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有馬記念にオジュウチョウサン出走権利確保、マカヒキなど出走予定馬たちの動き

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2016年の有馬記念 優勝は2018年有馬を最後に引退するサトノダイヤモンド(写真:中原義史/アフロ)

有馬記念ファン投票の最終結果発表!話題のオジュウチョウサンは10万票を確保し出走権利確定

 12月23日に行われる第63回有馬記念(GI)に向け、2週前となった今週はいろいろと具体的な動きがみられた。

 まず、ファン投票の最終結果が発表された。第1位はレイデオロ(牡4、藤沢和雄厩舎)で110,293票。第2位はアーモンドアイ(牝3、国枝栄厩舎)で105,561票。第3位はオジュウチョウサンで100,382票だった。

 続く89,456票で第4位に支持されたスワ―ヴリチャードは有馬記念を視野に入れていたが、このたび回避が明らかになった。目標を切り替えて、来春は中山記念から始動しドバイ遠征を目指すことになる。また、牝馬モズカッチャンはミルコ・デムーロ騎手を確保している点も注目したい。

 なお、先週オジュウチョウサンのジョッキーは武豊騎手に決定したが、12月5日の香港競馬で騎乗停止処分となった。しかし、騎乗停止の実行日は12月26日から29日までとされたため、有馬記念には騎乗できる。

 12月8日現在、有馬記念の出走予定馬は以下のとおりだ。フルゲートは16頭。ただし、今後変更の可能性もあるのでその点はご理解いただきたい。明日9日午後に有馬記念の第1回出馬登録が行われるため、その時点である程度、出走馬が判明する。なお、ジョッキーの想定については、馬主サイド、および厩舎サイドからの正式発表があったもののみ記載している。

※9日に第1回特別登録が行われたので馬名を追記・修正した。登録馬は19頭だった。

ファン投票上位順

レイデオロ(1位) 57 クリストフ・ルメール

オジュウチョウサン(3位) 57 武豊

サトノダイヤモンド(5位) 57 ブレイトン・アヴドゥラ

キセキ(6位) 57 川田

ミッキーロケット(8位) 57 ※出否は来週以降に決定

シュヴァルグラン(9位) 57 ヒュー・ボウマン

マカヒキ(12位) 57 未定

モズカッチャン(14位) 55 ミルコ・デムーロ

クリンチャー(18位) 57 福永

ブラストワンピース(19位) 55 池添

以下、賞金順

スマートレイアー 55 

サウンズオブアース 57 藤岡佑

パフォーマプロミス 57 クリスチャン・デムーロ

リッジマン 57 ※出否未定

サクラアンプルール 57 未定

ミッキースワロー 57 ※視野に入れ調整中

以下、除外対象

ハッピーグリン 55 未定 

プラチナムバレット 57 ※出否未定 

ベイビーステップ 57

 

※1 ハッピーグリンは地方競馬の所属馬。平成7年より指定交流競走となり、一定の条件を満たした地方競馬所属馬も有馬記念に出走できる。

※2 スマートレイアーが登録したため、賞金順ではミッキースワローまでが出走できる見込みとなった。

驚異的なレコードを記録したジャパンカップを走ったシュヴァルグランに新たなる能力が引き出される予感が

 この中で今週目を引いたのはマカヒキ(牡5、栗東・友道康夫厩舎)だ。天皇賞(秋)のあとジャパンカップを視野に入れて調整してきたが、天皇賞(秋)の疲れを取り切れなかったためジャパンカップ出走を見送っていた。しかし、明らかに復調しているように見受けられるのだ。今週は2週前追い切りが行われたが余力残しではなくキッチリと追われていた。

「天皇賞(秋)の疲れを抜くことに時間をかけた分、1回馬が緩んだところもあったので刺激を与えるという意味でしっかり追い切りました。幸いこれがいい刺激になったのて、次の段階に進めるのではないかと思います。」(大江助手)

 同厩舎のシュヴァルグラン(牡6)はジャパンカップからの続戦となるため、2週前の調整は軽めにとどめられた。

「ジャパンカップはよく走りましたよね。疲れもなく心身ともにフレッシュな状態。思った以上にダメージはないですね。」(大江助手)

 驚異的なレコードタイムを記録したレースの直後ということで疲労も懸念されるが、陣営はそれ以上にある効果が期待していた。

「これまで経験したことのない時計で走ったので、ここから何か引き出されるものがあるかもしれない。そういうような雰囲気を乗っていて感じますね。これからレースに向けて調教を進めていくうちに何かがハッキリしてくるかもしれません。来週以降が楽しみです。」

 なお、シュヴァルグランは年内引退の予定を撤回し、来年も続戦する。この経緯は、佐々木主浩オーナーによれば「友道先生のほうから『来年も走らせたいんです』ともちかけられました」とのことだった。

シュヴァルグラン近影 筆者撮影
シュヴァルグラン近影 筆者撮影

オジュウチョウサンの長山オーナー「掲示板…いや、トップを目指したいね。」

 注目のオジュウチョウサンは最終的に大台の10万票もの票数を得ることができた。これには馬主である株式会社チョウサンの代表取締役である長山尚義オーナーも感激ひとしおであった。

「本当にありがたい。こんなにも投票してもらえるとは、本当にファンの皆さんのおかげですね。」

 先述のとおり、有馬記念は騎乗OKとなった武豊騎手を鞍上に確保している。2週前は障害時代の主戦騎手である石神深一騎手を背に併せ馬で追い切られた。ここまで調整は至極順調だ。

 オジュウチョウサンは障害界では絶対的な王者となったが、"平地GIの有馬記念に武豊騎手騎乗で出走させたい"とオーナーサイドは願った。そのため、オジュウチョウサン陣営はこの春に中山グランドジャンプを勝ったあとはその目標を叶えるべく、まずは平地戦での1勝を確保。続いて、1000万下の南武特別に出走させた。

 オジュウチョウサンは平地重賞も未経験だけに、これまでより一気にレースレベルのハードルが高くなった。オジュウチョウサンはこちらのハードルも無事クリアできるだろうか?

 長山オーナーのオジュウチョウサンに対する気持ちは全く揺るがない。

「出走するからには掲示板…いや、トップを目指したいね。」

オジュウチョウサン 南武特別ゴール前(提供:柴谷記好)
オジュウチョウサン 南武特別ゴール前(提供:柴谷記好)
ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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