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米空母ロナルド・レーガン、横須賀基地を出港 7度の延期後8度目の正直

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
米海軍原子力空母ロナルド・レーガン(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

横須賀港からの出港延期を繰り返してきた米海軍横須賀基地(横須賀市)を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンが29日午前、出港した。横須賀市国際交流・基地政策課が確認した。

横須賀市の報道発表によると、今回の出港の乗組員数は2953人。前日28日に外務省からロナルド・レーガンが29日午前10時に出港するとの事前通報があった。

出港は9月18日以降、次々と延期されてきた。横須賀市国際交流・基地政策課によると、出港予定日は次のようになっていた。

①9月18日午前10時20分ごろ(延期)

②9月19日午前10時20分ごろ(延期)

③9月20日午前8時ごろ(延期)

④9月20日午前12時ごろ(延期)

⑤9月21日午前8時ごろ(延期)

⑥9月25日午前10時ごろ(延期)

⑦9月28日午前10時ごろ(延期)

⑧9月29日午前10時ごろ(出港確認)

これまでの出港延期の理由について、米海軍から外務省を通じての横須賀市への説明はなかった。米海軍横須賀基地の広報担当者は筆者の取材に対し、「(ロナルド・レーガンの)個別具体的なオペレーションについては答えられない。運用についてはお答えできない」と述べた。

米海軍横須賀基地の事情に詳しい関係者は、これまでの出港延期の原因として艦内に真水を供給する造水装置につながる配管が破裂した可能性があるとの見方を示していた。今回の出港は艦内設備の不具合が修復したためとみられる。この関係者は「自力航行出来るようなので、やはり蒸気タービンには影響はないようだ」と指摘した。

(関連記事:米空母ロナルド・レーガン、異例の7度目の横須賀基地出港延期 艦内設備の不具合が原因か

ロナルド・レーガンの前回の横須賀からの出港は5月23日、そして、8月25日に横須賀へ帰港していた。米軍準機関紙の星条旗新聞は9月25日付の記事で、今回の帰港が通常6カ月にわたる海上パトロールの中間点での恒例の休憩の一環として横須賀に戻ったと伝えていた。

ロナルド・レーガンは通常、11月下旬あるいは12月上旬に哨戒航行(パトロール)を終了する。来年には定期メンテナンスのために米ワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍造船所に移る予定だ。このため、今回がおそらくロナルド・レーガンにとって日本からの最後の哨戒航行となるだろう。

その代わりとなるのは同じニミッツ級空母のUSSジョージ・ワシントンだ。同空母はバージニア州ニューポートニューズ造船所で、想定寿命50年の中間期に1度ドック入りするRCOHと呼ばれる核燃料補給とメンテナンスを終えようとしている。同空母のRCOHは当初4年間の予定で2017年8月に始まったが、新型コロナウイルス禍などの影響を受け、大幅に遅れた。

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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