堀江貴文氏が創設の独立球団、チーム名変更へ。「福岡北九州フェニックス」→「北九州下関フェニックス」
プロ野球独立リーグ「ヤマエ久野九州アジアリーグ」に所属する福岡北九州フェニックス は15日、2023年度シーズンより球団名を「北九州下関フェニックス」に改名すると発表した。同日には山口県下関市・前田晋太郎市長を表敬訪問し、改名について報告も行った。
北九州と下関のWフランチャイズへ
球団は「来シーズンは、引き続き北九州市民の皆様に愛される球団を目指すと共に、関門都市圏として北九州と古くから密接な関係を築き、地域間の連携が活発な下関市でのチーム活動や社会貢献にも力を入れていく次第です」とWフランチャイズの方針を示した。
福岡北九州フェニックスは2021年5月、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏が新球団設立を発表したところから歴史がスタート。初代監督にかつてロッテ、阪神で活躍し元メジャーリーガーでもある西岡剛選手兼任監督を迎え、今年からヤマエ久野九州アジアリーグに参入。リーグ随一の攻撃野球で、9月15日までに71試合を戦って37勝34敗と勝率5割以上の戦績を残している。ソフトバンク三軍ともここまで5試合を行い2勝3敗とほぼ互角の戦いを見せている。
北九州市民球場を本拠地構想も厳しかった現実
ところで、設立会見では本拠地の第一候補として北九州市民球場を挙げていた。実際に3月20日の球団初試合は北九州市民球場で開催(対火の国サラマンダーズ)され、1248人のファンを集めた。同球場では6月24日のソフトバンク戦でも1089人を集客している。
北九州市民球場は立地も良く、プロ野球開催実績も多くあり認知度が高い。
しかし、高校野球、大学野球、社会人野球の大会やリーグ戦、中学生の試合、はたまた女子ソフトボールJDリーグ西地区のタカギ北九州ウォーターウェーブの試合も組まれるなど、フェニックスが優先的に使用できる状況とはならなかったこともあり、1年目の今シーズンは「本拠地球場無し」での戦いを余儀なくされた。
ホームゲーム39試合のうち、北九州市民球場で開催予定だったのは9試合のみ(うち2試合中止となり別球場で開催)。そのほか、北九州市内でホームゲームを行ったのは9月9日の的場池球場のみ。それ以外は福岡県飯塚市の筑豊緑地球場、同宮若市の光陵グリーンスタジアム、同大牟田市の延命球場、さらには福岡から飛び出して大分県中津市のダイハツ九州スタジアム、長崎県平戸市の平戸市総合運動公園赤坂球場(開幕前のキャンプ地だった関係)でもホームゲームを行ってきた。
そして、山口県下関市のオーヴィジョンスタジアム下関でも主催試合を複数回開催してきた。
下関に根付く「野球熱」
下関といえば、今夏の夏の公式戦で下関国際高校が準優勝を果たし、野球熱も高まっている地域である。また、下関市はかつてプロ野球の本拠地だった。1949年11月にプロ野球「まるは球団」が下関市に設立。直後に2リーグ制が発表され、セ・リーグに加盟。本拠地は下関市となった。そのチームが現在の横浜DeNAベイスターズである。
福岡北九州フェニックスの竹森広樹球団社長は 「この度、2023年度シーズンより球団名を『北九州下関フェニックス』に改名することを、下関市・前田晋太郎市長にご報告いたしました。今シーズンは旦過市場火災における募金活動や、わっしょい百万夏祭りと試合のコラボ企画等、北九州市に根付く活動を行って参りました。関門都市圏として関係の強い北九州市と下関市を、スポーツの面からも架け橋となり、来季はさらなる地域密着型の球団を目指していく次第です。引き続き暖かいご声援 をよろしくお願いいたします」とコメントした。