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高校50発&東京六大学10発、ソフトバンク正木智也にアーチスト覚醒の予感【練習試合巨人戦で会心弾】

田尻耕太郎スポーツライター
キャンプのフリー打撃ではサク越え連発!

 11月13日、宮崎市内で秋季キャンプ中のソフトバンクは、同じ宮崎でキャンプを行っている巨人と練習試合で対戦した。

【11月13日 練習試合 ひなたサンマリンスタジアム宮崎】

ソフトバンク  `121200000 6

巨人      `010110000 3

<バッテリー>

【H】大関、杉山、高橋礼、中村亮、高橋純、甲斐野――渡邉、牧原巧、海野

【G】直江、赤星、山田、石田、代木、木下、菊地――亀田、喜多

<本塁打>

【H】佐藤直、正木、増田 【G】増田陸

<スタメン>

【H】D周東 4三森 6野村勇 3正木 2渡邉 5野村大 9柳町 7増田 8佐藤直

【G】8鈴木大 6中山 5廣岡 3秋広 9増田陸 D北村 7岡田 4湯浅 2亀田

11月とは思えない陽気の中で練習試合は行われた
11月とは思えない陽気の中で練習試合は行われた

<戦評>

 若鷹3人が本塁打そろい踏みだ。外野レギュラー獲りを狙う右打者3人が一発を放った。

 二回、ドラフト1位で入団し今季が3年目だった佐藤直が、巨人先発・直江から左越え2ラン。三回にはこの日4番に起用された、今季1年目だった正木が巨人2番手・赤星の変化球をとらえて左中間スタンド中段へソロを運んだ。さらに四回は横浜高校から入団して今季5年目だった増田が左翼ポール際へ2ランを叩き込んだ。

 藤本監督は「今日はみんな(バットが)振れとった」と話し、うれしいアピール合戦についても「どんどんこのメンバーの中から(レギュラーが)出てこないといけない」と力を込めた。

 なかでも正木については、第1打席の犠飛も高評価した。「簡単に見えるけど、第1ストライクの高めの球を外野にしっかり打ち返す。ああいうのが出ると、自ずとレギュラーの座が近づくんじゃないですか」と頷いた。(了)

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正木智也、右の大砲へ期待増

 正木智也外野手が実りの秋を過ごしているようだ。

 この日「4番一塁」でスタメン出場すると、中軸にふさわしい打棒を見せた。初回に先制犠飛。三回の第2打席では左中間へ会心のソロ本塁打を放った。

 巨人2番手・赤星から放った一発だった。赤星はこの日最速150キロをマークするなど力強い直球を投げていた。打つ直前もストレート主体。その中でスライダーを好スイングで仕留めた。「真っすぐを待っていた中で変化球に対応できました」と納得顔。また、慶大出身の正木と日大出身の赤星は同学年で、大学時代もオープン戦で対戦経験がある。「以前もホームランを打ったことがあります」と懐かしんだ。

吉本コーチの助言

 この秋は吉本亮一軍打撃コーチの助言もあり、バットの出し方やスイングの意識を改良している。力任せに打球を飛ばすのではなく、バットのヘッドの重さを利用して打球を遠くに飛ばすイメージだ。本人の手応えもいい。キャンプ中のフリー打撃では、シーズン中に比べて明らかにサク越えの数が増えて、飛距離も伸びた。何本も連続でスタンドインするのも珍しくない。

 もともと長打力を期待されてプロ入りしている。慶應高では通算50本塁打、慶大時代の東京六大学リーグ戦では通算10本塁打をマークした。ルーキーイヤーだった今季は35試合で3本塁打だった。現在はホームランへのこだわりを改めて強くしており、2年目に向けて、ホームランアーチストが覚醒を予感させる秋を過ごしている。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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