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ドラフト候補を撃破!北九州・西岡剛スキッパー「選手たちが頑張ってる」4連勝、首位3差に接近

田尻耕太郎スポーツライター
三塁コーチャーも務めた西岡剛スキッパー(左)と逆転打のラモン(筆者撮影)

 プロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の公式戦が26日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われ、リーグ首位の火の国サラマンダーズと2位で追う福岡北九州フェニックスが対戦した。

ドラフト候補同士が先発

【8月26日 ヤマエ久野 九州アジアリーグ リブワーク藤崎台球場 509人】

北九州 `000070002 9

火の国 `201010001 5

<バッテリー>

【北】◯大江、金本、本野、――武蔵、秋庭

【火】●芦谷、石本、徳橋、猿渡――有田

<本塁打>

なし

<スタメン>

【北】6妹尾 8神谷 4大河 Dラモン 3ルーカス 9吉岡 2武蔵 5中村 7鈴木

【火】7松本 6中村 9水本 3モタ Dグスタボ 5高橋 2有田 4高山 8柏木

最速148キロをマークして勝ち投手になった大江(筆者撮影)
最速148キロをマークして勝ち投手になった大江(筆者撮影)

<戦評>

 チーム打率2割9分超の打撃力を誇る北九州がビッグイニングを作った。

 0-3で迎えた五回表だった。8番・宇土の絶妙なバント安打で1死一、二塁とチャンスを広げ、火の国の守備陣を揺さぶった。ここで9番・鈴木が左越え適時二塁打を放って1点を返す。なおも1番・妹尾の遊ゴロが野選を誘い1点追加。2番・神谷が同点右前適時打。1死満塁から4番・ラモンが遊撃内野安打を放って逆転した。

 さらに5番・ルーカスは左翼線2点二塁打、6番・吉岡は左適時打と勢いは止まらずに、1イニング打者11人の猛攻で7点を挙げた。

 火の国は開幕10連勝左腕のエース・芦谷がまさかの大崩れ。6回7失点で今季初黒星を喫した。打線は3番の水本が2本の適時打で2安打2打点と気を吐いたが、6回から8回まではチーム無安打と反撃機をなかなか作れなかった。

火の国・芦谷の開幕連勝は「10」でストップ(筆者撮影)
火の国・芦谷の開幕連勝は「10」でストップ(筆者撮影)

 両チームのゲーム差は3に縮まった。直接対決は8試合残っており、27日は15時開始で同じくリブワーク藤崎台球場にて両チームが対戦する。(了)

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西岡剛スキッパー「良いチーム」

 スキッパーこと西岡剛選手兼監督は「自分たちのやることだけ。点数とかゲーム差とか何にも気にしてません。ただ、良いチームになってきた。選手たちが頑張ってるだけ。僕は見てるだけです」とグラウンドで普段通りのプレーで健闘した選手たちを称えた。

 前日まではホームゲームで3連戦を行って、この日は当日に移動してのゲーム。独立リーグの場合は、移動環境や食事面など待遇がどうしても厳しくなり、連戦となれば選手たちは疲弊しがちだ。

 そこは、昨季まで栃木ゴールデンブレーブスに在籍した経験もある西岡スキッパーがコンディションを上手にコントロールしている。心身ともにリカバリーできるようにシーズン中の連休を多用。柔軟な思考の中で選手の体を守り、より高いパフォーマンスを発揮できるように努めている。

 試合前練習も選手の自主性に任せている。「そうすることで、自分たちで考えるようになるから」と西岡スキッパーは満足そうに笑った。

 チームは厳しい日程の中で4連勝。西岡イズムが浸透しているフェニックスが、創設2シーズン目の「ヤマエ久野九州アジアリーグ」の終盤戦を面白くする。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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