天皇賞(春)の傾向とポイント 1番人気タイトルホルダーは鉄板?! ステイゴールドの孫、7歳で開花か
1番人気は単勝1倍台のタイトルホルダー
30日、京都競馬場で第167回天皇賞(春)(GⅠ・芝3000m)が行われる。リニュアルオープンした京都競馬場での初のGIレース。前日の単勝1番人気は史上6頭目の連覇を狙うタイトルホルダーで1.6倍。当日正午現在も1.7倍と安定して1頭抜けた人気を集めている。
タイトルホルダーは昨年の覇者であり、長距離実績、前哨戦である日経賞を勝ってから本番に向かうという順調さ、鞍上は乗りなれた横山和生騎手、と1番人気にふさわしく文句をつけるところがない。
横山和生騎手は横山典弘騎手の長男だが、かつて長距離の天皇賞を勝つことに心血を注いだメジロ牧場の主戦騎手だった横山富雄元騎手の初孫でもある。故に、横山家にとっても天皇賞はとても大切なレースだと、富雄騎手、典弘騎手から聞いている。
スピード競馬の時代の中での長距離GⅠということもあり、天皇賞(春)は上位人気馬は比較的安定して上位に食い込む傾向がある。
タイトルホルダーを外せばオッズは跳ね上がるが、圧倒的な安定感を考えるとこの馬を軸から外すのは考えにくい。過去の天皇賞(春)は軸馬安定、からの紐荒れの傾向もあるので、ここはタイトルホルダーには逆らわずにいきたい。
■2022年天皇賞(春)(GⅠ) 優勝馬 タイトルホルダー
連下で人気を集めるボルドグフーシュ
2番人気は前哨戦である阪神大賞典を制したジャスティンパレスで前日の5.7倍から4.8倍へと人気度を上げている。
■2023年阪神大賞典(GⅡ) 優勝馬 ジャスティンパレス
3番人気と4番人気は2022年の菊花賞を勝ったアスクビクターモアと2022年の菊花賞、有馬記念、2023年の阪神大賞典を3戦連続2着と惜しい競馬が続くボルドグフーシュが拮抗。前日の単勝オッズではボルドグフーシュ7.9倍、アスクビクターモアが8.1倍の順だったが当日正午はアスクビクターモア7.2倍、ボルドグフーシュ8.1倍と逆転している。この3番人気と4番人気の2頭はいつ順序が入れ替わっても不思議ない状況で、複勝に至ってはボルドグフーシュのほうが売れている。馬単もタイトルホルダーからボルドグフーシュへの組み合わせである3-13が7.1倍の2番人気(当日正午現在)だ。
■2022年菊花賞(GⅠ) 優勝馬アスクビクターモア、2着ボルドグフーシュ
筆者の推しは7歳が一番結果を出せたステゴの孫シルヴァーソニック
先にも書いた通り、天皇賞(春)は比較的堅いGⅠであり、ヒモに人気薄がやってきて小波乱になる傾向がある。
そこで筆者が推すのはシルヴァーソニック。単勝人気は当日正午現在では5番人気の18.3倍で、19.8倍の6番人気のディープボンドと拮抗している。
シルヴァーソニックは昨年の天皇賞(春)はスタート直後にジョッキーが落馬してしまったが、馬は完走し空馬のままタイトルホルダーに続き2番目にゴール板を通過した。今年はまず無事に人馬一体で完走し、無念を晴らしてほしいし、勝ち負けを感じさせるくらい状態もいい。
父が厩舎ゆかりのオルフェーヴル。つまり、父の父はステイゴールド、父の母の父がメジロマックイーン。さらに母の父がトニービンというスタミナ血統。
父のオルフェーヴルは稀代のクセ馬だったが、その遺伝子はステイゴールドから受け継がれたものだろう。ステイゴールドは管理する池江泰郎調教師を「調子がいいと思うと負け、今日はどうかな?と思うと勝つ」と悩ませるほどの気まぐれさが
あったが、戦績を振り返ればラストランである7歳の香港ヴァースで念願のGI勝ちを果たした。シルヴァーソニックも今年で7歳。一般的には老け込む年齢だが、この血にそれは通用しない。昨年暮れのステイヤーズS(GⅡ)に続き、前走サウジのレッドシーターフ(G3)も優勝。タイトルホルダーは強敵だが、アッ!と言わせるだけの底力をこの1年間で育んできた。
リニュアルオープンした京都競馬場での初GⅠ、ドラマが繰り広げられるのか、楽しみだ。
■2023年 レッドシーターフハンデ(G3) 優勝馬 シルヴァーソニック