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これがソフトバンク三軍制の強み!阪神二軍戦中止で急きょ「二軍vs三軍」。育成若鷹の活躍で下剋上なる

田尻耕太郎スポーツライター
二軍の4番で出場したデスパイネ(左)。三軍三塁手の伊藤も育成選手

 福岡ソフトバンクホークスは15日、タマホームスタジアム筑後で二軍対三軍を7イニング制で行った。

 この日は当初、二軍のウエスタン・リーグ公式戦・阪神タイガース戦が組まれていたが、阪神球団において新型コロナウイルス感染者が増加しチーム編成が困難となったため、15日~17日に同球場で行われる予定だった3試合が中止となっていた。

球場のチケット売場にはウエスタン戦の中止を知らせる看板も
球場のチケット売場にはウエスタン戦の中止を知らせる看板も

 ソフトバンクは今季から三軍を拡充し、試合数も昨年までの80試合程度から120試合程度に増加。チーム事情もマッチして急きょ組まれた「対抗戦」だが、ソフトバンクのチーム層の厚さを証明する試合でもあった。

【4月15日 二、三軍戦 タマスタ筑後】

ソフトバンク三軍 `0001401 6

ソフトバンク二軍 `0110001 3

<バッテリー>

【三軍】杉山、甲斐野――渡邉

【二軍】大竹耕、泉――九鬼

<本塁打>

なし

<スタメン>

【三軍】4小林 Ⅾ周東 2渡邉 3黒瀬 9山本 6勝連 5伊藤 7早 8舟越

【二軍】6川原田 8谷川原 4野村大 Dデスパイネ 5リチャード 9中谷 3井上 7笹川 2九鬼

<戦評>

 ライトからレフト方向への強風が吹く中で行われた試合。プレーにも多少影響があったが、その中でも三軍打撃陣が活発で計10安打6得点を挙げた。

 三軍は0-2の四回表、黒瀬健太(背番号126)の適時二塁打で反撃開始。五回表、早(同125)の三塁打をきっかけに同点として、なおもチャンスで代打・石塚(同121)が左越えの2点適時二塁打を放って勝ち越しに成功した。さらに黒瀬も右中間三塁打でこの回4点目を挙げた。

 七回表には渡邉の適時二塁打でダメ押し。最終七回裏は二軍が無死満塁と攻め立てるも、三軍は谷川原の内野ゴロの間に1点だけにしのいで6-3で勝利した。

 また、客席バックネット裏は無料開放され、ファンも見守る中で試合が行われた。明日16日も二、三軍戦は午後1時開始で実施予定だ。(了)

ネット裏にはファンも詰め掛けた。キャッチボールを行うのは杉山一樹
ネット裏にはファンも詰め掛けた。キャッチボールを行うのは杉山一樹

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小久保裕紀二軍監督コメント

「(二、三軍戦は)他の球団ではなかなかできないですよね。(二軍の投手が)一軍から登板の要望もある中で、小川三軍監督とも話をして、球団側とも確認をして実現しました。試合内容は二軍としては寂しかったですけどね。どっちが二軍か三軍か、お客さんは分からなかったんじゃないですかね。ただ、三軍の選手たちのアピールはひしひしと伝わってきました。次の遠征で入れ替わることだって十分にあり得る。そういう世界ですから」

小川史三軍監督コメント

「阪神さんとのゲームが中止になり、二軍が1週間も試合がなくなってしまう。シート打撃よりも紅白戦の方が良いだろうということで実施しました。若い選手はアピールもできるし、すごく気合を入れてやっていたね」

石塚綜一郎捕手コメント

「キャッチャーとしてスタメンで出たかったのが正直な気持ちです。二軍の投手が投げる中で、任せてもらえなかった悔しさはありました。試合途中からでしたが、代打で打てたのは良かったです。今年は3年目。やらなきゃいけない立場。小久保二軍監督をはじめ二軍首脳陣にも直接見てもらえる機会だったので、そこで結果を残せたのは良かったです」

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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