「台風10号で家が壊れた」投稿はなぜ危険か、個人情報流出で犯罪被害に巻き込まれないSNS投稿のコツ

(提供:アフロイメージマート)

6日から7日にかけて、大型台風台風10号が九州地方に接近、九州7県180万人に避難指示が出された。大風で家屋が崩壊したり、怪我をされた方、避難所に避難した方もいる。被災された皆さんにはお見舞い申し上げたい。

災害時に情報を取得したり、親しい人たちに安否を伝えたりする際に、SNSは役に立つ。一方、投稿によっては思わぬトラブルに巻き込まれることがある。なぜどのように危険なのか。どのような点に注意して投稿すればいいのだろうか。

大規模災害時ほど増えるSNS投稿

「家の窓をこのように対策をした」と、飛散防止に養生テープを縦横に貼ってある家の外観写真が投稿されているのを見かけた。「風が強いから大切ですね。うちもやらなきゃ」などとやり取りされており、このようなやり取りで対策をする方が増えたのは良かったと感じる。しかし一方で、残念ながら別の被害につながる可能性がある。

SNSでの投稿には、親しい人たちへ安否を伝えたり、被災状況などを報告する意味合いがある。大きな災害時ほど、交流のある人達に安否を伝えたい、同じく被害にあっている人たちに情報を届けたいなどの気持ちが働いて、普段は投稿しない人たちも投稿が増える傾向にある。

実際、ハッシュタグ「#台風10号」などをつけた写真、動画が、TwitterやFacebook、Instagram、TikTokなどで多数投稿されている。たとえばInstagramでは執筆現在、「#台風10号」は6.2万件、「#台風」は109万件、「#台風対策」は3.3万件投稿されている状態だ。

全体に、「(台風で)壊れた」「対策した」「こんな状況」という写真や動画が多くなっている。窓の外の暴風雨の動画や、家の中の様子、大風で壊れたり飛んだりしたもの。中には、避難所の様子を投稿しているケースもある。「#佐世保」「#奄美」「#宮崎」「#高知県」などの地域名ハッシュタグをつけて、公開範囲を限定せず全体公開で投稿されているものも多い。

地域や自宅が特定できる情報に注意

窓からの写真、建物の外観、避難所名、室内の間取り、地域名などがわかる写真や動画などが多く投稿されている状態だが、このような投稿は危険な可能性がある。

「#佐世保」などの地域名のハッシュタグや避難所名などをつけた投稿からは、地域が絞りやすくなる。「○○公園」「スーパー○○町店」などのローカルスポット名を投稿に入れることも同様だ。合わせて窓からの写真や建物の外観がわかる写真などを投稿している場合、Googleストリートビューなどを使えば、簡単に自宅が特定できてしまう。家の中の写真や動画でも、間取りがわかるようなものは危険だ。賃貸物件の場合、インターネット上で間取りが公開されており、照らし合わせることで特定できてしまうからだ。

一つの投稿だけではわからなくても、複数のSNS投稿を照らし合わせることで、様々な個人情報が取得できてしまう。写真や動画は特に情報を多く含むため、背景の映り込みなどにも注意が必要だ。

このような投稿によって、犯罪被害に巻き込まれた人は少なくない。SNSで自宅や学校などを特定されたことでストーカー被害にあった女子高生もいる。自宅と留守の期間がわかったことで、空き巣被害にあった人もいる。台風被害のような地域や自宅の場所が明らかになりやすい投稿は、ストーカーや空き巣などを狙っている加害者に対して多くの情報を与えてしまう可能性があるので、くれぐれも注意してほしい。

また、避難所に避難していることを投稿してしまうと、留守宅を狙われる可能性もある。実際、コロナ禍で休業中の店舗や企業などに空き巣被害が多発したが、「留守」「誰もいない」ことをSNSで公開してしまうと、このような犯罪被害につながることがあるので注意してほしい。被害にあった人の家をあえて狙う”火事場泥棒”のような人もSNS投稿を見ている可能性があるのだ。

SNSで不特定多数が見られる場に投稿することは、様々なリスクを帯びている。親しい人たちに安否を伝えたい場合は公開範囲を限定して投稿したり、被災した人たちに向けて情報を発信したい場合も自宅などが特定できないよう気をつけながら投稿してほしい。