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<ガンバ大阪>ホームでの清水エスパルス戦は1−1の引き分け。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

前日に行われた『浦和レッズVS鹿島アントラーズ』戦で首位の浦和が敗れていたことから、勝てば、今季初の『首位』どりも可能だったJ1リーグ10節の清水エスパルス戦。ガンバ大阪は序盤から清水の堅守に苦しめられ、攻撃のリズムが出ない。後半、立ち上がりに先制を許し、ビハインドを追いかける展開の中、MF遠藤保仁を投入直後の57分にMF倉田秋がゴールを決めて同点に。だが、以降は清水の堅守を崩すには至らず1−1で引き分けた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

ホーム戦で、たくさんのお客さんがきてくれた中で勝利をプレゼントしたかったというのが終わった直後の感想です。清水も非常に戦っていて、前半の最初は何度か、サイドからかいい形でチャンスを作れたのですが、だんだん向こうもうちの攻撃に慣れてきたところもあって、なかなか強固なブロックを崩せなかった。そんな中で、時間の経過とともに先制点を取られて、より苦しくなりました。そのあと、GK東口のビッグセーブで2点目を取らせなかったのは大きかったし、非常に難しい展開の中で遠藤を入れたことによって、非常にゲームが落ち着いた展開になったのかな、と。そういう中で同点弾が生まれて、自分たちがボールを握る展開が続いた。タフなコンディションで、終盤はどちらが点を取ってもおかしくない展開になりましたが、勝負をかけられるような展開には持ち込めたんじゃないかと思っています。こういうクロスゲームの中で勝ち点3がとれれば言うことはなかったですが、勝ち点1をしっかり積み上げることができたので、切り替えて、また中3日でACLもありますし、そのあと帰ってきてすぐに北海道でコンサドーレ札幌との試合がありますから、9連戦の残り2試合を全員で戦っていきたいと思います。

ー倉田選手を1つ前にあげてから良さが出ました。1点を追いかける展開の中で遠藤選手を起用するために彼をあげたのか、あるいは、倉田選手をあげるということに重点を置かれたのか。

どちらもです。前半は前線でなかなか動きがなかったので…アデミウソンも単発ではいいプレーをしましたがまだ怪我から復帰して間もないところで連続してプレーできない、と。そういうところで倉田を1列あげれば、彼はそういうプレーが可能なので。実際、遠藤と倉田と井手口のところで非常にいいテンポを作ってくれましたし、展開としては狙い通りの展開になったと思っています。秋もよくああいうチャンスを決めてくれたと思っています。

ー遠藤選手は3試合スタメンで外されていて今日は途中出場になりました。遠藤選手の起用についての考え方を教えてください。

状態のいい選手を使うというだけです。今日は展開的に遠藤が必要だと思いました。

ーデイゲームで暑さもあり、コンディションが大変だったせいか、少し状態が落ちているように見えました。監督としては勝ち点1が取れてよかったという試合なのか、勝ち点3に届かなかったと感じていらっしゃるのか。

もちろん勝ち点3を目指して戦ったのは間違いないです。暑くて、タイトな日程の中で疲労している選手はコンディションの波もあると思いますが、そういう言い訳をせずにここまでずっと戦ってきましたから。勝ち点3をとれなかったのは非常に残念ですし、最後残り1枚のカードをきる際も…今日は最後、藤春もだいぶ疲れていて…ここ数試合ずっとフルでで続けている影響もあったかと思いますが、それによって米倉を使えたのもよかったです。もちろん勝ち点3が欲しい試合でしたが、ゼロで終わるより1を取れた方が良かったですし、これからも勝ち点3を目指して戦っていくことに変わりはないです。

●DF三浦弦太

清水がしっかりと守備のブロックを作って引いてきて、その中でカウンターを狙ってきていた。失点のシーンはもったいなかったですし、それ以外にも何回かピンチはあったのでそういった部分はなくして、しっかりと相手にシュートを打たせない守備をやっていかないといけない。攻撃面でも、ああいう形で引いた相手に対してもしっかりと得点をとれる形を作っていけたらいいかなと思います。(前節に比べて少しお互いの距離感が遠いように感じました。後ろから見ていていかがでしたか)そうですね。このあいだの試合に比べると距離感は少し遠かったし、前節に限らず調子がいい時の試合というのは、お互いの距離感がもう少し良くて、ワンタッチでボールが動いていたので、そのあたりは見直せたらとは思います。(古巣戦について)なんか違和感はありましたし、でも成長した姿をみせられたかなと思います。

●MF藤本淳吾

少し前半からボールに足がつかない感じもあり、相手もきっちりブロックを組んできたところでどう崩すかっていう部分で、一人一人の距離がやや遠くて、そこもリズムが出なかった。ここ最近は、FW2枚が横並びではなくて縦の関係になっていたから、お互いの距離感もよく、ボールもポンポンと動いた感じもしたけど、今日は2トップになっていた中でそのへんのバランスがうまくとれていなかった。自分も試合の中でもっと修正できたら良かったです。ただ、清水も今日は思った以上に良かったので。途中から中もあくだろうと思っていたけど、結局後半もほとんど開かなかったし、そういう意味ではなんとか追いつけて良かったけど、でもホーム戦ですからね。それでも力づくで勝ち点3を取らなきゃいけないゲームだったという反省は残りました。

●FW長沢駿

(あのボレーは決めたかったですね)そうですね。ボールも良かったし当てた感じも完璧っていうか、思った通りにあてられたので。そういうところですね。あれが入っていたら試合も変わっていたと思うので悔しいです。(アデミウソンとの2トップについて)もう少し距離感がよければなと思いながらやっていたんですが、でも相手もしっかり中を占めていたので…後半になったらあいてくるだろうなっていう話はしていて、少し後半になって余裕を持ってボールを回せるようになり、ゴールも生まれましたが、もうちょっと、アデとの関係を良くしたいというか…できていないことはないけどもっとやれたと思うし、僕ももっとクロスを要求したら良かったなと。かなりマークはついていましたけど、清水の二見選手の方はそんなに身長もなかったので、ミスマッチがあったので。ああいうところで、もう少し要求していきたかったし、もっと怖いというか点を取れる位置にいなくちゃいけなかった。(清水サポーターからはブーイングではなく拍手を贈られていました)去年の天皇杯の時はそうだったので…でもせっかく今日はいいタイミングで先発できたので、だからこそ勝ちたかったし、点を取って成長している姿というか、頑張っている姿をみせたかった。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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