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昨季引退の坂口智隆氏、KAL・火の国サラマンダーズ臨時コーチに就任。近鉄、オリックス、ヤクルトで現役

田尻耕太郎スポーツライター
昨季までヤクルトでプレーした坂口氏(ヤクルト球団提供/火の国球団より送付)

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」(KAL)の火の国サラマンダーズは24日、NPB通算1526安打を記録し昨季限りで現役引退した坂口智隆氏が臨時コーチに就任したと発表した。

 球団関係者によれば、不定期にチームに合流して、一定期間で選手指導を行うとのこと。

 坂口氏は「オリックス時代、馬原監督には公私共にお世話になりました。今回のお話を頂いた時に何か力になりたいと思い、仕事上来れる回数は限られますが、少しでも力になりたいと思い、臨時コーチを引き受けさせて頂きました。少しでも自分の知識が選手の為になるよう、奮闘して参ります。また、私自身も指導者の勉強をしていきたいと思っております。熊本の皆さん、宜しくお願い致します!」とコメントを寄せた。

ドラフト1位で近鉄バファローズに入団

 坂口氏は兵庫県出身の38歳で元外野手。神戸国際大附属高校から2002年ドラフト1位指名で大阪近鉄バファローズに入団。高卒1年目から一軍デビューを果たした。2005年からは球団合併に伴いオリックス・バファローズ所属となり、プロ6年目の2008年からレギュラーに定着した。

11年パ最多安打、4年連続GG賞も

オリックス時代は主に「1番センター」で活躍した
オリックス時代は主に「1番センター」で活躍した写真:アフロスポーツ

 すると2009年から2年連続で打率3割を達成。2011年は打率.297だったもののシーズンフル出場し、175安打でパ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した。また、2008年からは4年連続でゴールデングラブ賞にも輝いた。

 しかし、その後出番を減らし、2015年に翌年の契約について、野球協約上の減額制限を超える減俸を球団から提示され、自由契約を申し入れて退団。東京ヤクルトスワローズに移籍した。

ヤクルトで見事復活、不撓不屈の男

昨季までヤクルトでプレーした坂口氏(ヤクルト球団提供/火の国球団より送付)
昨季までヤクルトでプレーした坂口氏(ヤクルト球団提供/火の国球団より送付)

 30歳を超えてからの新しいリーグでの挑戦だったが、新天地で再び輝きを取り戻し外野の主力選手となった。ヤクルトでは4シーズンにおいて規定打席をクリアした。

 2022年シーズンをもって現役を引退。鮮やかなバットコントロールと不撓不屈の精神で、ファンを魅了してきた人気選手だった。20年間の通算成績は1545試合出場、1526安打、打率.278、38本塁打、418打点、85盗塁だった。

神田康範代表取締役兼GMのコメント

「この度、坂口氏を臨時コーチとして迎えることが出来てとても心強く感じております。プロ野球界の激動の時代を経験され長く現役の第一線で活躍された経験は、選手だけでなく若いコーチ陣にも刺激になる事でしょう。

 契約に際し色々な話をさせてもらう中でも野球に対する愛情を深く感じましたし、これだけ実績のある方にもかかわらず指導者として謙虚に学んでいく姿勢を感じました。

 様々な形で野球振興をしておられ多忙を極める中、火の国サラマンダーズに興味を持ち時間を割いてくださることを心より感謝いたします。またこの縁を繋いでくれた馬原監督にも謝意を表します。世代の近い我々で野球界をそして熊本をもっと元気にしましょう。

 Welcome to 火の国」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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