手の単純な賭博関与の問題とは、全く次元の「疑惑」に直結してしまっているという事。そういう目線で、先のエントリを読んで頂ければ、私がなぜにあれほどまでにプロ野球界を糾弾しているかがご理解いただけるものと思います。

以上、補足でした。

【参照】 自浄不能なプロ野球界:賭博行為の蔓延

http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9196150.html

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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