シニアの消費者トラブル40万件突破、アダルトサイト詐欺被害も

シニアからのスマホやネットトラブル相談が増加中だ。相談件数の半数はシニアが占める(写真:アフロ)

全国の消費生活センター等に寄せられる相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談は増加傾向にある。2018年度は約43万件と過去10年で最高を更新し、相談全体に占める60歳以上の相談の割合も約49%と約5割に上る勢いで増加中だ。

中でも、スマートフォンやタブレットの普及により、これまでスマートフォンやインターネットなどを使ってこなかったシニア層に被害が広がっている。シニア層は現役世代とは異なり、これまで利用経験が少ない上、トラブルに慣れていないため引っかかりやすいというわけだ。

その上、詐欺に引っかかっても恥ずかしくて相談できないという人も多い点が問題だ。「数万円程度なら払って終わりにしたい」と考えて振り込んでしまい、目をつけられて複数回に渡って振り込み続け、老後の資金が枯渇するという例もある。

PIO-NET(注)にみる60歳以上の相談件数および相談全体のうち60歳以上の割合の推移
PIO-NET(注)にみる60歳以上の相談件数および相談全体のうち60歳以上の割合の推移

高齢の親のスマホ高額契約に愕然

契約当事者が60歳以上である相談を見ると、架空請求に関する相談、デジタルコンテンツ、インターネット接続回線などの情報通信関連のトラブルに関する相談が、60歳以上のすべての年代において多くなっている。

特に、6、70歳代では情報通信関連の相談や通信販売に関する相談が多くなる。たとえば、説明をよく理解しないままスマートフォンやタブレットなどを契約し、高額請求を受けるケースなどだ。

ある40代男性はこう語る。「離れて住んでいる親が、スマホを契約する際に不要なタブレットまで契約させられていた。ネットもろくに使えないのに、オプションもたくさんつけられていた」。解約手続きをする際に違約金まで支払うことになり、納得がいかない気持ちを味わったそうだ。

一方、80歳以上は訪問販売や電話勧誘販売によるトラブルが多くなるので、自分の親の年代に合わせた注意喚起が必要となるだろう。

アダルトサイト詐欺に巻き込まれるシニアたち

全国の消費生活センター等に寄せられる商品・役務別の相談件数をみると、2011年度から2015年度にかけて5年連続で1位なのは「アダルトサイト」に関する相談だ。近年は減少傾向にあるが、ある自治体の相談機関では相変わらず全年代で相談件数の一位だという。アダルトサイトトラブルの実態と注意点について、改めて解説したい。

相談内容をみると、消費者がアダルトサイトにアクセスしたところ突然「登録完了」となり、料金を請求されるケースが目立つ。「無料と思っていたのに突然料金請求画面が表示された。連絡先に連絡したら、コンビニで料金を支払うように言われて支払った」とある70代男性は言う。「知らない間に契約してしまっていたなら仕方がない」。

また、請求画面等にある「退会はこちら」等の表示をみてアダルトサイト業者へ連絡をしたところ、逆に個人情報をとられてしまい、「支払わないと職場に連絡する」等と脅され、業者から支払いを迫られる場合も少なくない。

「スマートフォンで広告に触れてしまい、間違ってアダルトサイトにつながってしまった。料金請求画面が表示されたので、業者に連絡をした。支払わなくてはならないのか」と言っていた60代女性がいました。このように、アダルトサイトにアクセスするつもりのない消費者が、誤まってトラブルに巻き込まれる場合もある。

不安な場合は家族や消費生活センターに相談を

シニア層も、ネットトラブルを含む様々な事例を知り、リテラシーを高める必要がある時代だ。困ったことや心配ごとがあったら、家族が相談に乗れるよう、日頃から連絡を取っておくといいだろう。

また、不安なことがあったり、万が一トラブルに巻き込まれてしまったときは、ぜひ消費生活センターなどに相談するようにしたい。消費者ホットラインに電話をすると、最寄りの市町村や消費生活センター等を案内してくれる。全国共通で「188(いやや!)」番でつながるので、高齢の親にも伝えておいてほしい。