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「BCリーグMVP」投手、「都市対抗登板」右腕ら新戦力10名が入団!=九州AL・火の国サラマンダーズ

田尻耕太郎スポーツライター
21年BCリーグでMVPに輝いた実績がある菅原

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズは19日、熊本市内で2023シーズンの新入団発表ならびにシーズン首脳陣の発表会見を行った。

150キロ級投手が続々入団

 新入団発表には10選手が出席。馬原孝浩監督も「基本的には平均的な選手はとっていない。何かに秀でた、魅力のある選手。可能性のある選手を獲得しました」と言い切る有望株が揃った。

 投手は6名が入団。最速150キロ右腕の菅原誠也は当時BCリーグだった滋賀でプレーした昨シーズン、25試合12勝4敗、6完投、158回1/3投球回、158奪三振、防御率2.50の好成績で、リーグのシーズンMVP(投手部門)に輝いた。今季も日本海オセアンリーグ・滋賀でリーグ最多108奪三振と、同2位の9勝をマークしていた。

 菅原は「今年がラストの覚悟だったが、まだ野球を続けたい思いがあった。九州出身だし、日本一になった火の国でプレーすることがNPB入りへ近づくのではないかと思った」と移籍に至る経緯を語り、さらに「馬原監督は僕が小さなころにホークス戦を見に行った時も投げていて、スゴイ投手なのはもちろん知っています。また、大学の先輩に西島篤さん(今季の守護神、最速155キロ)がいてこの環境で大きく成長したと聞いています。それも理由の一つです」と話した。

 さらに下川智隆は社会人・伏木海陸運送から独立リーグへ飛び込んだ。2021年の都市対抗で登板実績があり、今秋のドラフト会議で指名はなかったものの3球団から調査書が届いていたという。

 小江光樹は「憧れのサファテ投手に近づけるように」と背番号58を選んだ150キロ級の右腕。中村総一郎は安定感ある投球が持ち味。江藤奨真は今季まで大分B-リングスの先発ローテを担って今回移籍してきた。古殿聖月はキレと伸びのある直球が持ち味で「狙われていても空振りが取れる」と胸を張る。

野手も大砲&韋駄天の個性派ぞろい

 野手は4名。こちらも特徴ある選手が揃った。

 大分B-リングスから移籍の山口嶺生山本航樹は、体重100キロ超コンビの超大型選手。中軸を担う存在として期待がかかる。一方で瀬井裕紀は身長159cmと小柄だが、俊足自慢で今季は関西独立リーグの盗塁王。41試合出場で37盗塁を決めた脚力と、打率.379で首位打者にも輝いた。

 大崎太貴も打撃力自慢で、今季は日本海オセアンリーグで2位の打率.337をマークした。「九州アジアリーグでは首位打者を獲りたい。技も体も鍛えて、獲れるタイトルは全部獲りたい」と力強く語った。

【新入団選手】

新入団選手たち。前列左から小江、山口、山本、瀬井、大崎。後列左から中村総、菅原、江藤、古殿、下川
新入団選手たち。前列左から小江、山口、山本、瀬井、大崎。後列左から中村総、菅原、江藤、古殿、下川

<投手>

58小江光樹(おえ・こうき)

22歳、右投右打。福岡県出身。188cm、98kg。朝倉高校~九州産業大学

48中村総一郎(なかむら・そういちろう)

21歳、右投左打。福岡県出身。178cm、82kg。福工大城東高校~九州三菱自動車~関西独立・堺シュライクス

34菅原誠也(すがはら・まさや)

24歳、右投左打。大分県出身。180cm、85kg。延岡学園高校~長崎国際大学~四国IL・愛媛マンダリンパイレーツ~BC/NOL・滋賀GOブラックス

18江藤奨真(えとう・しょうま)

24歳、右投右打。大分県出身。175cm、76kg。日田高校~名桜大学~九州アジア・大分B-リングス

15古殿聖月(ふるどの・まさき)

23歳、右投右打。鹿児島県出身。177cm、81kg。鹿児島南高校~Herkimer college~鹿屋体育大学

16下川智隆(しもかわ・ちたか)

23歳、右投右打。佐賀県出身。178cm、84kg。佐賀学園高校~久留米工業大学~伏木海陸運送

<野手>

8山口嶺生(やまぐち・れお)

内野手、24歳、右投右打。長崎県出身。181cm、103kg。九州文化学園高校~長崎国際大学~四国IL・香川オリーブガイナーズ~九州アジア・大分B-リングス

3山本航樹(やまもと・こうき)

内野手(捕手)、24歳、右投右打。福岡県出身。185cm、100kg。東福岡高校~愛知工業大学~伯和ビクトリーズ

7瀬井裕紀(せい・ひろき)

内野手、23歳、右投左打。福岡県出身。159cm、60kg。西日本短期大附属高校~福岡大学~関西独立・堺シュライクス

6大崎太貴(おおさき・たいき)

外野手(内野手)、23歳、右投左打。三重県出身。174cm、85kg。宇治山田商業高校~日本福祉大学~BC・福井ワイルドラプターズ~NOL・滋賀GOブラックス

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左腕の徳橋が火の国と再契約

 ところで、この日発表された来季陣容の中に徳橋颯野投手の名前があった。

 徳橋は10月31日付で自由契約となっていたが、11月1日に行われた九州アジアリーグ4球団の合同トライアウトに参加。火の国との再契約を勝ちとっていた。

 今季は終盤にコンディションを崩した時期もあったが、リリーバー左腕として今季24試合に登板し、0勝0敗で防御率0.49と安定した成績を残していた。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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