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日本ダービーのみどころ どの馬が勝っても不思議ない混戦 武豊騎手が狙うJRA史上初の50代制覇

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
日本ダービー (G1) シャフリヤールが優勝 写真:東京スポーツ/アフロ

前日オッズ1桁台は4頭 7522頭の頂点に立つのは?

 29日、東京競馬場で日本ダービー(GI)が行われる。出走は18頭。同世代7522頭の頂点に立つのはどの馬か?

 JRAが発表した前日オッズをおさらいすると、1番人気・ダノンベルーガが3.7倍、2番人気・ドウデュースが3.8倍、3番人気・イクイノックスが4.3倍とこの3頭が僅差。最終的に入れ替わって不思議のない圏内にいる。4番人気が少し離れて皐月賞馬のジオグリフが7.0倍で単勝1桁台はここまで。5番人気のオニャンコポンが17.1倍、6番人気のプラダリアが18.2倍とこの2頭が追随する恰好となっている。

 7番人気以降は弥生賞馬のアスクビクターモアが24.6倍、8番人気がホープフルS優勝馬のキラーアビリティで32.2倍と続く。実績的には単勝20倍以降の馬が優勝しても全く驚かない。ブービー17番人気のビーアドニッシドは146.2倍だが皐月賞トライアルのスプリングS勝ち馬、最低18番人気のマテンロウレオは148.1倍だがきさらぎ賞勝ち馬で芝2000mを徹底して使われており、ワンチャンスあっても不思議ない。今年は出走ボーダーが獲得賞金2000万と高く、賞金順で最後の1枠をジャスティンロックとコマンドラインの2頭の抽選になったほどだ。選に漏れたコマンドラインは日本ダービーと同じ東京競馬場で行われたサウジアラビアロイヤルCを勝っている。日本ダービーを目指す馬たちのローテーションの多様化や使い分けが原因のひとつだ。そのくらい、どの馬が勝っても不思議ないメンバー構成となっている。

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■2022年 日本ダービー 出走馬紹介(参考レースは最下にリンクあり)

皐月賞上位4頭が日本ダービー前売単勝オッズ上位4頭に

 前日単勝オッズの上位4頭を"4強"と報じるメディアもあるが、現段階ではそこまで突出した印象は筆者は受けない。皐月賞の上位馬が順を入れ替えて人気を背負っているとみている。

 皐月賞1着 ジオグリフ   日本ダービー前売4番人気

 皐月賞2着 イクイノックス 日本ダービー前売3番人気

 皐月賞3着 ドウデュース  日本ダービー前売2番人気

 皐月賞4着 ダノンベルーガ 日本ダービー前売1番人気

■2022年皐月賞 優勝馬 ジオグリフ

 皐月賞はダノンベルーガのクビ差で5着だったアスクビクターモアが日本ダービー前日オッズで24.6倍であることを考えると、実績のわりに人気になっていないアスクビクターモアは魅力的にうつる。こういった点からも人気を気にせず好きな馬から買うことをお勧めしたい。

 ダノンベルーガとイクイノックスは日本ダービーが4戦目と出走メンバーの中でもキャリアは浅い。もう1頭、毎日杯まで3戦3勝のピースオブエイトがおり、この3頭がキャリア3戦だ。過去の日本ダービーを振り返るとキャリア4戦から6戦くらいの優勝例が多い。しかし、昨年優勝のシャフリヤールはこの3頭と同じキャリア3戦しか経験がなかった。毎日杯優勝から日本ダービーを目指したステップはピースオブエイトと同じである。

■2021年日本ダービー 優勝馬 シャフリヤール

 ドウデュース、ダノンベルーガが人気を集めている理由は、両馬とも大目標は日本ダービーであり皐月賞はステップの意味合いが強かったにも関わらず上位入着している点もあると見ている。

 筆者は調教までの状態面で著しく推せない馬はいないと感じている。むしろ敵は7万人が来場予定という当日の雰囲気に対して、有客競馬に慣れないこの世代の若駒たちがどのように対応するのか、という点。として、予報では30度を超えると言われる暑さへの対応。この2点に耐えられる馬はどれか、という視点でこのレースを考察した。

■2022年日本ダービー 調教VTR

ひょうひょうとマイペースなドウデュース タフな馬の精神力&鞍上に期待

 筆者の本命はドウデュース。性格がひじょうに落ち着いている。というか、

ひょうひょうとしており、マイペースを保つのが得意なのだ。輸送は慣れたものだし、大観衆の前でのスタンド前発走でも落ち着きを保っていられる精神力がある、とみている。

 武豊騎手は20代はスペシャルウィークとアドマイヤベガ、30代はタニノギムレットとディープインパクト、40代はキズナでこの日本ダービーを制しており、今回はJRA史上初の50代ジョッキーによるダービー制覇に挑む。

 最後に。

 今年の日本ダービーは東京競馬第11レースだ。年によっては9レース、10レースで行われるだけに、くれぐれも指定を間違えないようにご注意いただければと思う。

 では、無事に全馬完走、そして皆さまにとってよい日本ダービーになることを祈る。Good Luck!

2022年日本ダービー枠順(筆者作成)
2022年日本ダービー枠順(筆者作成)

■2022年 第89回日本ダービー 出走馬参考レース

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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