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<ガンバ大阪U-23>食野亮太郎に3試合連続ゴールが生まれるも、逆転負け。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

今年初めての万博記念競技場での一戦。U-20日本代表にも選出されたGK谷晃生が怪我から復帰後、今季初先発を飾る。今ひとつエンジンのかからない立ち上がりになったものの、前半33分に食野亮太郎が3試合連続となる先制を奪い1−0で折り返したガンバU-23。後半、ビハインドを追いかける熊本の勢いに押されて受けにまわるシーンも増える中、56分にPKで同点に追いつかれると、85分にも逆転ゴールを許し1-2。今季初の逆転負けを喫した。試合後のガンバ大阪U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

相手のロアッソ熊本さんは、これまでの相手に比べるといろんな面で一つレベルが高かったというのはありましたが、そういう相手に対して、卒なく、うまくプレーしようとするとこういう結果になってしまう。一勝に対する重みの感じ方という部分での差が出た試合だったと思います。ロアッソ熊本さんはこの試合に対して強い気持ちを持って臨んで来た中で、うちはいい形で2連勝して、点も取れて、失点も少なくてという中で臨んだ試合だったせいか、なんとかなるだろう、というか、ボールを回して、きれいに崩して、うまくやってやろうということが目立っていた。それは若さもあってかもしれませんが、それじゃあ勝てない。いま選手とも話してきたばかりですが、一人一人に話を聞いても、相手の方が走っていたとか、気持ちを感じたとか、肌を合わせて戦った選手がそう感じたということが全てだと思うし、そういう意味ではうちは全く出しきれなかった試合だと思います。これまでずっとU-23の試合に出ていた中村敬斗や高江麗央が、今週のルヴァンカップに出場して…という事実をもっとここにいる選手が発奮材料にして、というか、「自分もそこに続くんだ」という気持ちが見られるかと思ったのですが、そこはまだまだ、だなと感じました。ただ、この負けを選手個々がどう捉えるのか。人のせいにするのか、他の責任にするのか、あるいは、自分がもっとやれた、とか、もっとやっていたら結果は違ったと考えるのかで全然、この先は変わっていくんじゃないかと思います。

ー後半は特にビハインドを負っていた相手の勢いに飲まれていたように思います。

そうですね。後半は最初、入りもちょっとふわっとして、少し押し返して、チャンスも作ったけど、最後がチャンスかどうかわからないような終わり方をしていた、と。高木彰人の1:1もありましたしね。ああいうところが甘さというか。外から見ている人が「本当に点を取る気があるのか」というパフォーマンスでは話にならない。そういうところが甘さ、若さだと思いますが、これがJ3だからOKということにしていたらJ1では全く通用しないということになってしまう。そこをシビアに考えて、こうして公式戦を戦える場所を与えてもらっていることに対して、ただ勝った、負けたではなく、もっとシビアに1つ1つのプレーを考えていってもらいたいと思います。

●FW食野亮太郎

水曜日のルヴァンカップ・清水エスパルス戦に呼んでもらえたけど出場はできなかった中で悔しさはありましたが、今日のJ3リーグで気持ちを切らさずに、点を取れたのは良かった。ただ、チームが負けてしまったし、僕も今日はシュートを5本打っていると考えれば、1点では全然、足りないな。そこは反省しなきゃいけないと思っています。もっとうまくなれるように、継続してやっていきたいです。(相手に研究されて、攻撃のところも良さを消されることも多かった)点を取っていればマークがキツくなっていくのは予想していたことだし、それでもチャンスは作れていたと考えればやっぱり最後の質のところだと思います。そこが低かったから1点しか取れなかった。チームとしても、これまで積み上げて来たものが全然出せなかったという意味では今日は自滅の負けになってしまったと思うので、もう一度一からやり直しです。

●GK谷晃生

勝てなかったことが悔しいです。どんな状況であれ、どんな失点であれ。それが一番でかいです。(U-20のキャンプに行く前に復帰もできてそこに向かうにあたっては自分を示そうと思っていたはずですが)2ヶ月やっていないというところはあったんですけど、前半はビルドアップのところも含めてうまく試合に入れたというか。いい形でできていたんじゃないかなと思いましたけど、チームとしてやり方が定まらないというか。相手の勢いに押されたときに自分も少しパフォーマンスを落としてしまったな、というところがあったので、もっと高いレベルにいくことを目指せばこそ、ミスをなくすということも含めて、そのへんはもっとこだわってプレーしなければいけないし、突き詰めていかないといけないなと感じました。(後半は背後をとられたり、押し込まれるシーンが増えて自分たちの時間を作れなかった)そうですね。局面、局面でも全部相手に持っていかれていましたし、そこは、本当に気持ちでどうこうなるわけでもないというか、準備のところでポジショニングがどうだったか、とかもっとチームとして突き詰めていけるようにしなくちゃいけないし、僕も試合中に改善して行けるようなコーチングもしなきゃいけないと思いました。そういう意味では、チームとしても個人としてもまだまだ力不足だなと思いました。(明日からU-20のキャンプが始まる。最後のアピールチャンスだという思いもあると思いますが)今できることをやって、それを評価してもらえたら、と思っています。もちろん選ばれたらいいなとは思いますけど、自分はアピールするだけだと思うので。ただ今日、1つ公式戦を戦ってキャンプにいけるのは良かったです。

●FW高木彰人

後半、相手が負けていたのもあって勢いを強めてきて、それに飲まれたというか、そこを受けてしまった感じになってしまったし、それが長い時間続いて、自分たちで修正できなかった。もっと自分たちの時間を増やさなければいけなかった。相手は途中から前に強い選手も入って、クロス攻撃が増えて、パワープレーも多くなって…ああなる前に自分たちでもっとボールを保持できる展開にしなきゃいけなかったし、個人的には、相手が前から来ていた中で、しっかり前で起点を作れなかったのは反省です。こういう試合はしっかり、前の選手がファーストディフェンダーにいったり、ボールをおさめられないと、押し上げられないので。反省だらけです。(2回目のPKに繋がったハンドのシーンは…前で白井選手が空振りをしてしまって偶然的に手に当たった感じでしたが)そうですね。前で陽斗(白井)が空振りして、反応できずに…体としては全く動いていないという感じで肩のあたりに当たってしまいました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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