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<ガンバU-23>長野戦はドロー。ホームでの連勝は3で止まる。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J3リーグ第7節、ガンバ大阪U-23はホームで長野パルセイロと対戦。前半の23分に相手に先制点を許す展開の中、36分に左サイドDF山口竜弥からのパスを受けた井出遥也の放ったミドルレンジから思い切りのいいシュートがゴール右上を突き刺し、同点に追いつく。1−1で迎えた後半はやや相手の攻撃を受ける展開が続いた中で、なんとか盛り返そうという意識は見られたが、個人のミスも目立ちまた、チームとしてもパワーアップできず、今季2度目の引き分けに終わった。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖U-23監督

立ち上がりから相手のゴールに迫るシーンも多く、狙いとする立ち上がりでした。相手のDFラインの裏をつく動きや、バイタルをつく狙いもうまくいっていました。サイドの高いところでサイドバックがクロスをあげるシーンもたくさんあったんですけど、クロスの質の低さが目立って、フィニッシュまでいけないという、前半の半分くらいまででした。そのあと、先制点を奪われて、でも気落ちすることなく戦った結果、遥也(井出遥也)のゴールで追いつけました。後半もギアをあげて、パワーをアップして点を取りに行くことを考えていましたが、ちょっと守備から攻撃に出る瞬間のミスだったり、個々のコンディションとしてもあまり高くない選手もいたり、最後までいき切るパワーがなくて、逆に相手にたくさんチャンスを作られた後半だったと思います。ホームでは全部勝ちに行くといっていた中で、試合に入っているので、結果に対しては不満が残りますし、後半ということについても、もっと良くしていかないといけないなと思っています。

ー昨年に比べてシーズンスタートとしてアウェイでは勝てていないとはいえ、総合的にはまずまずの戦いをしていらっしゃいます。メンバーは違うとは言え、昨年とのチームの違いはどこにあると思いますか? またなかなかトップチームの調子が上がらない中、若手はチャンスだという意識もあるかと思いますが、その点で何か監督から伝えていることがあれば教えてください。

2つ目の質問からですが、チャンスをつかんだ食野にしても、たくさんJ3で点を取ることで上に引っ張られている、出場チャンスをもらっているという状況がありますし、もしくは芝本連や松田陸がすっとメンバーに入っているのを見ていると若い選手はすごく刺激をうけていると思います。選手にとってもJ3の舞台があるので公式戦でしっかりパフォーマンスを出していくといういいサイクルにあると思います。去年との違いでいうと、普段からトップチームの選手と練習をすることで、単純に対人プレーで鍛えられるところもあるでしょうし、スピード感だったり、駆け引きのところもいい環境でやれていることもあると思います。また、もちろん去年からの成長もあり、それが試合の中で発揮できて試合に勝ち、自信につながっているところもあると思っています。

ー芝本選手をセンターボランチに起用した狙いを教えてください。

なかなか彼は出場機会がない中でトップチームに絡んでいるっていう現状を考えた時に、現状のパフォーマンスを出して欲しいということで起用しました。

●MF妹尾直哉

(1ヶ月ぶりの復帰戦でした。45分は最初から決まっていたのですか?)遥也くん(井出遥也)が45分というのは聞いていましたけど、誰が代わって入るかはわからなかったです。ただ、せっかくチャンスもらえたのに、ミスが多かったですし、全然ゲームに入れていなかったので、これからもっと練習で判断とか研ぎ澄ませていかないとなって思います。(前半は悪くない戦いだった中で後半は相手にペースを握られた。)相手も大きな選手を入れてきて、戦い方を変えてきたのもあると思うんですけど、僕は遥也くんみたいにゲームを作って、っていうタイプではないので。ちょっとサイドに張って仕掛けようっていう自分のスタイルというか…それは状況に応じて変えないといけないものではあるし、ツネさん(宮本恒靖U-23監督)からも、前向いてボールをもらって、仕掛ける状態を作れと言われていたので、うまくボールが入ってきたらそういうプレーも意識していました。ただ、結果的にボールもあまり入ってこなかったので。そこはチームとして、個々の選手と話し合ったり、試合の中でそういう回数を増やした方がいいと思いました。(J3では50試合目でした)ある意味ミスも多かったし忘れられない試合になりました。そこは切り替えてやるしかないので、映像なども見ながらしっかり反省したいと思います。

●DF野田裕喜

(最初の失点について)クリアしようと思ったら中途半端に…ボールに行けなかったです。チームとしては前半は押し込めて、やりやすかったんですけど、後半相手のシンプルな攻撃に押しこまれて、自分たちもどこでボールを持って、とかっていうのがなくてズルズル45分いってしまった感じだった。もうすこし奪ったあとを大事に行ければもっといいゲームができたと思います。(個人的なところでコンスタントに出れていないという意味では試合勘というところで最初は少し気後れもありましたか?)そうですね。やっぱりホームで、久しぶりにスタメンで出て、あまり自分的には良くなかったなと思いました。特に入りが…一か八かの縦パスが逆効果になっているのを感じたので、後半は押し込まれましたけど、前半の反省を踏まえて自分らしさは出たのかなとは思います。(気迫も感じられました)1:1とかもありましたけど、やられなかったのはこれまでとは違うところかなとは思いますが、自分たちがしっかり守る分、どうやって攻めるかとか、どうやって自分の時間に持っていくかは課題かなって思います。

●MF井出遥也

(ゴールシーンについて)練習でずっとあそこの位置から狙うことは続けていた。試合に出る中で自分が出たJ1リーグの中で今季のレイソル戦やFC東京戦でも似たようなシーンがあったので今日はしっかり打てて決められてよかったです。(コンディション的には厳しい中での試合だったと思いますが)結構体としてはキツかったけど半分って決まっていたし、オーバーエイジで出場しているっていうからにはしっかり結果を残さなければいけないと思っていたし、J1で試合に出るためにしっかりアピールしたいなと思っていました。そういう意味では結果を残せてよかったです。(普段からあのレンジから狙うというのは監督に求められて?)個人的には左からカットインして、っていうところで、シュートの遠さというか、あのくらいからは打てるようになりたいと思っていたし、シュートっていうところはクルピが言っているところなので、そこは常に意識しているという意味では打ててよかったです。

●MF芝本蓮

(U-23では2度目の先発でした。どんなところを意識して試合に入りましたか?)出るからには結果を残さないといけないと思って臨みました。ただこれといった活躍ができなくて悔しいです。(前半から流れは悪くなかった中で勝ち切るという部分で足りなかったことは?)前半は流れがよくて連動性も前半はあったけど、後半は連動性がなくて、パスコースもなかったりしたので、そこが押し込めなかった理由かなって思います。(アウェイから帰ってきてすぐの試合で疲れは?)そこは大丈夫でした。感じる年齢ではないので。それよりも試合に出ていないので、ピッチに立ちたいという気持ちの方が強かったです。(高江選手、高選手のボランチ争いに食い込んでいくために必要なことは?)ヤンくん(高宇洋)、麗央くん(高江麗央)は守備面での貢献と運動量で、二人のボランチの存在で試合が引き締まったりしているのでそういうところは僕も意識していかなきゃいけないなって思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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