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亜大4年間で1安打のみ、でも目標は「柳田とジャッジ」。異色の大型ルーキー重松凱人がプロでは快打

田尻耕太郎スポーツライター
育成9位新人の重松凱人

 6月17日、福岡ソフトバンクホークス3軍はヤマエグループ九州アジアリーグ交流戦・大分B-リングス戦をホークススタジアム筑後第二で行った。同球場での試合開催は今季初だった。

【6月17日 九州アジアリーグ交流戦 ホークススタジアム筑後第二 141人】

大分     `000001000 1

ソフトバンク `00003223× 10

<バッテリー>

【大】●ラモス、松田、木戸、越智――中島

【ソ】○前田、大野、佐藤宏――牧原巧

<本塁打>

なし

<スタメン>

【大】8新太郎 6川上 9水本 Dグスタボ 5川原 7小田 4河野 2中島 3本田

【ソ】8緒方 4伊藤 7川村 D山本 9水谷 5石塚 6勝連 3小林 2牧原巧

<得点経過>

5回裏【ソ】川村、先制2点タイムリー。水谷が犠飛(H3-0大分)

6回表【大】川上が適時三塁打(H3-1大分)

6回裏【ソ】小林、犠飛。伊藤がスクイズ成功(H5-1大分)

7回裏【ソ】石塚の内野ゴロの間に追加点。重松が適時二塁打(H7-1大分)

8回裏【ソ】川村の二盗の間に二塁手が落球し三塁走者が生還。水谷の適時打。重松の犠飛(H10-1大分)

<トピックス>

・ソフトバンク先発の前田純は6回1失点。5回まではノーヒット投球

・2番手の大野稼頭央は2回無失点。

・勝連と山本はナイターの2軍・ロッテ戦(タマスタ筑後)にも出場

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途中出場の大型ルーキー重松が2打点

 育成9位新人の重松凱人外野手が7回の守備から出場すると、その後2度の打席で右適時二塁打と右犠飛を放ち1打数1安打2打点をマークした。

 異色の新人であり、無限の可能性を期待させる右打ちの大型外野手だ。

 大学球界強豪の亜細亜大学出身だが、大学時代はレギュラーではなかった。それどころか東都リーグでは4年間で9試合しか出場がなく、12打数1安打の成績しか残せていない。

 にもかかわらず、昨秋のドラフトで指名されたのだ。

 身長186cm、体重92kgの体躯を持ちながら俊足が武器。中学時代に全国中学陸上(110mハードル)に出場した経験があり、50m5秒9を記録した。また、戸畑高校時代は長打力も発揮し高校通算28本塁打をマークした。

 持ち味は積極性。ただ、とにかく粗削りで計算が立たない選手と判断されたのか、大学では出番に恵まれなかった。

 全くの未知数でソフトバンクへ入団。どれほどの実力の持ち主か誰もが測りかねていたが、6月12日時点までの3・4軍の非公式戦では19試合出場で55打数17安打、打率.309、7打点、5盗塁を記録している。大学通算1安打とは思えない打撃の潜在能力も見せている。

 目標とする選手は「柳田悠岐選手とアーロン・ジャッジ選手(ヤンキース)」とこれまたスケールが大きい。

「今はまだ3軍でもスタメンでなく控えが多い。ここ最近は結果が出ない時もありましたが、大道コーチや城所コーチから技術面のアドバイスをもらい、そして『もっと楽しんで打席に入れよ』と言われて今日は積極的に行けました。練習でやっている打撃もできました。最終的に目指すところはありますが、1つ1つ段階をクリアしていきたいです」

 ソフトバンク育成の、また新たなロマン枠。今後も注目したい逸材だ。

(※写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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