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<ガンバ大阪>『宮本ガンバ』の初陣は攻守に輝きを取り戻すもドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

前半戦の戦いを終えてレヴィー・クルピ監督から宮本恒靖監督にバトンが渡された中で迎えたJ1リーグ18節・鹿島アントラーズ戦。MF高宇洋がJ1初出場を飾ったり、MF米倉恒貴が中盤で起用されるなど『宮本色』を感じられる先発メンバーで臨んだ中で、前半終了間際に、鹿島に数少ないシュートチャンスを決められ失点。ビハインドを追う展開になったが、70分、米倉恒貴のクロスボールがそのままゴールに吸い込まれ1−1に追いつくと、俄然、ガンバペースに。その後も再三にわたり攻め立てたが追加点が奪えず1−1で引き分けた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

選手が、この監督が変わったタイミングでしっかりした意欲だったり、意識の高さを持って練習から取り組んでいました。それを試合の中で出すんだという決意をもって試合に入っていったと思います。実際に練習していた守備の部分はたくさんみられましたし、先にもったいないというか、惜しい失点がありましたが、そのあとも頭を下げずにしっかりと後半に入っていって、同点に追いついてからは、再三チャンスも作れていたと思うので、選手の頑張りは賞賛に値すると思いますし、これからもっともっとやっていくんだという雰囲気はロッカーにもあったと思いますので、これを続けていきたいと思っています。

ー高選手をスタメンに抜擢した理由と評価を聞かせてください。

前半戦のトップチームの戦いを見ている中で、中盤の守備というところが1つの改善点に挙げられると思っていました。彼にはその役割を期待しました。J3からその役割を与えて、しっかりとパフォーマンスを出してきたので…J1の試合は初めてでしたけど、そこに関してはやってくれるんだろうと思って出しました。そういう中で最初は緊張感もあったと思いますが、後半、時間が進む中で尻上がりに攻撃でもよくなったし守備面でもボールを掠め取る動きが出ていたと思っています。

ー試合前からすごいサポーターの熱気を、バス入場の時から感じられたと思います。今日のスタジアムの雰囲気だとか、サポーターのみなさんの思いをどのように受け取られましたか。

あれをみて奮起しない選手はいないと思います。サポーターの人も苦しい思いをしている中で、我々も勝ちたいけど、彼らサポーターに勝利を届けるんだっていうことを訴えました。本当にああいう姿を見せてくれたのは試合を戦うにあたって選手は非常に心強かったと思いますし、本当は勝利を届けたかったですけど、それに応えたいという選手の気持ちは十分に出ていた試合だったのかなと思います。

ー昨日は監督自身はJ1の指揮をとることにも特別な思いはないとおっしゃっていましたが、実際に指揮をとって感じたことがあれば教えてください。

単純に鹿島の選手のレベルの高さを肌で感じるところもありましたし、ただガンバの選手も最初はそういうところに対して受けるシーンもありましたけれど、徐々に上回っていけたところもありましたし、試合の中でどう試合が変化していくのかとか、どちらのチームが優勢になっていくのかという流れを感じながら、みながらというのは自分としては冷静にやっていたつもりです。

ー高選手のボランチの起用について、中盤の守備は鹿島に限ってのことなのか、今後の戦いのベースにしていきたいと思っているのか。

相手の性格によって選手起用は考えたいと思っていますし、そういった戦術的な落とし込みをする時間が少ないのは事実ですが、そこはやっていきたい。チームとしてしっかりとした守備が必要だということは選手にも伝えていますし、前節まで25失点していますので。そこは減らしたいというのはあるので、それは引き続き求めます。

●MF高宇洋

全く緊張はなかったです。昨日もすぐ眠れました。今日も…キックオフの時は少し緊張しましたけど、ホーム側のサポーターを見たら少し安心しました。(いつもの何十倍もサポーターがいました)初めてに近いくらいの人数でしたが…少し選手権のことを思い出していました。ただ試合の中では長所をしっかり出せば通用するということも見えた反面、課題も見えたので。(距離感もよかったですね)そうですね。ヤットさん(遠藤保仁)ともしっかり話をしながら、僕がもう少しヤットさんを楽にさせたいと言う思いもあったのですけど、やっぱり攻撃の部分とか指示をされなきゃ動けていないところとかもあったので、そこはもう少し自分が理解を深めてやっていこうと思います。(ボランチとセンターバックの関係も良くなった。そこは意識していた部分の1つだったと思いますが)そこはツネさん(宮本恒靖監督)からも守備のところは期待されていましたし、僕もこの半年間、試合に出れずに上からトップの試合を見ていた時に、自分が出ていた時をイメージしながら、ここは距離を詰める、守備を絞るといったこともイメージしていたので、練習からもできていましたし、それをピッチで発揮するだけでした。(楽しめましたか?)本当に楽しかったです。もっと試合をしたいと思いました。最後足がつったのは…初めてに近いことで…でも最後まで持ってよかったです。

