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<ガンバU-23 >点の取り合いを制することができず、敗戦。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

カターレ富山とのJ3リーグ25節。キャプテンDF松田陸が出場停止の中、フィールドの半数がアカデミー所属の二種登録選手という若いメンバーで挑んだガンバはFW白井陽斗のゴールで先制点を奪う。その後、一度は逆転されながら追いつくしぶとさを見せるも、83分に決勝ゴールを許し2-3で敗れた。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

今日もたくさんのガンバのサポーターの方に来ていただいて本当に感謝しています。ゲームに関してはいい形で得点がとれて、そのあと少し自分たちの…相手どうこうより自分たちの攻撃の形の部分で少しゴールに向かう姿勢が少なくなって、それと同時に守備も少し緩くなってしまった。逆に相手は1点返そうと、自分たちのゴールの方に向かってきた状況で、ハーフタイムにも映像を見せて伝えましたが、少し攻守の切り替えのところでの、攻撃の前への推進力からの守備の戻りの遅さが…そこは攻守一体だと思うので、そこが緩くなってやられたかな、と。あとは、僕らのグループの年齢的にも一番課題だし、身につけていかなきゃいけないところだと思うんですけど、前半最後のセットプレーのところで誰も声もかげず、集中力をあげようとか、ここは絶対に防ぐぞというようなパーソナリティがまだまだうちの選手は特に足りない。勝負事なので、ただ淡々とやるのは良さでもあり、そういう部分がもっともっとでてこないと、勝負事に関しては…今やっているラグビーのワールドカップを見ていてもそうですが、コンタクトのあるスポーツだからこそ、そのへんのパーソナリティをあげていくことを練習の中でも意識してやっていきたい。簡単ではないですが、積み上げていきたいなと思っています。今日も陸(松田)がいなくて、榛里(大野)がセンターバックで出場して、ベンチメンバーもフィールドの選手が2人しかいなくて、そういうことを思えばよくやったと言ってやりたいですが、彼らの今日のプレーからしたら勝ちきれる力もあると思うので、そこは褒めつつ、締めつつまた来週しっかり練習をしたいと思います。

ー今セットプレーの話がありましたが、前半は特にニアを執拗に狙われていましたが対応についてはどう見ましたか。

あまり言い訳にはしたくないんですが、言い訳になるかもしれませんが、そこは狙われるところで…練習もなかなかできないですし、試合の中で実践を積んでいくしかないところなので。颯(當麻)はユースではマンツーマンで、今日初めてゾーンでやりましたし…にしても、プロの選手もいるわけで、そこはなんとかグループの力をあげて防げるようにしていきたい。実際、前半の最後にはやられましたが、他のところはやられてないわけで、これは選手にも言いましたが、自分たちのゲームの状況、時間帯をつかんでいかないとなかなか自分たちのサッカーをやろうというだけでは勝負は勝てない。そこをまた突き詰めてやりたいと思います。

ー勝負所の勘どころというか、せっかく同点に追いついてひっくり返せそうないい流れだっただけにもったいない形からの失点でした。若い選手で交代も少ないとはいえ、あの辺がもう少しシビアにということでしょうか。

航(伊勢)にはさっき説明しましたけど、まずボールがないところで、ボールサイドでのサポートの入り方がボールに対して少し並んでいる状況で、悪いアングルでボールを受けて、ゴールにボールが向かないで、その状況で大(塚元)もアクションを起こさないというシーンがあったので、ああいう風に逃げる形でボールを失うと、やっぱりプロの世界は失点に繋がる確率は高いので、そこは航を含めて全員の教訓にしなくちゃいけないなと。翔自(唐山)とか、仁郎(中村)とか修平(川崎)もそうですけど、やっぱり彼らが本当にもっと上にいこうと思ったらまだまだボールロストが多い。シンプルに自分たちの足に先に入っているのに、簡単に入れ替わったりとか、そこは彼らの年齢以上に、めちゃくちゃ若いですけど、彼らの能力、目指している場所を考えると、もっともっとその辺を促して突き詰めて、練習していきたいな、と。それにしても翔自もよく点を取ったし、修平もまだ点は取れていないですけど、いいプレーもたくさんみせていたので、その辺は練習しかないと思うので、突き詰めて練習したいと思います。

●DF大野榛里

(松田陸選手が出場停止の中、一緒に組んだ當麻選手はJ3初出場でした。自分がDFラインを牽引するという意識もあったのでしょうか)そうですね。自分は今日で10試合目で、當麻は初めてだったし、みんなを引っ張っていかなきゃいけないという思いもありました。(2失点目もセットプレーでしたが、前半からセットプレーの時に狙われているなという印象がありました。対応については?)ゾーンなので、一人一人の意識とか、守る時の強さ、という部分で気持ちの面で緩くなってしまったところもあったので、練習を一緒にやれないところもあるんですけどまず気持ちで負けないようにやっていけたら、後半も守れていたので、最初からその気持ちを持っていたら守れたんじゃないかと思います。(コンスタントに出ている中で、相手のスピード感にも慣れてきたという手応えも?)そうですね。試合に出る回数が増える中で練習もそうですけど、背後のケアとか、課題をもとに意識して練習しているので、今日もついていけるところも結構あったんですけど、まだついていけないところもありました。もう少し日頃の練習からやっていきたいです。

●DF山口竜弥

どんどんプレッシャーをかけてくる相手でなかなか攻め手が見つからなかった中で、自分が起点にならなきゃなて思っていたので、まず自分のところではがすとか、自分のサイドで崩さなきゃいけないという気持ちでやっていました。(川崎選手とのコンビネーションも含めて左がストロングポイントになってきている)修平(川崎)もタメを作れるし、僕もオフザボールの動きもわかってきたし、連携も高まってきたのでもう少しあげていけば、もっとチームの力になれるかなって思います。(終盤追いついたあと、ミスが出始めてもったいなかったようにみえました)そうですね。ああやってゲームの勝負所ってなった時に、若さは言い訳にならないと思うんですけど、あそこでみんなが受け身になってしまったというか、誰かがやってくれるのを待つ、みたいな。極端にいうと自分のところに来ないでほしいみたいに受け身になっちゃうからボールをロストしてしまう。失点の前のシーンでも、逃げながらボールをもらうからポジションがズレてしまって、とか…監督も言ってましたけど、技術とかっていうより、パーソナリティの部分で甘さが出ちゃったのかなって思います。そういう時にこそ、自分がもっと起点になれるようにやっていかなければいけないと思っています。

●MF芝本蓮

先制したのはすごく大きかったんですけど、1失点目食らった少し前とか少し緩んだところがあったのかなって思います。(それでも追いつくしぶとさは見えたけど終盤はミスも増えたように見えました)そうですね。焦りとか、相手がより前からプレッシャーにきたことでミスが増えてしまって、厚みのある攻撃ができなかったなと思います。(松田選手が出場停止でより若いメンバーが後ろにいた中でボランチに入って意識していたことは?)それは今週の初めから仁志さん(森下監督)がずっと「週末の試合は陸(松田)がいない」っていうことを言っていて、だからこそ迫力を出してやろうと思っていたんですけど、失点してしまったのは仕方がないとしても、そのあとにもっとボランチとして、プレスに行ったりもっと周りを助けられたんじゃないかと思います。前半は修平に出したパスとか、結構いいプレーもだせたんですけど、後半は消える時間も多くて…そういう時間でもっと存在感を出せていければよかったなって思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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