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火の国アルバレスが豪快2発!米マイナー111盗塁の俊足も武器「夢はNPBでプレーすること」

田尻耕太郎スポーツライター
火の国サラマンダーズ・アルバレス

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ 九州アジアリーグ」が7月25日、福岡県飯塚市の筑豊緑地球場で行われ、リーグ2位の北九州下関フェニックスと同首位の火の国サラマンダーズが対戦した。

【7月25日 ヤマエグループ九州アジアリーグ 筑豊緑地球場 159人】

火の国   `01000102 4

北九州下関 `00000010 1

※8回裏終了、落雷コールド(球場には落ちていません)

<バッテリー>

【火】○松江――深草

【北】●荒巻、パク、橋爪、松本――田中、武蔵

<本塁打>

【火】アルバレス3号・4号、深草3号

<スタメン>

【火】7松本 4瀬井 5仲村 8アルバレス 9小林 D大崎 2深草 6晴樹 3高山

【北】4平間 6宇土 5大河 Dモタ 9吉岡 3中村 7コウキ 2田中 8藪

<得点経過>

2回表【火】アルバレスが右越え先制ソロ(北0-1火)

6回表【火】アルバレス、中断明けの直後に再び右越えソロ(北0-2火)

7回裏【北】重盗で三走の吉岡がホームイン(北1-2火)

8回表【火】深草が左越え2ラン。フェンスの最上部に打球が当たり、跳ねて柵越え(北1-4火)

<トピックス>

・火の国・松江が8回完投勝利。111球、6安打、3三振、1四球、1失点。5勝目(1敗)。防御率2.32はリーグ2位。

完投勝利の松江
完投勝利の松江

・火の国・深草は3打数1安打1四球で出塁率.446に。

・北九州・本盗を決めた吉岡は今季19盗塁目。

・北九州は連勝が10でストップ。火の国とのゲーム差は「5」に広がる。

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1試合2発のアルバレス、本当の武器は足と好守

 火の国サラマンダーズのエリエセール・アルバレスが来日初の1試合2本塁打を放った。

 2回表の第1打席、高めに浮いた変化球を見逃さずに右越えの先制ソロ。6回表の第3打席では内角直球を完ぺきにとらえて再び右翼手のはるか頭上を打球が越えていった。

 殊勲の2発にアルバレスも笑顔。「日本の野球に慣れてきた。周りにも恵まれている。打撃の調子もいい」と笑顔を浮かべた。

 アルバレスは今季開幕後の5月に加入が決まって来日。「私の夢は日本人指導者から野球を学ぶことでした」と火の国入団の際にはコメントしている。ラテン系選手特有の明るさも持ち合わせつつ、生真面目な性格でチーム首脳陣のアドバイスには熱心に耳を傾ける。

「日本の野球に慣れてきた」

 ここまで28試合に出場して打率.310、4本塁打、25打点、11盗塁を記録。特に7月以降の11試合で37打数13安打、打率.351、3本塁打、13打点、9盗塁と成績を伸ばしている。

 この日は2本塁打を放ったが、火の国の馬原孝浩監督は「パンチ力はありますが、決してパワーヒッターというタイプではない。走力と守備力が一番の武器で、その中で打撃でもいい仕事ができるのが彼の特徴だと思います」と説明する。

 アルバレスはドミニカ共和国出身。50m5.8秒の俊足選手とのふれ込みで入団した。

メジャー40人枠入りの実績も

 米マイナーでのプレー経験は豊富で2012年から2019年まで通算529試合に出場し、打率.263、38本塁打、242打点、111盗塁を記録。2018年には当時所属していたテキサス・レンジャーズで40人枠に入った経歴の持ち主で、近年は母国のウインターリーグでプレーしていた。

 アルバレスは「今後も日本でプレーをしたい。MLBよりもNPBに入りたい」と夢を口にする。NPBへの今季加入期限は7月末。現実的には厳しく、今季終了後にオファーが届くことを願って九州アジアリーグで熱くハッスルプレーを続けていく。

エリエセール・アルバレス

外野手兼内野手。右投左打。180cm、80kg。1994年10月15日生まれ、ドミニカ共和国出身。

球歴:Santa Teresita 高校~MLB(アメリカ合衆国)・2012-2017セントルイス・カージナルス(AA)、2017-2018フィラデルフィア・フィリーズ(AA)、2018-2019テキサス・レンジャーズ(AA・ロースター40人枠入)/LIDOM(ドミニカ共和国)・2016―2021(ウインターリーグ)エスコビード・レオネス、2022(ウインターリーグ)アギラス・シバエーニャス

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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