ウマ娘たちが実際に競馬場のコースを走った!
恒例となった大井競馬場でのコスプレイベント
10月9日、10日にTCK大井競馬場ですっかり恒例となったコスプレイベントが行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、競馬場への入場制限をはじめ、各種イベントの規制は多少緩和されたとはいえ、今もなお続いている。
その中でTCK大井競馬場は毎年秋冬に行われている「東京メガイルミ」のいち企画としてコスプレイベントの開催に踏み切った。コロナ禍で"密"が禁じられる中、広い大井競馬場ならば"密"を避けながらのびのびと過ごすことができる。そういった試みが話題を呼び、東京メガイルミが開催されていない時期もコスプレイベント単独で開催。回を重ねるごとに認知度も高まり、人気を集めた。
競馬場という施設の新たな活用方法を開拓し、成功をおさめた例といえるだろう。
そのコスプレイベントで、特に好評だったのは実際に競馬場の施設を使っての撮影。春の開催時には、実際にレースで使用したことがあるゲートをイベントに開放。ゲームやアニメーションで人気の「ウマ娘」のコスプレイヤーにとっては他では実現できないリアルなシチュエーション、ということで参加者の満足度も高かったようだ。
■過去記事
ウマ娘がリアルにゲートイン「ウマ娘の影響で競馬にハマってます!」大井競馬場でのコスプレ祭り
そして、今回は試験的ではあるが、実際に馬場を開放するというチャレンジに出た。この企画、実はかなり大変なことなのだ。
馬場は本来、馬が走るためのものだ。競馬場の本来の主役である競走馬に影響は絶対に出てはいけない。なので、競走馬が走る以外の目的で使用したあと、異物が落ちていないかなどを入念にチェックするそうで、そのために係る労力等は相当大きなものなのだ。
そういったリスクを承知の上で馬場開放に踏み切った。ことなかれ主義が優先されれば、いちイベントで馬場を開放などしなかっただろう。
「少しでも来場者の皆さんに喜んでいただき、その方々が競馬に親しんでくれたら」という考えで斬新な企画に取り組むTCK大井競馬場さんに敬服する。
■実際にゲートを走るウマ娘 筆者作成
大井競馬にちなんだコスプレに徹するコスプレイヤーさんも
実際に参加するコスプレイヤーの方々の熱意もすごい。
今回の撮影にも参加しているエレスチャルさんはイナリワンを模したコスプレを楽しんでいた。今後も"大井しばり"での参加を考えているそうで
「アジュディミツオーがウマ娘に実装されないか、期待しているんです!」
と、嬉しそうに話していた。船橋の名門・川島厩舎が育て大井競馬場で行われる東京大賞典を連覇し、地方競馬所属馬ではじめてドバイワールドカップに出走した名馬の名をまさかコスプレイベントで聞くとは思わず、嬉しくなった。
前回のコスプレイベントでも感じたことが、ウマ娘たちは実に勤勉だ。そして、ウマ娘をきっかけにして実際の競馬を始めたり、いままで以上に競馬を好きになったりしているという声をよく聞く。
競馬の楽しみ方は多種多様だが、こういった新たな入口が定着してきたのは喜ばしい限りだ。
実際に秋から使用される左回りのゴール板
今回、コスプレイヤーの皆さんには馬場に設置されたゴール板に向かって左回り(コーナーは走ってはいないが…)で走ってもらった。
その際、ゴールとして目指したのは実際に秋から使用されるゴール板である。
TCK大井競馬場は開場70周年事業の目玉として左回りの導入を発表していたが、2021年秋より実際に施行される予定となっている。
ダートの本場といわれるアメリカでは、主なGIは左回りで開催されており、JRAで行われているフェブラリーS(東京)とチャンピオンズカップ(中京)も左回りであることから、左回りの導入が決定した。
現行の右回りコースも続けて利用されるため、世界的にも珍しい左右両回りの競馬場となる。
TCK大井競馬場のチャレンジはまだまだ続く。