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“きんに君”本塁打1位に並んだ!元燕・火の国サラマンダーズ中山翔太が来季NPB復帰へ猛アピール中

田尻耕太郎スポーツライター
昨年までヤクルトでプレー、火の国サラマンダーズの中山翔太(筆者撮影)

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ 九州アジアリーグ」が8月26日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われ、火の国サラマンダーズと宮崎サンシャインズが対戦した。

 火の国は連日のコールド圧勝。3連覇への優勝マジックを10に減らした。

【8月26日 ヤマエグループ九州アジアリーグ リブワーク藤崎台 503人】

宮崎  `2000000 2

火の国 `410250× 12

※7回規定によるコールドゲーム

<バッテリー>

【宮】●有水、中島 福田夏、友田、冨樫、木山――宮下

【火】○下川、松江――深草

<本塁打>

【宮】平湯6号 【火】中山6号

<スタメン>

【宮】4福田虎 6今津 5筒井 8平湯 2宮下 D神野 7矢崎 3糟谷 9梶山

【火】7松本 5仲村 8アルバレス 9中山 6晴樹 2深草 Dサンチェス 3山本 4瀬井

<得点経過>

1回表【宮】平湯が先制2ラン(火0-2宮)

1回裏【火】宮崎・宮下の悪送球で1点。中山の同点左越えソロ。サンチェスの右飛を落球で2点追加(火4-2宮)

2回裏【火】深草タイムリー(火5-2宮)

4回裏【火】福田夏の暴投、サンチェスの中前適時打(火7-2宮)

5回裏【火】深草が2点適時打、サンチェス2点三塁打、冨樫暴投(火12-2宮)

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NPB復帰目指す中山翔太、本塁打量産のワケ

 火の国サラマンダーズの4番打者、中山翔太外野手が8月になってから本塁打を量産している。

 1-2の一回裏2アウト走者なし、3ボール0ストライクからのカウント球に狙いを定めて振り抜くと、打球は左翼ポール際の芝生席へ鋭いライナーとなって飛んでいった。前日に続く2試合連続弾で、今季6号とした。

 6本塁打は九州アジアリーグでトップタイ。イスラエル・モタ(北九州下関)、この日本塁打を放った平湯皓基(宮崎)の3人が並んでいる。

昨年までヤクルトでプレー

 中山は昨年まで東京ヤクルトスワローズで4年間プレー。ベンチプレス140キロ、スクワット250キロを持ち上げる筋力が自慢で「きんに君」の愛称で親しまれ、同球団でかつて右のスラッガーとして活躍した大杉勝男氏や廣澤克己氏と同じ「背番号8」を与えられるなど期待が高く、プロ1年目は35試合出場で打率.289、5本塁打、14打点の成績を残した。

 しかし、その後は成績が低迷して昨年限りでヤクルトを自由契約となり、今年1月に火の国へ入団した。

 目標はもちろんNPB球団への復帰。しかし、7月末の登録期限を意識する中でプレーをしたが、7月末までの45試合で本塁打1本のみとアピールできなかった。

「来季から」を意識して

 8月になり、中山に声をかけるとこんな言葉が返ってきた。

「意識はもちろんしていました。だけど、自分が行きたいから行けるというものではないですし、自分の課題を見つめ、クリアしていくことだけを考えながらプレーしてきました。また、火の国サラマンダーズに救ってもらったおかげで、今プレーができています。チームとしては優勝を目指して戦っていますし、恩返しになるような活躍をしたいです。また、今シーズン中にNPBに戻ることはできなくなりましたが、今シーズンが終わって“来季から”という可能性があります。だから残りの期間もちゃんとアピールをしていきたいです」

直近11試合で5発

 8月になり、ここ11試合で5本塁打を量産している。

「今は軸足にしっかりためる意識をしています。パワーをためるみたいな。今日打ったのはチェンジアップでしたが、その意識のおかげもあり軸も崩れず、しっかりためて捻じれも作る中でスイングができました。これまではスイング軌道でバットを内側から出さなきゃとか取り組んでいたんですけど、大事なのはシンプルなことなんじゃないかと思ってやり始めたのが、いい結果につながっていると思います」

 打ちまくってアピールをしたい――中山は力強く言った。

 近年は外国人選手が振るわない傾向が強く、右の和製大砲の需要はあるはず。残り1か月のシーズンで2桁本塁打をクリアするのは最低条件になりそうだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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