●DF三浦弦太

約束事がはっきりして全員で守備ができている感じがあってすごくやりやすかった。狙いもはっきりしていて、ボランチがしっかり奪いどころで奪うこともできていた分、やりやすかったです。(3日しかなかったけど、最初の練習も守備から入りましたが、監督からはどの部分を一番強調されましたか?)DFラインは、DFライン同士の距離感というのは練習の中でも意識していたし、今日の試合でもそこは意識しながら、サイドに声をかけながらっていうことはやっていて、その距離感もよかったので、後手を踏むシーンでもしっかりカバーにいけたりとか、そういうシーンはしっかり出てきたし、いくとき、いかないときもはっきりして、自分たちがスタートを切って守備ではめにいくというシーンもいくつかできていたので、そこは守備面の変化だったのかなと思います。(今日は自信を取り戻してプレーしているように見えましたが)そうですね。みんな攻守に自信を持ってやっていましたし、アグレッシブなプレーとか、ハードワークしたプレーも今日は出ていたので、これを1試合だけではなくて続けることが大事だと思います。攻守において手応えもあったからこそ、続けることが大事だし、試合を重ねるたびによくしていけたらいいなって思います。(選手バスが到着した際には、サポーターからダービーさながらの雰囲気で迎え入れられた。それを見て感じたことは?)そうですね。僕らはもちろん勝てなくて悔しいですけど、サポーターの皆さんも悔しい思いをしているっていうのはわかっていましたし、ああいう…熱い応援もすごく力になるし、やってやろうという気持ちになりました。

●GK東口順昭

攻守において何を狙っているのか自分たちで明らかだったし、そこに対してのアプローチも今までとは明らかに違ったので、ハードワークも必要ですけど、狙いがあった分苦にならないハードワークでしたし、攻守においていいサッカーができたんじゃないかと思います。

●DFオ・ジェソク

セットプレーで失点はしましたが、守備がバラバラになったりすることはほぼなかったし、ツネさんになって時間は短かったんですけど、選手全員の目つきも変わってきたので、ここから『宮本ガンバ』でやっていくんだという気持ちは示せた試合だったと思います。(オ選手自身は、外国籍枠のこともあって使われない試合が続いていました。監督交代のタイミングで起用されたことについて応えたいという思いも強かったのではないですか?)そうですね。僕自身のためにというより、今日は監督のために勝ちたいという気持ちが強かったですし、僕だけではなく他の選手を使ってもおかしくなかったのに、使ってくださったので、その恩返しをするためにも、という気持ちもつよく、集中して試合に入りましたが、久しぶりの試合で足りない部分があったのは間違いないので。これからもしっかり練習して、チームが勝ち点を積み上げていけるように頑張りたいと思います。(勝ち点3にするために必要だったことは?)みんなで戦うこと。今日は久しぶりに…1年ぶりにみんなで戦っているなっていう気持ちを感じました。それはすごく重要なことだと思うし、今日は引き分けてチームとしては勝ち点1に終わりましたが、僕は勝ち点3以上の価値があった試合だったと思っています。

●MF倉田秋

結果が引き分けでよくはないですけど、試合の内容というか、気持ちの入り具合とか、これまで鬱憤がたまっていた分を今日の試合で出せたかなと。あとはこれに結果がついてきたらいうことはないと思います。(守備のことが整理されたのが大きかった?)そうですね。みんなの一体感というか、攻撃も守備も全員でできたので、ただ、3日で変われるならもっと前からやっておかないとアカンっていうのもあるし、まだまだ僕ら選手も強くならなくちゃいけないところもあると思うので、もっと改善できることはしていきたい。

●DF初瀬亮

チームの決まりごとも増えて…守備が良くなったというのは一番の収穫だし、攻撃でも何度かチャンスがあってそこで決めていればっていう感じでしたけど勝ち点1は大きいと思う。得点シーンも…これまでは流れが悪くてああいうヨネくん(米倉恒貴)の得点も入っていなかったと思いますけど今日はあれが入ったというのは何か流れがいい方向に向いているようにも感じています。前半が終わってからもすごいポジティブな声が出てましたし、試合が終わってからもこれを続けていこうという雰囲気になっていたのでいい方向には向いていると思います。ツネさん(宮本恒靖監督)になってからこの3日間、毎日DFラインとボランチとで連携の確認をして、ここにボールがいったらここにポジションをとるという練習は3日間ともしたので、それが出たと思いますし、もっと積み重ねていければいいと思う。失点がなければ負けることはないと思うので、今日の失点ももったいなかったですけど、何回かチャンスもあったし、サポーターの皆さんもたくさん来てくださっていい雰囲気を作ってくださったので次は勝利できるようにしたいです。

●DF米倉恒貴

(この3日間の練習ではずっと前で起用されていたんですか?)そうですね。初日からやっていました。(守備の部分で約束事が増えて落ち着いた。手応えは?)そうですね。練習から守備のところは結構やっていたので、この暑さでもつかなっていう不安はありましたけど、意外とみんなが連動すればいけるかなっていう感じはしました。(ゴールシーンは狙っていましたか?)いやクロスです。さすがに狙ったというのは恥ずかしいです(笑)。(前のポジションで起用されて結果を残せたということについては)監督が変わってまたポジション争いが激化しているので、1試合1試合の結果が大事だと思うし、自分としても全力でやるだけなので、そのベーシックな部分はできたのかなと思います。(この勝ち点1はどう見ますか?)今の自分たちに必要なのは勝ち点3だし、追いつけたのはよかったですけど、失点シーンも防げた失点だったと思うので、相手も中2日できつい中だったことを考えても勝たなければいけなかったなと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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