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<ガンバ大阪>ホームでのサガン鳥栖戦を完封勝利で征し、首位に浮上。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

市立吹田サッカースタジアムで行われたJ1リーグ12節のサガン鳥栖戦は、FW長沢駿のゴールで先制したガンバ大阪が、37 分にMF倉田秋の追加点を奪い、2点リードで折り返す。後半は前がかりになった鳥栖に攻め込まれた時間帯もあったものの、現時点での今季J1最少失点を数える守備陣が踏ん張ると、試合終了間際には、FW長沢がだめ押し点を奪って試合を決め、今季初めて首位の座に躍り出た。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

タフな試合になると選手たちにも話をして、そういうタフなゲームになった中で、どちらが、きっちりと決めて、守れるかという展開でしたが、しっかりゴールをとって、勝ち切ったのは非常に大きな勝利だったと思っています。なかなかホームですっきりと勝つ試合が数多くできていないのですが、今日見に来てくれたサポーターのためにもホームで勝ちたいという思いが我々も選手も強かったので、そういう意味では見に来てくれた人たちにゴールと勝利をプレゼントできたのは非常に良かったと思っています。また次の試合に向けて体をしっかり休めてまたしっかり準備をしていきたいと思っています。

ーFW陣に得点が戻ってこれば、と話されていました。長沢選手に得点が生まれたのは大きかったと思いますが。

今回中5日という日程で非常にフレッシュな状態の中で試合をやれたと。そういう意味では最後のところにパワーが残って居たんじゃないかと思います。また今日は呉屋がベンチに入って、今日はボールを触りませんでしたがピッチに立ったり、パトリックが戻って来たり、ケガ人が戻って来てさらなる競争の中でFW陣が攻撃を牽引してくれればまた勢いが出てくると思いますので今後も彼らの活躍に期待したいと思っています。

ー1点目、三浦選手がオーバーラップして攻撃参加が見られた、そのことについてどう感じていらっしゃるのか。また、今季初めて首位にたった感想を聞かせてください。

DFの攻撃参加に関しては非常にいいタイミングで上がったと思いますし、逆に今日、鳥栖の方が4−3−2−1という形でボランチのところに2人つけて、センターバックが比較的フリーになりやすいマッチアップだったので、ああいう形で攻撃参加を…あそこまで行けとは全く言っていないんですが、ああいう形が鳥栖にとって非常にミスマッチを生む形になったんじゃないかと思います。引き続きチャンスがあればいいタイミングでインターセプトなりをして、攻撃参加のところではファビオにしても三浦にしてもそういう持ち味は持っている選手なので、またチャンスがあればどんどん攻撃に絡んでいってくれればいいんじゃないかと思っています。あと首位に立ったことについては、順位はずっと関係ないと話してきましたので。もちろん一番上にいることはいいことだと思いますが、まだ3分の1やっと終わった段階なので引き続き、1試合1試合全力で戦っていきたいと思っています。

ー今日浦和が引き分けて、勝てば首位にあがることが決まっていた中で試合を迎えましたが、何か選手に意識させたことはありますか。

いや、特に今回は何も言っていないです。選手たちも当然わかっていると思いますし、前回、清水戦で同じような状況で勝ちきれなかったので今回は、という気持ちが選手も強かったんじゃないかと思います。

●MF倉田秋

(足は大丈夫ですか?)多分大丈夫です。(得点のところを振り返ると、ニアに長沢選手が、中央に赤崎選手がいました)前に二人が入ってくれたからスルーという言葉を聞いてくれて、よくスルーしてくれたなと思います。ミートだけを考えて振ったらいいと思って蹴りました。試合の展開としては、前半からアグレッシブにいこうと話していて、だいぶみんな前からアグレッシブにいっていたので、後半少し押し込まれる時間帯もあったけど後ろがしっかり頑張って耐えてくれたので、ほんまに今日はチームで勝った勝利だったと思います。(試合前に浦和の結果が出ていた。そのことは意識していましたか?)全然、意識してなかったです(笑)。終わって首位って聞いて首位なんや、っていう程度で…あまり…首位に立つことも大事だけど、最後に立っていることが大事だしそうじゃないと意味がないので。今はACLも悔しい思いをした中で1試合1試合、大事に戦っていますし、少し間があきますけどいいリフレッシュをしてまた全員で戦っていきたいです。(25日には代表発表もありますが)それは入りたいですけど、選ぶのは向こう側なので僕はわからないです。いまガンバでいい調子でできているので、呼ばれても呼ばれなくてもこのまましっかりやっていきたい。

●FW呉屋大翔

結構…無理して使ってもらったと思うし、監督の気持ちを感じていたので、ありがたいと思っています。アディショナルタイムでの交代で、むしろ出られないんじゃないかって思っていたんですけど(笑)、出れたのは良かったです。トレーナーとかドクターとか、いろんな人のサポートがあってこそ。そういう人たちがいたからあの時間でかろうじてでも出れたのかなと思います。(久しぶりのピッチに立って感じたこと?)やっぱりピッチに立てば、こみあがってくるものがあるのかなと思っていたんですけど、ボールも触っていないし(笑)プレーもしていないので、それよりはサポーターの方がアップの時に結構でかい声でコールしてくれて、それに感じるものがあって、そういう意味では今日もですけど、もう少し長い時間プレーして、自分なりに結果を残せれば良かったですけど、そういう方たちの気持ちを受け取れたのは良かったです。(しばらく中断に入る中で、中断前最後の試合にピッチに立てたことは再開後の試合に向けても意味があると思いますが)本当に意味があることだと思うし、次にこれをどう生かすも、殺すも自分次第。本当にここに出してくれたのはドクターとか、トレーナーたちのおかげなので、ここからは自分でしっかり戦って、次の試合ではより多くの時間をもらえるようにがんばっていきたいと思います。ゴールを奪って恩返しをしたいです。

●FW長沢駿

得点以外のところはミスも多くて…点を取れたことだけはよかったなと。前半の最初の頃は結構相手がハメてきて難しいかなと思っていたんですが、(倉田)秋が気を利かせてくれて、一人でかわせる力も捌ける力もあるのでかなり助かりました。秋もいい時間帯で点も取れて、秋自身ものっているところなので…本当に前半はいい感じで得点を重ねられたと思います。(長沢選手個人というだけではなく、チームのために2点を取れた)でももっとコンスタントに点を取りたいというか。固めどりが多いので、次が一番大事かなと思います。今日は勝って終わりましたが、まだまだ修正点もありますし、まだまだ満足していないですし、またクロスからの得点なので、もっともっといい形を増やして、違う形でも点を取りたいです。(三浦選手のアシストのボールについて)弦太は結構、キックの精度というか、清水時代もサイドバックをしていたので信じて中に入りました。弦太もいいボールを僕をめがけて入れてくれたので良かった。相手の前で触ろうと思っていたので、わざと入らないようにしていて、きた瞬間に入ることを心がけたらドンピシャのボールが来ました。(クロスからの得点も武器ですが、違う形でも取りたいと?)はい。後半秋からスルーパスが出た時も自分が受けたいところと出たところが違って、そこで違ってもゴールに運べたり、決めきれるようになればもっと得点は取れるはずですし、パターンも増えると思うので。一人背負ってでもゴリゴリいくとか、そういうプレーはもっと増やしたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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